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気分はすっかりイタリアーノ

小さなイワシをずっと探していた。
なのに、最近10匹パックだったのが8匹パックになり、6匹パックになりと日々大きく成長する一方。

なんで小さいの探しているかって?
ブカティーニが食べたいから。
ブカティーニとは僕の大好きな穴あきロングパスタだ。

「今晩スパゲッティだよ」
「マカロニだよ」

昭和の夕げのひとコマ、わぁっと子供たちから歓声があがる瞬間だ。
とくにスパゲッティがミートソースだったり、マカロニがグラタンだったりするとその歓声がさらに大きくなる。

長ければ「スパゲッティ」、短くて穴があいていれば「マカロニ」。
実に簡単だった。

それがいつしか「パスタ」が市民権を得て、「今日のランチ、パスタ行く?」「いいねパスタ」などとイタリア人を装う日本人が増えた。
ホントに分かっているのか? パスタのこと。

広義のパスタは、ピザもパンも含むという。
日本では麺状のものをパスタと呼ぶが、イタリアでは小麦で作ったものをすべてパスタと呼ぶのだ。
イタリア人から見ればお好み焼きもたこ焼きもパスタ。

パスタが幅広いものを指すことは分かったが、じゃあふだん家庭で食べるパスタは何?

◎イタリアにおけるロングパスタの分類(数字は直径)

  • ブカティーニ 2.5~6.0mm・穴あき

  • ヴェルミチェッリ 2.3~2.4mm

  • スパゲットーニ 2.1~2.2mm

  • スパゲッティ 1.9~2.0mm

  • スパゲッティーニ 1.6~1.8mm

  • フェデリーニ 1.3~1.5mm

  • カペッリーニ 1.3mm未満

日本でよく売られているのは1.4mm~1.8mmあたりだから、イタリア基準でいえばフェデリーニからスパゲッティーニということになるだろうか。

日本では細かな分類はないから「今晩ミートソーススパゲッティだよ」でいいのだが、そんなにイタリア人を装いたいなら「今晩ミートソースフェデリーニだよ」と呼ぶことにするか。
いや、ミートソースはラグー・アッラ・ボロネーゼだから、「フェデリーニ・ラグー・アッラ・ボロネーゼだよ」?

僕はふだん1.8mmを使うのでスパゲッティーニということになるが、たまに2.5mm・穴あきのブカティーニを使いたくなる。
ブカティーニはなかなか入手困難だが、先日近くの輸入食品店の限定販売に遭遇し、すでに手に入れていた。
あとはソースができれば、レッツ・ブカティーニ!

極太のブカティーニにはしっかり濃いソースを合わせたい。
パンチェッタを使うアマトリチャーナも人気だが、僕は濃厚なイワシのソースが好み。
それで小さなイワシを探していたのだ。

そして昨日、ついに20匹が1パックにひしめく小ぶりなのを発見。
こうなったらもうブカティーニだ。

20匹198円ということは1匹9.9円!
いたまぬよう手早く手開き
ブカティーニにはちゃんと小さな穴
少量の玉葱で作るシンプルなトマトソース
ここにオリーブオイルでソテーしたイワシを入れて突き崩す
息子が撮ってくれた

イワシのブカティーニ
Bucatini con Sardine(ブカティーニ・コン・サルディーネ)

青光りのイワシが美しい

気分はすっかりイタリアーノ!
ブォニッシモ!

(2023/10/1記)

チップなどいただけるとは思っていませんが、万一したくてたまらなくなった場合は遠慮なさらずぜひどうぞ!