雑草との共生で無農薬無肥料でも野菜は育つという現実と人間の存在意義について考えてみた!
いわゆる農家のおじいちゃんやおばあちゃんに無農薬無肥料で野菜を栽培してるんですというとだいたい決まった答えが返ってくる。
「そんなんええ野菜はできんやろ!農薬や肥料をくれてやらんと綺麗でおいしい野菜はできんでー!」※方言まじりの言い回しです。
最近は、その答えに反論するのも面倒になってきて、
「そうですねー。まあ趣味みたいなもんなんでー」と受け流してしまう(笑)
でも実際に無農薬無肥料で野菜を栽培してみると
ちゃんといい野菜ができるのが現実です。
しかも年数を重ねるごとにおいしい野菜ができるのだから
やったほうがいいよと言いたい。
ただそのためには、雑草の役目がとても重要というお話です。
普通の農家さん(※この記事では農薬や化学肥料などを散布している農家さんを指しています)の畑は、見てみるとわかりますが雑草はほとんど生えておらず、マルチとよばれる黒や白色のビニールシートで覆われているか、土がむき出しの状態です。
農家さんがまめに除草作業しているのが普通です。
そして、現代人がこの畑をみると
「とてもよく管理されているいい畑ですね!」と言われる。
一方、雑草との共生栽培をしている畑では雑草が生えて土がまったく見えない状態の畑になります。
そんな雑草だらけの畑をみると
「おいおい、草ぐらいちゃんと始末しろよ!こんなんじゃ、野菜そだてへんで!」
と言われる(笑)
まあ畑の景観がまったく違う畑になるわけです。
個人的には、緑豊かな畑のほうが気持ちいいと感じますね。
風が吹けば土埃が舞う畑はちょっとと思います。
野菜ももともとは雑草の一つだった!
今ある野菜ももともとは雑草の一つだったわけで、
人が長い年月をかけて都合のよいものを選抜して、
大事に少しずつ品種改良してきたものが野菜です。
その結果、野菜は人間のお世話なしには
野生の雑草との生存競争には負けてしまうという弱さも
持ってしまうことになりました。
ですので雑草との共生栽培をうまくすすめるポイントは、
旺盛な雑草の管理をしっかりしていくことです。
雑草を目の敵にするのではなく、ともに野菜を育ててくれる
パートナーという意識が重要になります。
雑草は、栄養の宝庫
野生の生命力あふれる雑草には、農薬や肥料も必要としません。
なにもしなくても勝手に青々茂っていきますよね。
その雑草の身体には、野菜の生育に必要な栄養素が満載です。
それをうまく活かしていくのが雑草との共生栽培です。
具体的には、野菜にまわりに生い茂る雑草を刈取り、
刈り取った草は、野菜の周りにしっかりと置いていくことです。
専門用語的には、草マルチといっています。
この草でマルチングしていくことで、
虫や微生物の活動によって草が分解されて
野菜の生育に必要な栄養素が土に返っていきます。
しかも土が草で覆われることで保湿効果や保温効果もあり虫や微生物が活動しやすい環境にもなっています。
まさに一石二鳥、三鳥のメリットがあるわけです。
自然の循環とは
でもこの草マルチですが、自然では普通に行われているものです。
山や野原などでは、春になると草が芽吹いて、夏に生い茂って、冬には枯れて草の亡骸が地表に積もっていきますよね。
その草の亡骸を虫が微生物が分解していきます。
その毎年の自然の営みがその土地の土をどんどん豊かにして、次の生命の源を作っていっています。
自然の循環ができあがっています。
その循環の仕組みを畑に再現したものが草マルチであり雑草との共生栽培のポイントです。
自然の営みをマネすれば、農薬や化学肥料なんて本来必要ないということです。
現代人の存在意義って?
ただ、現代人はその自然の営みの循環からかなり逸脱してしまっている存在になってしまったので、
そんな現代人がいきなり雑草との共生栽培をめざしてもうまくいかないのではないかと思っています。
自分の経験からもこの雑草との共生栽培には、時間がかかるという効率重視の現代人にはデメリットでしかない問題があります。
さらに、向く人と向かない人がいるということです。
もし、この記事を読んで雑草との共生栽培で野菜を栽培してみたいと思った方がおられれば、この問題をよく認識したうえで取り組まれたほうがいいよと言っておきたい。
現代人の感覚のまま取り組もうとするとすぐに諦めてしまうことになるでしょう。
でももし雑草との共生栽培に取り組んでみると人本来の存在意義を自分なりに感じられる幸せな畑ライフが待っているといっても過言ではありません。
次回は、引き続き雑草との共生栽培と関連する不耕起栽培について書いてみたいと思います。