もう、自分の"好き"を中途半端にはしない~初のレシピ本出版に至った2024年~
「料理研究家」といいつつ、料理をメインの仕事にはできていなかった私が、
出版社の方にお声掛けしていただいて、
予定よりも早く発売にこぎつけた2024年。
ひとまず、やってみよう
レシピ本の話を頂くまでは、料理関連でまだやったことのないことに挑戦していた私。
遡ること2024年1月。
2021年ごろから始めた趣味のインスタアカウントが、じわりじわりとやっと5千人ぐらいまで伸びてきたところで、数人のファンの方から
「料理教室やってたら、参加したいです」
というお声を頂くようになっていました。
もともと料理教室をすることには興味がなく、教えるなんて…!というのが正直なところでしたが
まだやったことないから、とりあえずやってみるか、
という感じで始めることに。
そんな思いで、多数へ向けて共通の講座をする、というのではなく、
ひとりひとりの悩みなどに沿った料理メニュー・進め方で行うスタイルで進めていった当時。
こちらの記事に書いていたように、2024年2月頭頃に投稿した1本の動画が大きな転機となり
急に、インスタグラムが1万人以上の方に見て頂けるようになると、
毎月続々とご依頼を頂いて、いつの間にかフォロワーさんと楽しく料理している自分がいました。
念入りな準備とあっけない終わり
このまま料理教室を発信活動と並行してやっていくのもいいかも…?なんて思っていた矢先、
4、5月頃には料理教室の依頼はピタッと来なくなり、そこまで需要がないのかもと、新しいことをスタートしようか、考え始めていました。
とはいえ、摂食障害やうつ病を乗り越えた経験を活かしながらの食事サポートや、
独学で進めてきた写真・動画撮影を踏まえての講座に、興味を持っている旨は伺っていたので、
もっとちゃんと整えて、参加しやすくしてみようと、noteのメンバーシップの立ち上げに挑戦。
すごく素敵な取り組みですね…!!とお褒めの言葉を頂けたのはありがたかったものの、実際に参加頂いて活動を定着させる、ということは成せず、
開始1ヶ月程でクローズを決意ー
やはり、蒸し料理って簡単にできてしまうし、そんなにお金を払って習ってでも学びたいと思えるようなものではない、という現実を突きつけられたような気がして、苦い挫折を味わってあっけなく終了ー
することになりました。
あんなに念入りに準備したのに…という気持ちもゼロではなかったのですが、悔やんでいても仕方がないので、前を向こうと気を引き締めることに。
…そんな4月末頃に、1件のDMが
そうして、初となる出版に向けて動き出すことになります。
こちらの記事でも書いていたように、自分の好きをとことん追求した先には、
必ず何か形として残ったり、行き着くところがある
ということを、確信していました。
試作・撮影・バイトの毎日
今回書籍としてご提案頂いたのは、「蒸し素材を使ったおやつ」。
正直、「最初に出す本ならおかずレシピの本ががいいな」という気持ちがあったものの、
これからもしレシピ本を数冊出していくとなると、よりテーマを絞った一冊にするのはありかもしれないー
その気持ちをだんだんと抱くようになって+せっかくのご縁を信じて出版したい旨を伝えました。
5月後半には、無事に出版社内で提案を承諾いただいた旨を伺い、本格的に準備スタート。
当初の発売予定、2025年2月から逆算すると、6月末までにレシピ案の共有、9月までにレシピ・写真データを提出する必要があって、
継続して投稿していたReel(レシピ動画)も作りながら、普段の2,3倍のスピードで試作を進めました。
レシピ本を作るなら、改良版も含めて、すべて新しいレシピにしたい、という気持ちをモチベーションに、
午前は試作・撮影、午後は生活のためのバイトというスケジュールで生活していくと、毎日が一瞬で過ぎて行って…
軽くデザインもしながら、レシピと合わせて載せるエッセイも書き上げ、8月中に無事すべてのデータが揃いました。
やっと現実味が増してきて…
提出したデータをもとに、デザイナーさんがデザインを詰めてくださり、10月からは本格的に校正作業がスタート。
手元に届けて頂いた校正紙で、何度もレシピや文章・写真を確認したり、
赤ペンで気になる部分を書いたり…
担当者さんとメールで何度もやり取りをして、次々に本の中身から表紙の帯まで決まって行きました。
色の確認をする「色校」で、実際の印刷物に近いものを確認した時には、
やっとこさ「私の本が出るんだ」という実感が湧いてきた私。
そうこうしていたら、2025年2月発売予定だったのが、2ヶ月早めての12月発売ということになり、
Amazon販売ページ+SNS用のPVを急遽用意して、予約販売に備えました。
ついに予約開始、発売、そして…
あっという間に重版が決定。
予約開始時点では、「予約しました!」と早速メッセージくださる方や、本の存在をシェアしてくださる方がいらっしゃった一方で、
まだ自分の中で、出版を落とし込めていない感覚が正直ありました。
ですが、発売日が近づいて当日になって、本屋で見つけたというお声を頂いたりもして、
「私の本が世の中に出て行ったんだ…!」という実感をやっと持てた私。
何店舗か本屋さんに足を運び、「○○ランキング1位」などと華々しい成果を出しているレシピ本からは離れた目立たない場所で、ひっそりと置かれている私の本を見て、
本屋に置いていただけていることへの嬉しさと、まだまだだなという悔しさが半々ぐらいの複雑な気持ちを抱きー
「ここからが始まり」という前向きなやる気もみなぎってきました。
2024年は
「心穏やかに、内なる炎を燃やし続ける1年に」したいと決めてスタート。
何かと追い込みすぎてしまう私は、社会人1年目のうつ病から始まり、特に心にダメージを受けてしまいがちでした。
そんな経験からの学びは多く、心の穏やかさを保ちつつも、びしっとやるときはエネルギー全開で取り組むというような、
メリハリというか、うまくエネルギーバランスをとれるようになってきたような、そんな実感があります。
新しい年を迎えようとしている今
正直、これからの具体的なプランは決めていません。
ただ、「こんなテーマでレシピ本を出してみたい」
「これでこんなレシピや動画を作ってみたい」
「プライベートでこんなことをしてみたい」
というアイデアや希望は、泉のように絶えず湧き出てきます。
この私に必要なのは、「自分の好きに素直でい続けること」そして「自分の好きを極め続けること」だと思うから
2025年も、そのテーマを忘れずに、1日1日を大切に生きていくつもりです。
ひとまずは、年末からスタートした田舎暮らしに慣れて、
私にしか生み出せないもの、見てくださる方の支えになれるものを
今までのスタイルにちょっとしたスパイスを加えて、制作・発信する環境を整えるところからー
2024年に関わってくださった、すべての方への感謝を込めて。
2024年12月31日 あいり