久々に聴いた吹奏楽はじんわりと心に響いた
神戸の大倉山。
山といっても標高40mほどの小高い丘。
ホテル御三家の筆頭格といえる〈帝国ホテル〉の創始者、明治の実業家・大倉喜八郎の別荘があった地だ。
だから大倉山。
その息子・喜七郎は、これもホテル御三家の〈ホテルオークラ〉の創始者。喜七郎は札幌にスキーのシャンツェ(ジャンプ台)も開いた。
だからこっちも大倉山。
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昨日、大倉山に行ってきた。
もちろん神戸の方の。
大倉山には中央図書館や中央体育館、文化ホールなど市立の文化体育施設が集まり、また神戸大学のキャンパスも隣接する文教地区。
昨日はその文化ホールに行ってきた。
目的はこれだ。
陸上自衛隊中央音楽隊 特別講演 in 神戸
Japan Ground Self Defense Force CENTRAL BAND 70th
陸上自衛隊の吹奏楽を聴きにやってきたのだ。
自衛隊については何の知識もなく、陸海空あわせて全国で32もの音楽隊があることも昨日初めて知った。
中でも各地の楽隊からの選抜で編成された中央音楽隊は、防衛大臣直轄のトップ楽隊で、国賓への儀仗演奏を一手に引き受けるエリート集団。
本来80名ほどの楽隊だそうだが、さすがの自衛隊員も感染症の波には勝てず、わずか40名ほどでの来神となったと説明があった。
昨日まで全然知らなかったが有名と聞いてにわかに楽しみにしていたソプラノ歌姫・3等陸曹の鶫(つぐみ)真衣さんも感染症で来れなかった。
有名なマーチなどの合間に、関西人にはなじみの深い吉本新喜劇のオープニングテーマを挟んでくれたりして、誰でも楽しめる内容になっていた。
休憩後の第2部は交響詩『ウルトラセブン』。
目を瞑って聴いていると、地球の平和を脅かす怪獣やそれを倒すセブン、そして悲しい別れなどの情景がありありと瞼の裏に浮かんだ。
交響詩を聴いたのは初めてだったが、まるでラジオドラマのようで楽しい。
フィナーレ近く、撮影可になった。
やはり人数足りず、ちょっと寂しいステージ。
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講演前には文化ホールのすぐ横にある〈もっこす 本店〉へ。
神戸を代表するラーメン店だ。
熊本出身の創業者が、「意地っぱり」の意味の熊本弁「もっこす」を店名に入れた。
〈チャーシュー麺〉と見まがうが、頼んだのはふつうの〈中華そば〉。
酸味のきいた豚骨醤油のスープに細麺と大量のネギ。
細麺より太麺が好きだし、生ネギの辛みに弱いので、その点は少し差し引くとして、でもうまい。
久々に食べたラーメンはじんわりと胃袋に、久々に聴いた吹奏楽はじんわりと心に響いた。
(2022/8/10記)