これヤバいって、いつものに戻れなくなるって…
そうめん、大好き。
細く澄んだ麺をツルツルすするだけで夏の涼が舞い込む。
播州生まれだから、そうめんはやっぱり〈揖保乃糸〉。
揖保乃糸は兵庫県手延素麺協同組合の構成業者が作る共同ブランド。
そうめん産地は数あれど、揖保乃糸は国内1位の生産量を誇る。
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そうめんは奈良時代に唐から伝わった縄状の菓子〈索餅(さくべい)〉が原形とされ、室町時代に今の形になったという。
発祥はヤマト王権の中心だった三輪(奈良県桜井市)で、有名な〈三輪そうめん〉として現代にまで引き継がれている。
播州には、この三輪から製法が伝わった。
そういえば揖保乃糸の産地・兵庫県揖保郡は聖徳太子が治め、今なお斑鳩寺が建つほか、太子町という町もあって、奈良との繋がりはなかなか深い。
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揖保乃糸にはさまざまなグレードがあるが、主なものは次の三つ。
ふだんスーパーで手に入るのは、赤帯の〈上級〉だ。
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現地には揖保乃糸の資料館〈そうめんの里〉がある。
(そうめんの里公式サイト)
この資料館では、そうめんの歴史を大がかりな展示で学べるだけでなく、そうめんづくりの疑似体験ができるコーナーが人気。
今は高校生になった次男坊がまだ小さかった頃の写真だ。
こんな体験めったにできるものではなく、なかなか楽しい。
資料館には、揖保乃糸を堪能できるお食事処〈庵〉が併設されている。
実はこっちが楽しみだったりして。
あぁもう写真を見るだけで涼しくなる、揖保乃糸。
隣にあるのは、そうめんの巻き寿司。
断面の美しさを見ると、どうやって巻くのだろうと不思議。
でもちゃんと酸っぱく、立派に巻き寿司。
これは結構好きかも。
お土産に最上級品の黒帯〈三神〉を買って帰って食べた。
え! これヤバいって、いつものに戻れなくなるって…
でも近くで手に入るのはいつもの赤帯〈上級〉だけ。
選択肢なく、戻るよりほかない。
(2022/7/14記)