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ロンドン塔の王子たち・・とリチャード三世再び

三連休のおわり。
3日のうち1日くらいは美術館に行こうかと思ったけれども
どうにもこうにもの暑さで外に出る気にならず、
どこに行っても人混みだろうことを考えると
お家でだらだら好きなことするほうがいいよな、という結論に至っております。

そして、youtubeを開けたら目についたのが、
山田五郎さんの「オトナの教養講座」
・・の、ロンドン塔の王子たち。

五郎さんのこのチャンネル、ほんと面白くて
この人はどうしてこんなに博識なんだろうと、あらためて感心してます。

ロンドン塔は、80年代に初めてイギリスに行ったときにちょっとだけ寄りましたが、中には入りませんでした。
その当時ですら、そこは怖いところだとすでに知っていたので
友人と一緒だったけれど、入ろうという気も起りませんでした。

もともとは王宮兼要塞としてつくられたそうですが、
要人が捉えられたり、拷問、処刑されたりしていて
幽霊がいっぱい出るといわれています。
ヘンリー8世の妃で、エリザベス1世の母親であるアン・ブーリンが首なしで歩いているとか?!
このふたりの王子の幽霊も・・。

でも、このミレイの絵はあまりよく知らなかったし
この子達、誰だっけ?と興味を持って観てみました。
観始めたら面白くて、47分もあったけど最後まで観てしまいましたよ。

正確にいうと、"王子たち"ではなく
右の男の子はすでにイギリス国王エドワード5世(12歳)、
左の子は弟のヨーク公リチャード(9歳)です。

ジョン・エヴァレット・ミレイ
『塔のなかの王子たち』

ヨーク家とランカスター家の薔薇戦争中の1483年、
父親のエドワード4世が急死すると
長男がエドワード5世として即位しますが
弟とともにロンドン塔に幽閉され
叔父のリチャード3世によって暗殺されたということになっています。

17世紀になり、ロンドン塔のホワイトタワーの中の
絵の中で彼等が立っているような階段の地下3mから、
ふたりの子供の骨が入った箱が出てきたそうで
彼らの遺骨としてウエストミンスター寺院に葬られたそうなのですが・・。

話の途中で、
ん? 
と思い出すわけです。
リチャード3世って、あのリチャード3世だよ!
と。(というか、最初から思い出そうよ)

歴史家でもなんでもなかったフィリッパ・ラングレーという女性が
執念で市役所の駐車場から発掘したリチャード3世の遺骨、
その経緯を映画化した「ロスト・キング」。

この映画のなかでは確か、
ほんとうにそんな残虐なこと(甥たちを殺す)をしたのか、と言う問いに
リチャードは何も答えないというシーンがあったと記憶しています。
そりゃそうだ、映画を作っている現代の人たちに事実はわからないのだからね。

けれども、五郎さんの動画を見ていったら
証拠が出てきたそうなのです、
彼らが生き延びていたという証拠が。

そして、そのことについて調べ続けていたのがやはり
フィリッパ・ラングレーと、リチャード3世協会の人たちで
本も出版され、いま話題となっているのだとか。

とっても読みたい。

そんなわけで、
ロンドン塔に出る王子たちの幽霊について知りたかったのに、
出るわけないだろう生きてたんだから説に行きついて
やっぱりリチャード3世は悪くない・・
としみじみしている連休最終日です。

ほんとはちがうこと書こうと思ったけど・・
アートも歴史も面白いですね。


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フランチェスカ
書くこと、描くこと、撮ることで表現し続けたいと思います。チップは自分を豊かにしてさらに循環させていけるよう、大切に使わせていただきます。