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本紹介『春の窓 安房直子ファンタジー』

書名:春の窓 
著者:安房 直子
出版社:講談社


整った。
そう、まさしくそんな感覚である。
おとなのための童話と言ってもいいかもしれない。

傷ついて、
疲弊して、
ほろりと涙がこぼれそうな時。
心細くて、不安で、
冷えた心に、
ぽっと灯りがともるような、そんなあたたかさを、この本は持っている。

ジャム屋を始めた男の話。
(あるジャム屋の話)

音楽を教えてくれる者を待つ月輪熊。
(北風のわすれたハンカチ)

表題作「春の窓」をはじめ12の物語が収録されている短編集である。

ファンタジーでありながら、各話の主人公は、読み手に重なるところが多くあるように思う。
言葉の選び方についても「どこからこんな表現が出てくるんだろう」と、感動が止まらない。
何度でも読み返したくなる。
贈り物にも良いかもしれない。


また一つ、すてきな本に出会えました。




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