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「NOPE」を見て
映画「NOPE」を見た。
良くも悪くもくだらなさの中にメッセージがあるような作品。
この映画の主題は命をかけてなにを成し遂げるか、ということではないだろうか。
主人公たちは危険を顧みず、未確認飛行物体(作品の中での呼び名はGジャン)を撮影しようと試みる。撮影した映像をテレビ局に売り込み儲けようとしているのである。
一見するとお金のために頑張るだけの話に見えるが、見ているとだんだんそうではないような気持ちになってくる。
お金のために頑張っていたはずがGジャンとの勝負であるように思えてくるのだ。(実際最後には勝負の結果もわかる)
要するに私がこの映画で感じたのはお金よりも大切ななにかがあるというメッセージだ。それが命をかけてなにかを成し遂げようとすることである。
そのような意味で印象的なのは途中から加わる登場人物である映画監督だ。この人物は不可能を撮ると言ってGジャンに吸い込まれていってしまう。命をかけた行動である。
この監督にとって撮影することがお金よりも命よりも大切であったということだ。
ちなみに主人公たちは兄妹の大切さを改めて感じでいるように思う。
もう少し引いた目線から述べるとするならば、現代社会の原理である資本主義には収まることのできない感情や行動を映し出そうとしているのではないだろうか。
現代では資本主義が絶対的な地位を確立している。しかし、経済的利益を追い求めているだけでは手に入れられないことはたくさんあるだろう。
ただ、この映画のように資本主義的な行動から自ら新たな価値を発見できることもあるかもしれない。
そんなような視点を持ちながら日々過ごしていきたい。
少々私の拡大解釈というか勝手な考えを書いてきたが、このようなことを考えさせてくれる映画である。
もしお時間ある方はぜひ見ていただきたい。