メルロの血が流れる男 (スイスでワイン造ってるの#70)
2022年に当時のスイス大統領カシスさんが来日し、面会した際に「このワインええで〜」と教えてもらったワイン。
生産者とメールや電話でのやり取りを1年以上経て、やっとやっと取引できることになりました❗️
なんでもカシスさん、このワインを各国外遊の際にお土産として持参されていたのです。
スイスの大統領が手土産に選んだ超特級のワインでっせー、サンプルワインを飲んだ時の唸る美味しさ、感動ったらなかなか言葉に出来まへ~ん。
ということで、今回は大統領御用達のワインを造っているワイナリー訪問時のエピソードを。
Cantine Ghidossi
大統領御用達ワインはカシス大統領の出身地、スイス南部ティチーノ州の南部イタリア国境の街カデナッツォで3代続くワイナリー、Cantine Ghidossi(ギドッシ)が造っています。
これまで折に触れてティチーノ州についてご紹介してきましたが、ティチーノ州のおさらいとこれまでご紹介していない情報を〜。
ティチーノ州は州内のぶどう畑のうち80%以上がメルロ品種という「メルロ王国」です。
ティチーノ州は大きく分けて北部と南部に産地が分かれています。
というのもティチーノ州の中央部にユーラーシアプレートとアフリカプレートの境界があり(へ〜っ!)、北部(ソプラ・チェネリ)は片岩質、南部(ソット・チェネリ)は石灰岩質と土壌も異なっています。*1
ちなみにヘルベティカ創業以来のパートナーCantina Settemaggio(セッテマッジオ)は北部ソプラ・チェネリにあります。
Cantina? Cantine?
おなじイタリア語圏でもセッテマッジオはCantina(カンティーナ)、ギドッシはCantine(カンティーネ)と語尾がaとeと異なっていますが、タイプミスとちゃうで〜
どちらもワイナリーのことを指すイタリア語です。
ギドッシの現在の当主Davideに違いを聞いたところ、
あ〜、Cantinaは醸造設備が1箇所だけのとこで、Cantineは醸造設備が複数箇所あるとこのことやで
うっとこは醸造設備が複数箇所あるからCantineやねん
とのことです。
ほ〜、勉強になるな〜
エエやっちゃ〜
取引を始めるにあたり、ワイナリーを訪問したい旨を伝えると、
よっしゃ、そしたら、ホテルまで迎えに行ったるわ〜
おお〜、エエやっちゃ〜*2
迎えに来てくれた車に乗り込むなり、
Davide なあ、今日このあとなんか予定ある?
ぼく ううん、ないよ
Davide ほな、ランチ食べて行き〜な〜、バーベキュー好き?
ぼく 好き、好き!
Davide よっしゃ、ランチはワイナリーのテラスでバーベキューに決定❗️ワイナリーに行く前にスーパー寄って地元産の食材買うて行こ〜!
なんてエエやつなんでしょう〜
いくらメール、電話でやり取りしてたとはいえ、直接会うのは初めての海の者とも山の者とも分からんぼくのためにここまでしてくれるとは❗️
もうぼくの心は取引することを決めていたのでした〜
Davide Ghidossi 語録
ヘルベティカでは、生産者のお人柄やワイン造りの哲学に惚れ込んだワインしか輸入していませんが、Davideも人柄が良いだけでなく、素晴らしい哲学の持ち主でした。
Davideの考えをよく表している言葉を紹介します〜
ティチーノのメルロが世界最高!
地元を愛し、自分の造るワインに誇りを持っているなんて素敵ですよね。
ちなみにぼくの焼くお好み焼きは宇宙一〜(笑)
ロバートパーカーの評価なんか気にしてへんもんね〜
世界的に有名なワイン評論家、ワインの価格に大きな影響を与えると言われているロバートパーカーなんか気にしていないと言い切るところがオトコマエ〜
輸出されていないということは悪いワインということではない
うん、うん、そー、そー!
日本でスイスワインを紹介すると、
スイスワイン?聞いたことないわ。美味しいの?
と疑いの目で見られることも多々。
輸出わずか1.3%のため、世界的に知られていないだけで、エエワインいっぱいあるねん。
Davideエエこと言うわ〜
見た目はソフトで、ひとなつっこいDavideですが、ワイン造りに対する情熱、地元愛、メルロ愛は半端なく、まさしくメルロの血が流れているオトコでした〜
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