リモートでの距離感
金曜日の夜はいつも渋滞している国道も今夜はするする通れた。車だけでなく、お店の明かりも消えていて寂しく思いながら真っ直ぐ帰宅する。
人と会わない日々が続いているとはいえ、定期的に誰かと通話したりリモート会の約束が入っているので意外と忙しい。帰ってからバタバタとご飯やお風呂を済ませて後は寝るだけという状態にしてからでないと、繋げる気にならないのだ。
すっぴんを晒すのも勇気がいるが、それよりも深夜に眠たい目を擦りながらお風呂に入る方が面倒くさい。ここ2年くらいでようやくそれを学習したので今はスタートを少し遅めの時間にしてもらっている。
飲み屋と違って終わりの時間が決まっていないので、どうしてもダラダラ話し続けしまうし、なんなら画面の向こうで寝落ちてる人もいる。その緩さは魅力だが、終わりがはっきりしない分自分の意思はきっちり伝えないとモヤモヤする羽目になる。それもここ2年で学んだ。
コロナ禍になってすぐの頃は、色んな人ととりあえず一回やっておくかのノリでリモート飲み会を開いていたが、そのブームもすぐにおさまった。今は元々よく連絡を取り合う友人らと定期的に話す程度に落ち着いている。
不思議なもので、距離も時間も関係なく誰とでも繋がれるからといって、誰とでも繋がりたいというものでもなかった。仲の良し悪しの話ともちょっと違って、リモートという独特の空間で話したい相手というのは思っているよりも限られるんだなという感覚。私の場合1対1でじっくり話したいと思えるくらい気心しれた相手じゃないと、あんまり乗り気にならない。対面だとまた感覚が違うけどこの違いをうまく言語化できそうにない。なんというか、場を共有しているかどうかって大きいんだろうなと思う。
視線の先に同じものがあるかとか、聞こえてくる音、雰囲気等々。そういう場にあるものを共有できると会話の幅が広がるが、リモートだとそこが厳しい。何か音が聞こえてもそれが何の音なのかわからなかったり、相手側からは見えていないところで起こった何かについて説明するのが難しかったり。その辺りの難しさが、なんとなく気まずくなるというかなんとも言えないギクシャクした感じが出てしまう気がする。だからそれを超えられるくらいの相手とだけ繋がるのが楽だなと感じている。
これからも家にいる日々が続きそうなので、こうやって少しずつリモートでのちょうどいい距離感を見つけていきたい。