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『オッペンハイマー』と似てる作品



『オッペンハイマー』を見ていて
いろいろ思い出した作品があったので
備忘録としてまとめておきます。

ノーランは勉強家なので、
もしかしたら以下の作品を
参照しているのかもしれませんね。


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メッセージ(2016)


・主人公がラストで過酷な未来を予見する


ラストで主人公たちが、明るいとは言い難い未来が待っていても、
それでも生きることを決意する

そうした姿勢は、多かれ少なかれ私たちにも
当てはまるような気がします。

・主人公が世界を変えるような発見をする

『メッセージ』のネタバレになるので明言はしませんが、
二人とも世界を変えるような発見をしますね。

・時系列の錯綜

未来と過去が行ったり来たりする。
どちらかというと、ヴィルヌーヴの方が
ノーランを意識していたのかも・・・

そういえば「DUNE」でも、
主人公が断片的に未来予知をして、
未来と現在が行ったり来てたりしてました


・おっかない軍人が出てくる

両作品とも、軍人と科学者の仲が
あんま良くないですね。
本作のケイシー・アフレックは見事な不気味さだった・・・


ツリー・オブ・ライフ(2011)

・時系列の錯綜

現在と過去がいったりきたり。
本作に至っては地球誕生にまで遡っちゃう。

・地球誕生と核分裂反応の場面で
幻想的な映像が流れる

おそらくCGを使わず、薬品の化学反応などによって
幻想的な映像を作りあげている。

・夫婦関係のトラブル


夫が外で仕事に没頭し、妻が家事を押し付けられて鬱憤をためる。
50年代のアメリカを描いた作品によくみられる描写です。


・やたら弟のことを気にかける主人公

オレの弟スゴいんだぜ!
何かとすぐ弟を持ちだす部分も、両作品に共通しています。
そういえば、ノーランも弟大好きマンですね。


ソーシャルネットワーク(2010)


・主人公が聴聞を受けながら時系列が錯綜する

ここはもうほとんどパクリと言っていい(笑)
聴聞を受けながら、過去と現在が行ったり来たりする。
ノーランは絶対本作を意識しているはず。

・仲間との離別、裏切り

昔は仲良かったんだけど、
いざこざがあって絶好している。
そういう人間関係が両作品とも描かれています。

・世界に取り返しのつかない影響を及ぼす主人公

フェイスブックを作ったザッカーバーグ、
原爆を作ったオッペンハイマー。

二人とも良かれと思って作ったものが、
世界にとてつもない影響を及ぼしてしまった。

こうやって並べてみると、
SNSは原爆レベルの発明だったのかもしれませんね


・何を考えているのかいまいち分からない主人公

二人とも天才な感じがあるけど、
だからと言えばいいのか、一般人には何を考えているのか
いまいち分かりにくいところがあります。
実際の写真を見比べてみても、二人とも目がなんか怖い・・・(笑)

*ちなみに、本作の元ネタが『市民ケーン』らしいので、
オッペンハイマーも『市民ケーン』との間に
何かしら繋がりを見いだせそう
です。
オッピーもケーンも、悪い名声を獲得してしまった感があります。


蜘蛛巣城(1957)


・主人公に予言を与える人物が出てくる


『蜘蛛巣城』だと老婆が、
『オッペンハイマー』だとボーア、アインシュタインが、
主人公に予言を与えています。

そして、どちらもそれなりに予言があたってしまっている・・・
いわゆる「予言の自己成就」とも言えそうですし、
あるいは「運命」と「自由意志」のテーマにも繋がりそうです。

・夫を鼓舞する怖い妻

両作品とも妻がおっかないですね(笑)
夫を鼓舞し、ときには叱りつける妻たち。

ちなみに、本作の原作は『マクベス』なので、
同作とも繋がりを見出せそうです。
ノーラン作品の妻は怖い人ばかりですが、
もしかしたら『マクベス』の影響なのかも...

ファーストマン(2019)

・IMAX顔面ドアップ

もしかしたらIMAX顔面ドアップは、本作が初なのかも。
『ファーストマン』では狭い宇宙船と
顔面ドアップ映像が映し出されることで、
人類発の宇宙飛行の恐ろしさと危険性を表現していました。

・歴史上の偉人の「意外な素顔」を描く

オッペンハイマーもアームストロングも、
偉人とは言われながらも、
けっこう曰く付きの人だった・・・
そんな感じの描かれ方が類似しています。
アームストロングにいたっては、
宇宙出発の日に、妻に黙って家を出ようとしていました(笑)

・夫婦関係の危機を乗り超える

両作品とも夫婦関係に亀裂が入りますが、
ともに危機やピンチを乗りこえることで、
最終的に二人の絆をより強固なものにします。

・何を考えているのかイマイチ分からない主人公

ライアンゴスリングの演じるアームストロングは
ほとんど無表情で、心が読み取りずらい人物でした。


アラビアのロレンス(1962)

・世界に取り返しのつかない影響を及ぼす主人公

二人とも良かれと思ってやったことが、
歴史に汚名を刻む羽目になってしまう・・・

・主人公が罪悪感に苛まれる

ロレンスは罪悪感を感じたからこそ、
後半生は隠遁生活を送っていたのでしょう

・伝記ミステリー

主人公がどんな人生を送ってきたのか、
それがミステリー形式のように明かされていく。

・広大な自然を映した映像美

『ロレンス』における広大な砂漠の場面と、
『オッピー』における広大な高原の場面は、
かなり似ているような気がします。


・何を考えているのかイマイチ分からない主人公

これまた他の作品同様、ロレンスも不思議ちゃんみたいな
ところがあって、正直なにを考えているか分からりづらい人です。


鏡(1975)


・カラーとモノクロフィルムの併用

たしかタルコフスキーは予算の都合上
高いカラーフィルムが使えず、
やむをえずモノクロとの併用をしたのだとか。

でも、そうやってフィルムを使い分けることで、
時系列の整理が付きやすくなりました。

ノーランは『メメント』の頃から
フィルムの併用をしていましたが、
それも予算の都合だったのでしょうか。

・時系列の錯綜

本作も時系列がシャッフルされていて、
そこが本作の難解さのゆえんでもあります。

・草原を背景にした妻の後姿の場面

全く同じ構図、同じ服装でした。
ノーランによる映画ファンへの目配せでしょう。
ちなみに本作は、ツリー・オブ・ライフにも影響を与えたらしいので、
タルコフスキーは偉大ですね

ビューティフルマインド(2001)


・赤狩りや冷戦における政府からの監視

FBIに監視されちれてるような描写は、
本作ともかなり類似していました。

・主人公が精神的危機に陥る

天才は精神的に病みやすいんですかね・・・
天才じゃなくてよかった・・・

風立ちぬ(2013)


・自分が作ったもので人々が犠牲になる

良かれと思って物を作っていたら、
それが色んな人の人生に悪影響を及ぼしてしまう。
こうした内容は、モノづくりに携わるあらゆる人に
突きつけられるものでしょう。

・主人公に予言めいたことを伝える人物


『風立ちぬ』だとカストルプがその人でした。

こうしてみると、先人や先輩の助言は
しっかり肝に銘じておく必要があるのかもしれませんね
・・・

でもそういう助言って、言われたときには
その重要性になかなか気づけなくて、
失敗をして初めて、助言の大切さに気付くんです・・・
こうやって人は同じような過ちを繰り返すんですね

・何を考えているのかイマイチわからない主人公

主人公の抑揚のない声もまた、
彼の謎めいた部分を強調しています

感情が分かりづらいセリフというのは、
その人物に謎感を出させるとともに、
観客が想像する余地を与えてくれます。
黒沢清の作品とかがまさにそうですね。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q(2012)

・世界に取り返しのつかない影響を及ぼす主人公

良かれと思ってやったことが、人に超迷惑を与える。

○○のために、これをやらなくちゃ!!
みたいな考えにとりつかれたら、
真っ先にシンジとオッピーを思い出したいものです

・主人公が人々から罰せられる

オッピーは聴聞のことを「裁判」と言い間違えますが、
二人とも人々からこっぴどく罰せられます。

そう考えると、オッピーと同じように、
シンジはプロメテウスのような存在だったといえそうです。
つまり、神的な領域に足を突っ込んでしまったが故に、
際限のない苦しみに苛まれることになる。

・主人公が体育座りをしてウジウジする

オッピーもシンジも、ウジウジモードを発動させます。
ウジウジモードになると、二人とも体育座りをします。
ウジウジモードになりたかったら、体育座りをしてみてください。


・主人公に説教する怖い女性


アンタ バカぁ?! 不倫相手が死んだからって、自己憐憫に浸ってるんじゃないわよ!
キティ―はほとんどアスカでしたね。
主人公がウジウジし始めたら、アスカ=キティ的存在も
一緒に出てくるのかもしれません。


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これらの作品がオッペンハイマーに似てるな
と思いました。

他にも似ている作品があったら、
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