イスラエルによる「過剰防衛」としか思えない猛烈な攻撃にさらされているガザにいる庶民の声を世界に届ける映画『ガザからの報告』を観ました。
約3時間半という長く重い映画ですが、長期密着取材に裏打ちされた迫力にたじろぎつつ前のめりになるような作品でした。
公式サイト
作品の概要はこちら。
本作は二部構成になっています。
土井敏邦監督のメッセージ
上映後のトークショー(私が観た回の登壇者は、土井監督と松原耕二氏)も含め、とても衝撃的な、学びの多い映画でした。
いくつか挙げておきます。
・「オスロ合意」に対して漠然と抱いていた「長年にわたる対立の解決策、落としどころとして、妥当なもの」というイメージが大きく揺らいだ。
・ハマスが何故パレスチナの人々の支持を得たか、何故それが失われたか、その経過が腑に落ちた(「権力を握ると必ず腐敗する」のですね)。
・イスラエルによる苛烈な攻撃は、パレスチナの民衆の家を、健康な体を、命を奪うだけでなく、精神面の健康、病気の治療を受ける機会、教育の場、農業や商いその他の生業を成り立たせる環境…などなど、生きる基盤の全てを破壊している。
・アメリカやドイツなどがイスラエルの暴挙に対して弱腰なのは、アメリカの建国の経緯やナチスドイツの所業に対する反省もあるが、キリスト教社会において、「キリスト再臨の前提条件は、ユダヤ民族が『約束の地』に帰還すること」という認識があることが大きい。
・ウクライナとロシアの紛争、パレスチナ他とイスラエルの紛争、いずれも百年単位、あるいは数百年単位の、長く複雑な歴史的な因縁の積み重ねの上に起こっている。
この映画を観て、さて、私に何かできるのか?
正直、具体的なことは思いつきませんが、とにかくまずは知ること、そして発信すること、だと思って、このような投稿をしています。
「知ること、
目を塞がないこと、
とりわけ『苦しい』という声に耳を塞がないこと」
第一歩はそこから、と信じて。