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アッシジに住みたい(2) "輝きの小路"に住む

アッシジの旧市街は、軍艦のように細長い丘の上にある。
丘の下の駅から見ると、左端が聖フランチェスコ大聖堂と修道院、右手のほうがスバシオ山に向かっていた。

大聖堂側が谷で低くなっていて「下地区」、山側のほうが高くなっていて「上地区」と呼ばれ、春のお祭りでは町が2つの地区に分かれて、いろいろなことを競うのだった。

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学校から紹介してもらった家は大聖堂に近い下地区にあり、日本語にすると「輝きの小路」のような名前の通りだった。

家といっても一戸建てではない。古い5階建て(たぶん)の建物の中にある一世帯の1室を間借りする形だった。

昔のネガフィルムや写真を出してきて、自分が部屋を借りていた家の建物のイラストを初めて描いてみた(ヘッダー写真)。
が、いざ描いてみると、自分の部屋の窓が外から見るとどんなだったか、まったく思い出せない。写真に写っているところだけ描いてみたけど、あらためて面白い構造だなあと思う。

玄関を入ってすぐ左側が最初に借りた部屋で、窓の下に植木があるところ。綺麗な部屋で、シャワーとトイレが中についていた。向かいがキッチンとダイニング、その奥にテレビのある小さなスペースがあり、間借り人達の共有の場所。

2階には2部屋と共同のシャワー&トイレがあり、1部屋には大きなベランダがついている。2部屋のドアの他にもうひとつあるドアを開けると、上にいく細くて急な階段があり、上がると屋根裏のような3階の部屋があった。

いくつかの世帯が建物の中で複雑に壁で仕切られているようで、イラストだと玄関の左上の窓はもう違うお宅だった。

写真は、お世話になっている方のお宅に遊びにいくので、手土産に薔薇を切らせてもらっているところ。下から見るとよくわかるけれど、ベランダはかなり簡単についているように見える。落下したりしないのだろうか、と思ったけれど、あまり考えないようにしていた。

私は最初の数日間1階の部屋で過ごしたが、大家さんの事情で2階の部屋に移ることになり、そこに2ヶ月弱、そして最後の1ヶ月は屋根裏のような3階の部屋に住んだ。このお宅の中では一番上の部屋だけど、建物は5階建だからまだ上があって屋根裏ではない。でもまさに屋根裏のようだった。

友人知人に部屋の写真を見せると、1階の部屋は明るく綺麗なので「いい部屋ね」と言ってくれるが、一番お気に入りだった3階の写真はあまり反応がなかった。何かの拍子に天井のシャンデリアが傾いてしまい、しかも薄暗く写っているのでお化け屋敷っぽいからだ。

イラストに描くとこんな感じ。

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天井が聖堂みたいだし、屋根裏にのぼるような暗い階段の上にあって静かなこと、3階なので眺めが一番よかったことなどが気に入っていた理由だ。
郊外に住んで、毎日掃除などに通ってきていた大家さんはこの家で生まれ育って、やはりこの部屋が気に入っていたのだという。

なんだか書いているうちにいろんなことを思い出すので、
この家での生活のことは、もうすこし書いてみたいと思う。


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