1 挨拶
皆さん今晩は。今回は、浅野夕雪先生の著作『虹へ向かって飛ぼう』の書評を、哲学者として、様々な文献と見解と共にご紹介と書評します。
2 教育と人間関係
思うに、ほとんどの教育機関において、本質的には人間関係の学習が最も重要であり、そして根本義ではないでしょうか?今現在、日本は衰退の一途にありますが、教育の衰退もまた、その中、いや、その要因の一つではないでしょうか?
無駄な宿題・無意味な集団行動・無益な役割…人生の基本・基盤・基礎を形成する幼児期・児童期・青春期を、一個人から社会に至るまでは、もっと真摯に向き合うべきでしょう。
多くの子ども達が勉強しない・勉強したがらない・勉強できない・勉強の意味や目的を持たない・勉強の喜楽や幸福が無い…いや、それは、多くの大人達に教師達や親達も同様でしょう。
家族の愛は実に偉力でしょう。ですが、逆に言えば、家族の禍は実に猛毒でしょう。
そして残念ながら、家族を見棄てて逃げ去ることが最善の道である人もまたいます。『虹へ向かって飛ぼう』の主人公の一人「河原椿」ちゃんもまたその一人です。
しかし、問題はその後です。誰かの助けに依りつつも、自力で確りと着実に自己治癒と自助努力して行かなければなりません。
先進国である日本は、確かにインフラストラクチャー(社会的経済基盤と社会的生産基盤とを形成するものの総称)が、極めて豊富で良質・高品質でしょう。ですが、ソーシャルキャピタル(社会・地域における人々の信頼関係や結びつきを表す概念)が極めて不足しており、今後、この充実化と向上等が、日本の再興と新興の一つの重要な鍵となるのではないでしょうか?
「国家」「社会」「個人」「自由」…こう言った言葉も、突き詰めて行けば、結局のところ、私達人類は、群居本能を持った社交性の動物であるということを知ると同時に、所詮は、孤独な存在であることを知ることになるでしょう。
教育は、こう言った私達の人間の生物学な本能と社会学的な本性に確りと向き合っては、洗練して、人類の成長と進歩に貢献していくことにも取り組んでいくべきではないでしょうか?
3 自殺・自死・生命倫理
自殺は自分の意志に由るものか?自死に正しさや善さはあるのか?生き続けること自体は正しいか?善いか?もし原始時代であれば、答えるのは着火や稲作よりも容易いことでしょう。ですが、現代では、そう簡単ではないでしょう。
今自分が確かに言えることは、「個人の意志」と「環境の影響」、この二者の因果関係や相関関係に相互作用を確りと精察や分析に洞察しては、改善や新規に努め励んでいくことが大切ではないでしょうか?
生き続けることは、生命の本能であり、そして天命ですが、私達人類は、学び知ることで、今度は、自ら選択することが出来ます。その選択肢には、自殺と存続があり、思うに私達は、後者を選択できるようにしていくべきでしょう。
4 人生の虚しさと愛
生きては、色々と学び知って、本当に達観した時、いかに自分が孤独で無力あり、いかに世が非情で無常であり、いかに天が無情で合理であるのかを悟ることでしょう。
愛もまた虚しくて空しいことでしょう。
自分の愛する大切な人が自分を愛してくれるなんて、どうして言い切れるでしょうか?
自分の愛する大切な人が自分を愛してくれるという幸運も、どうして続くと言い切れるでしょうか?
自分の愛する大切な人が自分を愛し続けてくれるという幸甚も、必ずや死という終着点と永遠の別れに辿り着きます。
自分の愛する大切な子供達…その子孫が、被害者になったり加害者になったりする可能性は十分にあります。何故に種の保存をし続けるのでしょうか?
他の生き物を損なうことも傷付けることも害することも殺すことも無く生き続けることは不可能です。何故にそこまでしてでも生き続けるのでしょうか?
自分が生涯を掛けて育て成した愛する物・事・者…自分の死後、壊されたり、棄てられたり、廃らされたり、害されたり、殺されたりすることが多々あります。ああ、ならば、最初から何も存在しない方が幸いでは?
それでも…私達人類は、生き続けては、種を保存し続けて、闘争しながら創造と破壊を繰り返し続けるのです。何の意味も目的も無いこの世界で…それでも、脳に精神、本能に欲求、心に意識、知識に学習、言語に概念等を有した私達「人類」という生命体は、意味や目的等を創造しては仮定して、多様な生命活動を行うでしょう。
その多様な生命活動は正に「虹」の如く、美しくも儚いものであり、「虹へ向かう」のは、勇ましくも愚かなものであり、そして「虹へ向かって飛ぶ」のは、徒労に終わるものの、確かな幸せを自ら創っては得られるものでしょう。
5 結語
以上が、浅野夕雪先生の最新作『虹へ向かって飛ぼう』への個人的な書評です。先生への深謝と今後の無事健康とますますの新たなご活躍を願いつつ、ここに声援の意を示します。
自分も現在、『根性』という平和と戦争の哲学小説を執筆中で、内容が戦争で、その結末が余りにも悲惨であるということから、今現在、大変精神的にも心理的にも極めて多大なストレスを克服しつつ、完成に向けて奮励努力しております。死ぬと分かっていても、それでも必死に生き延び続けては、戦い続けて、愛する大切な人々を想う…それが、次回に出版する拙作の哲学小説のメッセージです。
最後に、以下の天野先生の御言葉を皆さんにご紹介します。
明日から、上記の拙作の執筆を再開します。