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#3 授業を通して生徒指導するとは

うたういぬと申します。
小学校教師→中学校教師
それぞれの経験から考えたことを記事にしています。

これまでの勤務で失敗したと感じることが多く、この経験が少しでも多くの人の役に立てばと思い、「失敗は成功のモト」というシリーズをマガジンにすることにしました。
若手教師の方、中堅教師の方、ベテラン教師の方、それぞれに響く内容だと良いなと思って記事を作成しています。

ちなみに、これまでの記事です↓


大いに失敗談を語るシリーズです。


失敗談:高学年担任となり、張り切っていた私

3年目、小5の担任をしていた頃の話です。
1年目は2年生担任
2年目は1年生担任
そして、初めての高学年、5年生担任。
若手男性ということで、若さとエネルギーを期待されて配置され、クラスでは元気のある男子を中心にまとめてほしいと思われて…と勝手に妄想してスタートした1年でした。初めての高学年、これまでの低学年の経験とは違い、子どもが自分たちで動けるし、話も少し大人に近づいている感覚で、充実感を膨らめていました。

そして、1学期(6月)に全体研修で授業公開をすることになりました。
得意分野だと感じている算数。しかも、前の年にがっつり指導された教科でもあるので、理論もばっちりだと思って指導案を書いていました。

扱った単元は「図形の角の性質」、本時は五角形の内角の和を求める授業でした。三角形の内角の和が180°であることを生かし、四角形の内角の和を求めました。五角形の内角の和を求める際は、「三角形3つに分ける」「四角形と三角形1つに分ける」「五角形の中心に1点をつくり、内部に三角形を5個つくり…」など、多くの解き方が存在する課題を提示しました。子どもたちは様々な解き方があることに気付き、良いリアクション。多様な解き方を認めつつ、五角形の内角の和が540°と結論付けて満足気な表情で授業を終えました。ワークシート、ヒントカード、シール等、様々な教具を用意しました。時間も労力も掛けて臨んだ全体研修。成功かと思っていましたが…


事後研修でベテランの先生から指摘が入りました。
「授業は良かった。子どもたちはよくがんばっていて、多様な考えが生まれていた。素晴らしいと思う。」
「だけど、私は1つ気になることがあった。それは、一部の子が友達の名前を呼び捨てで呼んでいたこと。そして、そのことについて指摘がなかったこと。」
「学校としても、さん付けを進めている。授業でもきちんとルールを守るような学級づくりをしたほうが良い。」

成功したと思っていた授業、思ってもない方向から槍が刺さった感覚でした。

その後のうたういぬ学級はどうなったか?

・夏休み中の生徒指導関係で2学期の序盤から子どもに厳しい指導
・一部の子が授業中の指導に反発、反抗
・授業ボイコット(休み時間後に教室に戻らない)
・いじめ、不登校
・保護者からのクレーム(担任を中心とした指導に不満)
・管理職を中心に、常に複数教員体制

苦しくてたまらない日々でした。
こんな学級にしてしまって、子どもたちにも申し訳ない気持ちが膨らんでいきました。
私自身が休むことなく最後の日まで子どもたちの前に立ち続けることができたのは、偶然が重なった奇跡だと思います。当時、支えてくださった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。


教訓:授業を通して学級づくりをする

さて、今回の失敗から何を学ぶことができるか。
それは、事後研修でベテランの先生が指摘した点にポイントがあると思います。
担任として見栄えの良い授業ばかりに意識が向き、ルールを守って学習する、安心して過ごすことができる学級づくりに意識が向いていませんでした。
子どもたちはそのことを見抜いていました。
だからこそ、理不尽だと感じた指導には反発という形で表現してきたのです。

授業は学級づくりができるチャンスです。
失敗を生かして意識した授業における学級づくりを挙げてみます。
細かな点はまだあると思いますが…

・時間を守る(開始・終了 教師も守る)
・学習に必要な道具だけ机上に
・適切な服装(特に体育や図工、火を使う時の理科など)
・~さん
・挙手して、指名されてから発表(つぶやきはOK)
・班活動の姿
(机くっつけてという指示で机を離していると指導)

上で挙げたことは、やらないと学級崩壊するということではありません。あくまでも学級の状況は地域や学校、その年の学級編成によっても異なります。特に意識したいのは、学級が不安定な状況の時こそ、意識した方が良いポイントであるということです。
1日の学校生活において、そのほとんどは授業の時間です。
つまり、学級づくりをするチャンスはたくさんあるということです。
学級崩壊に怯えるのではなく、良くなるチャンスがたくさんあると前向きに捉えることができると良いと思います。




❶見栄えの良い授業を目指すと子どもは見抜く
→学びの本質に向き合う授業、学び手の視点で授業をつくる、教師の役割を意識したい(ファシリテーター)

❷人権意識を持つことが重要
→まずは教師の人権意識 細かな指導も大切だが、教師の人権オーラが子どもにも伝わる。「このくらい大丈夫だろう」、些細なきっかけでクラスは崩れる。崩れたら立て直すは難しい。

❸担任以外の教師がクラスを見る目が大事
→醸造されたクラスの雰囲気、担任以外の目で見て変だと感じたら指摘する。開かれた学級であるべき。



中学校では教科担任制を通して担任以外の教師が常にクラスに入る状態です。だからこそ、多くの目で見て指導をすることができますが、一人がじっくり指導することは難しいという点もあります。つまり、教師同士の認識のずれがないように指導していくことが大事です。(ラグビーのスクラムのイメージ)
小学校では担任がクラスにいる時間が長いです。だからこそ、担任以外の教師がクラスに与える影響も考えるべきです。担任の指導を尊重しつつ、フォローできるような役割を他の教師が担うことができると良いと思います。

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