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母に贅沢をさせるには
一体いつになれば、母は母自身のために時間とお金を使ってくれるのか。ここ数年それに頭を悩ませている。
私が大学進学とともに実家を出ても就職して自立しても、全然変わらない。
自分の服を自分で買う姿は数えるほどしか見たことがないし、何だったら「ユニクロにいくことがあったらシャツを何枚かお願い あなたは選ぶのが上手だから」と頼まれてしまう。
だから、一緒に買い物に行く姉妹のような母娘の姿が羨ましいことも正直ある。
多分、全く服に興味がないわけではない。母から貰うお下がりはRALPH LAURENやMcGREGOR、NEWYORKERのコートもある。
先日、「ふるさと納税ってものをやってみたいの」と言われ、楽天のアカウント作成やクレジットカード手続きなど諸々の準備を代行した。
ページどうやったら動くの〜と私のMacbookのトラックパッドに苦戦しながら悩んで悩んで母が選んだものはミックスナッツ。理由は「みんなで食べられるから」らしい。
1kg×2袋が届いたのだが、結局母はお礼として1袋を私に、もう1袋は中身を半分に分けて父と兄夫婦にあげてしまった。
自分は鶏肉が嫌いなのに、私が実家に帰ると私だけのために嬉しそうに唐揚げを揚げる。
スーパーのポイントが貯まって値引き券が出ると「好きなものに使い」と私にくれる。
多分私が気付いていないだけで、母はずっと日常のあらゆる場面で私や家族を優先し生きてきた。
そしてこれは私が結婚しても変わらないと思う。
気持ちを向けてもらったものに「いらない」と言いたくないし、自分のために使ってよ、と言っても効かないことはもうわかっている。
だから最近は、母への贈り返しを沢山することに決めている。
誰かに何かを貰ったらありがとうといい、適所でお返しをする。考えてみたら当たり前のことなのだけど、家族という近すぎる存在だとそれを忘れてしまう。
今年の母の日は、Mr. CHEESECAKEを贈った。カーネーションがデザインされた、母の日限定の美しいギフトボックス。
テレビが好きでなんだかんだ情報通の母だから、存在は知っていたかもしれない。けど自分だけのためには絶対買わない。
だから母が自分を甘やかさない分、娘の私が半ば強制的に甘やかす。
これからも美味しいものを私が買って、一緒に食べて、沢山美味しい思いをさせてあげないといけないのだ。
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