「命の門番」ゲートキーパー講習に行ってきました。
先日、地元の保健福祉センターで行われた、
ゲートキーパー初期研修
〜若者向け支援 基礎講座〜
を受講してきました。
みなさんはゲートキーパーについてお聞きになった事がありますか?
東京都福祉保健局によるとそれは、
「門番」という意味で、
自殺対策におけるゲートキーパーとは、「自殺のリスクにつながるような悩みに気づき、声をかけ、話を聴き、必要案支援につなげ、見守る人」のことです。
《特別な資格は必要ありません。》
身近な人のこころといのちを支えるために、あなたもゲートキーパーについて学んでみませんか?
とありました。
私も最近、市の広報で初めて知り、
さっそくどのようなものか受けてみる事にしました。
コロナ禍や戦争、経済格差など様々な問題が暗い影を落とす中、心に不調を来たす人も多くなっています。
特にコロナウィルスは人と人との繋がりを断ち切り、独りで悩みを抱え込んでしまう人が増える大きな要因となりました。
悲しいですが、ネットでもそうした自死に関するニュースを見る事が増えたように思います。
最近は人の悩みに付け込む恐ろしい事件も起こっています。
いつの頃からか日本も「自己責任」という言葉だけで物事を片付けてしまうような風潮になってしまいましたが、本来人は皆不完全で大なり小なり弱さをもっていて、支え合いながら生きています。
しかし、人の痛みを理解することは容易ではありません。
私も最近相手を理解できず、結果としてその人を裁くという失敗をしてしまい、深く反省しているところです。
過去に聖書を学び、自分にも同じような弱さがあると自覚しているにも関わらず、他者をありのまま受け入れ、耳を傾けるのはとても難しい事だと今更に実感しました。
今必要なのは互いに対する、
ちょっとした気遣いや思い遣りです。
「人にしてもらいたいと思うことは何でも、
あなたがたも人にしなさい。」
(マタイ七章12節)
人は他の誰かからの、小さな励ましでも明るく前向きになれるものです。
みなさんもそのようなご経験がおありかと思います。
やはり対処療法よりも予防のほうが大切ではないでしょうか…
内閣府が発行している
「誰でもゲートキーパー手帳」には、
一般の人でも誰かの助けとなれる手引きとして、
「気づき」
家族や仲間の変化に気づいて、声をかける
「傾聴」
本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
「つなぎ」
早めに専門家に相談するよう促す
「見守り」
温かく寄り添いながら、じっくりと見守る
といった、具体的な方法や心構えが載せられています。
座学に参加して
ここには書ききれませんが、実際のところ講師の方が述べる内容は、我々素人にはいささか敷居が高い、高度なものに思われました。
それは上に貼ったリンクの内閣府のホームページをご覧いただけると解りますが、社会は昔より遥かに複雑で悩みも人それぞれ異なっているので、特効薬的な解決策を提示することは難しいですし、何より人の命に関わることですから、
ひときわ勇気も必要です。
また、悩んでいる人の個人情報の取り扱いについて細心の注意を払うことも課題の一つでしょう。
しかし、セーフティーネットの数は圧倒的に足りておらず、一般の方々に頼らざるをえない現状も見えてきます。
私達が思う以上に今の日本には疲弊した人がたくさん居るという事です。
講師の方のお話によると、日本では自死は罪にならないということも理由にあげられるかもしれません。
諸外国、おそらくキリスト教圏でのそれは自分に対する攻撃とみなされ、罪になるそうです。
既にその入口に立つまでに弱り切っている人を助けるのは容易ではありません。
ですから、予防としてそうならないよう隣人全てに対し普段から助け合い励まし合い、互いの価値を認め合うことが大切だと感じました。
来月中旬、今度は応用編の講座が開かれます。
そちらもレポートしますので、
ご興味がある方はまた目を通して頂けると嬉しく思います。
一人ひとりに出来る事は少ないですが、こうした知識のシェアによって、どこかで誰かが救われることを心から願っています。
全ての命には価値があるという認識、それが当然な、愛ある世の中になりますように。
最後までお読み頂きありがとうございました。
露草一新