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神戸の街にスイーツがいかにしっかり根づいているかがよく分かる

昨日、久しぶりにケーキを食べに行った。
〈レーブドゥシェフ〉本店。
卓越した技能を持つと認められた「神戸マイスター」の佐野靖夫氏がオーナーシェフを務めるパティスリーだ。

神戸は全国有数のスイーツの街。
商業地の多い東神戸には有名なスイーツショップが競い合い、スイーツめぐりバスなどが運行されていたりもする。
一方、宅地の多い西神戸にも、東に負けず劣らず町の洋菓子店が並び、舌の肥えた神戸っ子を楽しませている。

昨日行った〈レーブドゥシェフ〉は西神戸の店だ。
10年くらい前まで実家が近くだったから、よく訪れた。

店は駅から歩いて行けるような場所にはない。
車がないとアクセスできないような住宅街の一角にあるのだ。
なのに、いったいどこから?と不思議になるほど、引きも切らず客が来る。

サラリーマンもフラリと立ち寄る

ちょうど15時、いい頃合いで店に着いた。
激戦の週末と違って店内は空いていて、ホッと胸をなで下ろす。

マダムの多そうな場所柄なのに、カフェコーナーに何組かいる客の中に、商談する3人組のおっちゃんたちも混じっている。
コーヒーだけのテーブルを見て、なるほど喫茶店としてなら仕事での利用もありかと思っていたら、お待たせしましたと店員がケーキを3皿運んでいって、やっぱり食べるんかい!
スイーツが神戸に浸透し、そしてこの店が幅広く愛されていることが伝わってくる。

奥で若いスタッフたちがてきぱきと仕上げたケーキがショーケースに並ぶ。

午後にはやや種類が減ってくる

久々だったので、基本に立ち返って苺ショートを頼んだ。
苺の本来の旬である5月に生まれた僕を、母はずっと手作りの苺ショートで祝ってくれたから、僕の中では基準のケーキなのだ。
初めてのケーキショップでは、あれば必ず苺ショートをオーダーする。
居酒屋でだし巻き卵をまず食べて店の腕を試すオッサンのように。

チョコペンのかわいいデコが嬉しいプレート

出てきたプレートのカラフルなデコに、思わずほっこり。
お言葉に甘え、ゆっくりさせてもらった。

ケーキを口に運んで…いやもうなんなん、この口溶け。
クリームも生地も、さすがマイスター仕立てだ。
そしてたっぷり入った苺に、幼き日々を懐かしむ。

イートインでは、10種ほどの中から選べるアイスがつき、コーヒーも1杯はおかわりができる。
これならテイクアウトとの税率の違いにモヤモヤすることもない。

住宅街の中、心温まるサービスで提供される極上のケーキを頬ばれば、神戸の街にスイーツがいかにしっかり根づいているかがよく分かるのである。

(2022/12/8記)

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