情熱のイタリア男🇮🇹カプリ島バンビーノ(男の子)&ノンノ(お爺さん)
イタリア旅行で出会った情熱男たち。
前回は降りぎわに、サッと一輪の花をくれたタクシー運転手の話を書いた。
イタリア男たちの、女性に対する惜しげもないアモーレぶりは、旅行へ行く前から、イタリアン彼氏をもつCちゃんにいつも聞かされたけど行ってみて本当に驚いた。
つねに女性を褒める、愛でる、労わる。
あー日本男児が、数滴でもそのエッセンスを取り込んでいたなら、定年後粗大ゴミと言われたり熟年離婚よと言われたりするの、減ったんじゃないかいな? と思ったほどだ。
今日は、青の洞窟が有名なカプリ島の男の子とお爺さんの思い出。イタリア語を調べたらとてもキュートだったから、今からはそう呼ぼう。
男の子→バンビーノ
お爺さん→ノンノ
カプリ島は、面積約10キロ平方メートルの小さな島。日本だと、沖縄諸島の波照間島が12.7k㎡くらいなので、それより少し小さい。ただ、カプリ島は、超急勾配。そして断崖絶壁が続く。このような地形の島を、よく世界的観光地に発展させたものだ。
ナポリからカプリ島までは高速船。約30年前のことだがエグい速さだったことと、混んでいたか席代をケチったか?で、到着まで甲板に立っていたのを思い出す。
私とCちゃんは
「どんだけスピード出すんよー!」
と騒ぎながら柱みたいなものに必死で掴まっていた。激しい揺れと強風。
若い頃だから耐えた。今なら絶対乗れない。
カプリの街は、お洒落な店舗が並んでいて、コンパクトに計算された観光地。そんなイメージだ。
メインの【青の洞窟】
この感動は、自分のボキャブラリーでは言い表せない。そこで、当時の紙写真を🤳し、タイトル画にしようと思ったが、私のヤスモノカメラでは、あの素晴らしいブルーが綺麗に撮れていなかった。
よって、みんなのフォトギャラリーから青の洞窟と検索してお借りした。
こんな深い魅惑のブルーに漂いながら、船頭さんのリードで、オーソレミーオを歌う♪
洞窟内に木霊する船頭さんの声は、オペラ歌手のようだった。
バンビーノは車にいた。
カプリは前述したように坂道だらけ。それは、私たちがグッタリしながら、上り道を歩いていたときだ。
一台の車が少し先で停まり、おじさんが、窓から顔を出す。
「上の道路まで乗ってくかい?」
警戒したが、車内をのぞくと助手席に5歳くらいのバンビーノがチョコンと座っている。
癖っ毛にクリクリしたお目目が可愛い。子どもがいるなら安心だろう。
礼を言いながら、後部座席に乗り込むと
「この子がね『あのお姉さんたちが、大変そうだよ。お父さん、車に乗せてあげようよ』そう言うのでね」
と、説明してくれた。
バンビーノは、やおら振り返り
【そっ。俺がオヤジに頼んでやったのさ】
とばかりに
本場の
チャーミングな
およそ完成形と思われるウインクを
投げてきた。
おおっ。なんとっ!
前回に引き続き、惚れてまうやろぉ〜である。小さなバンビーノでも立派な情熱のアモーレイタリアンだった。
ノンノはプールサイドのベンチにいた。
水に入って髪がワカメになる前に、記念写真を撮ってもらおうと、キョロキョロしていたときだ。
すぐ目の前のベンチで居眠りしていたノンノ(お爺さん)が、ちょうど目を覚ました。
当時は自撮り棒もスマホも無いから、ふたりで記念写真を撮りたい時は、まず人探しから。
水着だけど、ノンノ(老人)だから、若い人より頼みやすかった。
「このカメラで撮って貰えますか」
居眠りから起きたばかりのノンノは、ノロノロとカメラを受け取ったが、モデルみたいなCちゃんの悩殺ビキニを見た途端
覚醒した。
あきらかに20歳は若返った。
背筋が伸びて眼の色も豹変していた。
そこからは、取り憑かれたようにシャッターを押す。
「いいね! 最高!」を連発しながら。
何枚撮るねん?
「もう、いいです。ありがとうございました」
そう言ってるのに、なかなか撮影は終わらなかった。
そして、ナンパを始めた。
「今晩、ホテルのバーで3人で飲もうぜ‼︎」
ええっ?
さっきまで四肢を伸ばしてダッラーン居眠りしてたノンノ(爺さん)だよね?
どう見積もっても70後半から80超えなのに
パワー全開で誘ってくる。たいそう驚いた。
カプリの眩しい太陽がプールに反射して、ノンノのピンク色の肌とウブ毛と白い頭を照らしている。
目だけ
ギンギラギンに
さりげなく……ない
アゲッチュベイビー♪
アニージュベイビー♪
アウォンチュベイビー♪
ライッオン🎶
と、踊りまくっている(ように見えた)
情熱のアモーレノンノ。これぞイタリアン男の真髄か。
だが、何回かお断りをしたらあっさりと諦めた。潔い。男前だ。
「チャオ」と片手をあげ、ベンチに戻っていく後ろ姿は、もう年相応のノンノだった。
おわり