どうやら僕も元町を満喫してしまったようだ
神戸で開いたリアル会の日、まいまいままさんが少し早めに神戸に来られたので、元町の〈放香堂〉へご案内した。
以前の記事を読んで気になっていたそうだ。
実は…僕も中に入るのは昨日が初めて。
放香堂は幕末から続く老舗の茶商だが、日本最古のコーヒー店として教科書にも載っている。
明治の新聞に「焦製飲料コフイー」と放香堂の広告が踊る。
店では資料に基づき、当時の「コフイー」を復刻。
インド産アラビカ種を石臼で挽き、煮出し式をフレンチプレス式で再現。
復刻コーヒーの名は〈麟太郎〉という。
麟太郎とは、神戸を今に続く大きな港町にした立役者・勝海舟の通称。
神戸港があったからこそ日本に入ってきたコーヒー豆にふさわしい名だ。
濾さないフレンチプレスだから、表面に油脂や微粉が浮く。
雑味がありそうに思えたが、飲むと意外なほどすっきり淡い。
店の人に訊くと、やはり〈麟太郎〉がいちばんよく出るのだとか。
〈麟太郎〉を口に含み、文明開化の「焦製飲料コフイー」に思いを馳せる。
会計に立とうとすると、まいまいままさんがご馳走してくださった。
気になっていた放香堂に連れてきてくれたお礼だと。
いやいや、新幹線に乗ってわざわざ来ていただいて、お礼を言うべきはこちらで…ごちそうさま。
店頭販売のテイクアウト〈グリーンティー〉も。
いやいや、申し訳ないですって…ごちそうさま。
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Ruby⭐︎さんとの待ち合わせの三宮を目指し、元ブラを。
元ブラとは、ハイカラな元町をブラブラ歩くことをいう大正時代の言葉。
元ブラ中、あっちこっちの店を指し示す。
おいー! どんだけ元町の店をnoteにあげてんねん! とセルフツッコミ。
いや、それだけ元町が魅力にあふれた町なのだ。
元町を、そして神戸をまいまいままさんにご満喫いただきたくてご案内したが、まいまいままさんと歩くのはとても楽しく、どうやら僕も元町を満喫してしまったようだ。
(2022/10/16記)
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