お米、どこで買ってますか?スーパーの次に多い意外な入手経路とは!?
みなさんこんにちは。
写真は「茶飯釡(ちゃはんがま)」
お茶事の一種で、釜でご飯を炊いて、その後にお湯を沸かしてお茶を点てます。
このお釡は、茶飯釡専用の形で、炊いたご飯をつぎやすいように開口部が広くなっている。
「皆口」みなくち(口まわりが胴まわりと同じ寸法)という。
お茶用にお湯を沸かす時は、付け替え用の蓋があり、両方に応用できる優れもの。
お稽古に通う鈴木先生のところで4/13に開かれたお茶事です。
炉に竹筒でふーっと、みんなで順番に息を吹きかけ、まず炭に火を起こす。
ご飯を炊くまでの過程を茶事に昇華させて、上手に炊けたらそれを喜び、おいしいねと噛みしめる。
なんてすばらしい茶事なのでしょう。という話はこのあたりにして、そろそろ本題へ。
noteに前にも書いたけれど、お米の品切れ・品薄の問題。
スーパーでお米がない様子がニュースなどで映し出されるけれど、どうやらそれは一部であるということ。
足りているところもあり、不足しているところもある。
でも、テレビやネットの大きなメディアでは、ないない報道ばかりで日本中どこを探しても足りないような錯覚に陥る。
これが買い占め、買い込み行動という消費者のパニック行動に拍車をかけている。
このことが1カ月以上、どうにも気持ち悪くてしょうがなかった。
それで今日は書き出してみることにしました。
まず一つ、質問を読者のみなさんに投げかけてみたい。
Q、家で食べるお米、どこで買っていますか?
ちなみにうちは、農業・農村の取材をなりわいにしている手前、あちこちからもらう。
積極的に食べても余るぐらいある。なので10年以上、お米を買ったことがない。
今ある頂き物は、「金芽米」、宮城・大崎市の「ささ結」、
それと去年高知(黒潮町)の実家から送られたお米。
ちなみに祖父母の代までは米を作っていたが父は作っていないので親戚から分けてもらっている。
質問を正確に書き換えると、
Q、家で食べるお米、どこで買って(手に入れて)いますか?
よかったらぜひ、入手経路を教えてください。お答えコメントお待ちします。
前置きが長くなりました。
公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構(略して米穀機構、米ネット)では、毎月、米の消費動向を調査している。
1か月に1人4521g(4.521kg)のお米を食べてることがわかる。
こちらには過去6年間の平均の1か月の米の消費量。
だいたい、人は1カ月に家での消費と外食を合わせて4.6キロぐらいお米を食べていることになる。
この5~6年、一人当たりの消費量は変わっていない。
本題はここから。
お米の入手経路を1000人ぐらいに聞いた調査。(複数回答あり)
とりあえず、直近の7月の数字を見ていくと、
① スーパーマーケットが52%で一番
② 家族・知人などから無償で入手したお米 12.8% ←縁故米
③ インターネットショップ 9%
④ ドラッグストア 8.8%
⑤ 生協が5.7%
⑥ 生産者から直接が5.2%
ちなみに米穀店は2.9%
まず、52%という過半数の人がスーパーで買っている。そして
注目したいのは、13%近くが「縁故米」だということ。
いわゆる親戚や家族のコネ関係により、無償で手に入るお米のことで、
昔からふるさとの便りとして田舎の実家や親戚から送られてきたり、帰省の時にもらうなどのやりとりはありました。
さらに5年ほど前は15%を超えていた。
別の表になるが、2012年の縁故米は20%を超え、新米の時期の3か月間は29%など3割近い量が出回ったていたことが記録されています。
お米の生産額や消費額という形ではデータに表れないため、農業の統計としては見過ごされてきた感があります。
でも親が子供に、あるいは親戚同士や親しい人に贈り物をするのは、人間同士のコミュニケーションですよね。
わざわざ発送しないまでも、実家へ帰省したついでにお米や野菜をもらって帰る、という話も聞きます。(都会生まれの人にはうらやましいことですよね。)
そのほか、⑥の 生産者から直接 5.2%をはじめ、
③のインターネットショップ 9%
⑤の 生協 5.7%
などを合わせると、何かしらの形で、
生産者や産地とつながって買っている人は、合わせると35%ぐらいいるということですね。
ネットショップにはいわゆる産直サイト、産直アプリという農家と直接つながるタイプと大手のネットショップもあるので、詳細はわかりませんが。
こちらは価格です。
7月はスーパーでの価格が1キロ当たり479円ですが、これは5年前の400円と比べると、2割も高騰しています。
特に春ぐらいから、スーパーもドラッグストアも上昇が顕著になっていたのです。
比べると、一番お買い得なのは「生産者からの直接購入」。7月でさえ、415円です。
産直や、生協など、生産者とのつながりのあるところは、良心的な価格で抑えられています。
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賢い消費者になるために
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台風と南海トラフの防災への備えの呼びかけで、買い込みが増え、スーパーの店頭にお米が足りなくなってきた8月から、ニュースでは騒ぎ始めましたが、
政府のせい、ひとつの原因、というふうに表面的、短期的な事象や原因だけでは、問題の本質に近づけません。
また同じことの繰り返しになります。
わたしたち一人一人にできることは、賢い消費者になることですよね。
なんだか品薄らしいから、家にはまだあるけれど心配だから念のために買って貯えておきたい。
特に子どもさんがいたり、家族を守る親の立場なら、そういう消費者心理から買い込み行動に走るのは、当然かもしれません。
要は不安な気持ちが買い込み行動の正体だと思います。
コロナ禍の始めに、トイレットペーパーの買い占めも同じでした。
大切なことは、フェアに届くことですよね。
うばい合えば足らぬ
わけ合えばあまる
うばい合えばあらそい
わけ合えばやすらぎ
うばい合えばにくしみ
わけ合えばよろこび
うばい合えば不満
わけ合えば感謝
相田みつをさんの言葉。
話が長くなりましたが、
スーパーだけに依存していると、今回のようなことは今後も起こり得ます。そうじゃないもう一つのルートを確保しておくこと。
例えば「縁故米」は、農民と市民が直接つながるルートの一つです。
縁故米という無償の取り引きだけでなく、対価を払う産消「提携」や、生産者との直接取引も含めてです。
特に、水と食料は命の糧です。
すべてを商品化することは、命を預けることになるからです。
こういうのをローカルフードシステムっていうんですよね。
あるいは、食料主権、食の民主化。
食料を大手企業や流通ではなく、市民の民の手に取り戻そうという運動は、欧米では起きています。
大規模な市場流通、商品経済は、平常時には便利ですが、足りなくなった時、値段は上がります。
賢い消費者とは、言い換えると、生産サイドへ一歩歩み寄り、生産者とつながることだと思うのです。
今日はここまで~~~
つづく
ベジアナあゆみ
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以下、参考文献
米穀安定供給確保支援機構:米ネット米穀機構 米ネットは、公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構のウェブサイトです。政統計情報・調査・レポートや全国のお米に関する情報などを掲載しています。
2012年、平成24年度
https://www.komenet.jp/documents/2012/shouhi-doukou_120420.pdf
お米の1人当たりの消費量は、1962年度をピークに減少傾向です。
ピーク時は年間118.3キロのお米を消費していましたが、2022年度は年間50.9キロまで減少
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