見出し画像

フライパンで小豆を蒸して、味噌を作る

これまで蒸し料理研究家として、野菜に限らず、豆や穀物、乾物などなど色々なものを蒸しては、

毎日の常備菜から常備おやつまで作ってきた私

初めての方はこちら⇩へ

実家ではかつて、大鍋で大豆を茹でて大量の味噌を仕込んでいたことがあったので、

味噌を手作りすることは、ある意味身近な存在だったものの

"乾燥豆を柔らかくなるまで煮る"ことへのハードルから、自分で一から作る気にはなれず…

そんな私を、よくある大豆でもなく小豆を使って味噌を作ろうという気にさせたのは、これまでの蒸し料理研究の蓄積があるんだろうなと思っています。



小豆を煮ないで【蒸す】


家の畑で採れた小豆を
さやから出すところからスタート

私流の料理では、乾燥豆は茹で(煮)ないし、アク抜きもしない。

詳しくはこちらにまとめていますが、

蒸している間に、アクやえぐみ、余分な水分が下に落ちてくれて、ふっくら甘み・旨味ぎっしりに仕上がってくれるので

その手軽さとおいしさから、どんな乾燥豆も調理するのが楽しいものになってきました。

その中でも小豆は、"大量の水と砂糖で茹でこぼしたり煮つけたりしなくても、味わい深いあんこができる" というのが特に感動的で


甘いあんこ以外にも、この蒸し調理を活かしたい、という気持ちになってきていました。

ーというのは前提に、

まずは下準備

ということで、小豆を一晩浸水します。

今回の分量は母のレシピメモより拝借:
乾燥小豆:150g
麹:250g
自然塩:50g

→できあがりの味噌は500g程度
直径約7㎝×高さ約12㎝の瓶より少し多いぐらい

小豆がしっかりかぶるぐらい
たっぷりの水を


小豆は浸水なしでもいいと言われることがありますが、個人的には、浸水した方が蒸し時間の短縮につながる印象を持っているので、蒸す前には踏んでおきたい工程。

浸水後の小豆
シワが寄らずぷっくりすると◎


本格的な蒸し器は不要で

わたし流の蒸し調理では、【フライパン+蒸しプレート】で進めます。


フライパンに水
を入れて、蒸しプレートをセットし、

蒸しプレートの上に水が出てきていない(水の量が多すぎていない)ことを確認したら、

浸水しておいた小豆を、重ならないように広げます。

蓋をしたら、沸騰寸前の低温をキープ(ぶくぶく激しく泡が立っていない&蒸気がちゃんと出ているように)しながら、小豆が柔らかくなるまでじっくり蒸していきます。

蒸し方の基本はこちらにまとめているので、初めての方や慣れていない方などは、こちらも合わせて確認いただけると、理解を深めて頂けます◎


水がなくなったら、適宜追加しながら蒸し進めて…



諸々の状況によって差はありますが、大体60分ぐらいで私の場合はふっくら蒸し上がりました。


箸でつついたり、指で触ってみたりして、中がほくほくで、少しの力でつぶせるぐらいになったら、引き上げ時です◎


ハンドブレンダーやマッシャーで

蒸した小豆をペースト状にしていきます。


蒸すと余分な水分が抜けてほくほくになるので、ブレンダーが回りにくいことも。

ブレンダーが壊れないためにも、のちに混ぜやすくするためにも、少しずつ水を足しながら、ぽてぽて・かさかさし過ぎない、なめらかなペーストにしていきます。

ブレンダーでつぶしつつ
スプーンでなめらかにしました


麹と自然塩を

ここに加えて混ぜていくので、まずはそれの準備を。

いつも野菜を買っている自然栽培の農家さんから
自然栽培米の麹を購入。
いつも玄米も買っているのですが、味は格別です🌾


ボウルに麹と自然塩を入れて、麹の塊がなくなるようにしながら、手ですりすり合わせます。

合わせられたら、ペーストにした小豆に加えて、手で混ぜていきます。

自然栽培の農家さんのところでは、毎年味噌づくり体験があって参加したことがあるのですが、

手(肌)にいる常在菌で味噌の味が変わる(=同じレシピでも、作る人によって味が変わる)と教えてもらったのを思い出しました。


よく混ざって、耳たぶくらいの柔らかさになったらOK。もしパサついたり固かったりする場合は、水を追加すると◎です。


味噌ダネができたら

きれいにした容器に入れていきます。

今回は実験的にヨーグルトメーカーで作ってみよう
と思い立ったので、それ専用の容器を使いました。


空気を抜きながら
ボール状に丸くして、容器にぎちっとみっちり詰め、
表面を整えて蓋をしたら、ヨーグルトメーカーにセット。

60℃で8時間の設定にして、今回は仕上げてみました。

ヨーグルトメーカーを使わない場合は、味噌ダネを詰めた後に表面をラップで覆ってから蓋をして常温で発酵させると、夏は2週間、冬は4週間後~おいしく食べられる、というレシピがあるようです。(参考


できたお味は

よくある大豆由来の味噌とは、また違った良さのある仕上がりに。

保存しやすいように、空きビンに移し替えて
冷蔵庫に入れました


大豆の味噌に見慣れていると、見た感じは味噌には見えないのですが、

麹と小豆が馴染んで、塩とは違う奥深い塩気がでてきて、塩麹や味噌などの発酵調味料独特の風味がしっかりついています。



発酵の度合いによっても味が変わってくるようなので、また時間をおきながら、味の変化を楽しみたいところ。


使い道が色々広がって…

さっそく毎日の食事に彩が出てきています◎

小豆でできているとはいえ味噌なので、味噌汁はもちろんのこと

小豆味噌を溶いた味噌汁
ほんのり小豆色が可愛らしいです。
(私流の味噌汁は、素材を丸ごと蒸してカットしてから
お湯・味噌を加えて仕上げるスタイル)

蒸し野菜の和え物の塩味として、

蒸し切り干し大根と蒸しほうれん草のすりごま和え
の塩味としてプラス

はたまた焼き菓子のアクセントなどにも、とても相性がいいです。

小松菜味噌ココアパウンド
まるでチョコレートが入っているかのような
濃厚で上品な味わいに
(→レシピはこちらにて)


これからも、自分の好奇心と心地よさに素直になって

野菜や豆、穀物などのまだ見ぬ魅力や、楽しみ方を開拓していきたい、という気持ちが強まる中、

一から手作りする、ということにもより一層こだわっていきたいなと思うようになってきています。

手作りの植物性ヨーグルトをベースにしたクリームを
大根ブラウニーのトッピングに(詳細

これからどんな食材や料理に出会えるかは、自分でも未知ですが

気になったものをひとつひとつ形にして、私にしか生み出せないものをお届けしていき、

どこかでどなたかの支えになれたらー。

そう思いながら、料理研究を続けていきたいと思っています。


あいり


いいなと思ったら応援しよう!

あいり | 蒸し料理研究家
頂いたサポートは、これからの活動費に大切に使わせて頂きます😌(私がコンテンツ作りの為に購入する食材は、全て自然栽培やオーガニックのもののみのため、そういった生産者の応援に繋がります☺️✨)

この記事が参加している募集