いじわるばあさん/長谷川町子
朝日新聞出版の「いじわるばあさん」1巻と2巻を読んだ。
この本を久しぶりに読んで思ったのは、「日本国民総若返り化が半端ない。」ということである。
ちなみに、長谷川町子原作の「サザエさん」、登場人物の年齢は
まあ、確かにね・・・
漫画「サザエさん」の連載が始まったのが私が生まれる10年前らしいので、その頃は、「24歳で3歳の子のママ」なんていうのはフツーだったんだろうな。
いじわるばあさんの年齢は公式的には表示されていないようだが、ネット検索の限りでは75歳らしい。
現在75歳の女性有名人というと・・・
泉ピン子、柏木由紀子、池田理代子、和泉雅子・・・
うーむ、この年になると見た目は千差万別で・・・でも、いじわるばあさんのような見た目のご老人は、今の日本には居なくなってしまったな。私が子どもの頃は、襟のところに手ぬぐいかけてるおばあちゃん、確かにいましたけどね😅
いじわるばあさんのいじわるは・・・現代ならば、セクハラや「これ、犯罪なんじゃないの?」と思われるような、かなりやばい内容のものが多い。
こんな意地悪を見てちょっとすっきりしてしまうのは、何か鬱屈したものを抱えて生きている人間の性なのかもしれない。
こんなこと、実際にやったらとんでもないけれど、漫画の中でいじわるばあさんにやってもらって、気を晴らしているような?
でも、私の母方の祖母は憎まれ口の強い人で、みんなに敬遠されていた。
私が大学に合格したことを報告したときは、
「金もねえのに、女が大学なんざ行って何になる。入るときは大騒ぎしても、裏門からこっそり出て行くなんてことがないようにしろ!」
なんて言われた。そのときは、自分の孫になんてえげつない憎まれ口をと憤慨したが、その頃の我が家の経済状態などを考えると、案外的を射ていたような気もする。
銭湯に行くと、3・4人の婆さん連中が大きな声で嫁の悪口などを言い合っていた姿は、もう昭和の遺産なのだろう。
「いじわるばあさん」は、そんな昭和の遺産的な存在となったおばあさんが主人公の漫画である。現在、復刻版が6巻まで出ているが、今の若者は、どんな視点でこの漫画を読むのか、聞いてみたい気もする。