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【超詳細!企業研究】四大出版・前編(15000字を無料でまとめました)

目指せ!出版社!そんな就活生の諸君、
こんにちは!
私はエントリーシートは全通したが、最後の一歩
手前で落とされた悲しき22卒&24卒女子です。

時すぎて、やーっと未練も消えたので、
後世の役に立つ記録をnoteにしてあげます。

というわけで、
これまでES〜1次面接までまとめていきました。
(これから2次面接以降もまとめていきます)

しかし、事細かに記載していて、個人情報が
特定されやすいので全記事有料にしています。

ただ、中身が一瞬でも見えないと、買う意味があるのか不安になりますよね。分かります。

と言うわけで、今回は私の信憑性を上げるべく、
企業研究編だけは無料で公開します。
ちなみに文字数を見れば分かるかと存じますが、
めちゃくちゃ細かいです。

前置きですが、私は新卒(22卒)と第二新卒
(24卒)で、2回出版社を受けています。
エントリーシートはどちらも全通、面接も良い
ところまだ進んでいます。

〜これを読むべき人〜
✔︎出版社の就活をしている学生・第二新卒社会人
✔︎エントリーシートを書く予定の人
✔︎自己PRを考え中の人
✔︎各企業の特徴を事細かに知りたい人
✔︎26卒、27卒、28卒の大学生

就職活動中のみんな、これを糧に頑張ってネッ!



はじめに

本noteでは、四大出版と言われる、
集英社・講談社・小学館・KADOKAWAについて
各企業研究を展開します。ただし、最初に断っておきますが、必ずしも全て網羅出来ているとは、言い切れません。また、KADOKAWAについては、下記のブログ内に記載した「面接で受けた質問項目」に付随するため、一部省いています
気になる方は、下記のブログを読んでみて下さい。

では、本題に入りましょう。

1人でも多くの方の役に立つことを祈ります。


四大出版の縮図

まずは、大枠で捉えていきましょう。
その後、各社ごとに記載していきます。
また根拠もしっかり記載します。
改めて色々なサイトを確認しましたが、
サイトによって全然違うことを書いてますね笑
私は、日経新聞などに基づくことを記載します
ので、ご安心ください。

- 四大出版とは?

集英社・講談社・小学館・KADOKAWAの4社。
出版社には、ジャンルを問わず様々な書籍や雑誌を取り扱う総合出版社と、参考書や経済誌など強みに特化した出版社の2つに分かれています。ご存知でしょうが、四大出版は前者の総合出版社を示します。

このように差別化が出来ます。
そこから更に比較していくと、ジャンル問わず、
様々な雑誌や書籍を扱うからこそ、
各社で強みが異なる
と言えます。
それは各社のパートで記載するので、
その前に決算内容を見ていきましょう。


- 2024年の決算内容

決算、重要です。けれど見るのは面倒です。
だから、知った上で就活をする人は、
そこまでいないと思います。私もそうでした。

しかし、あなたはこれから社員になりうるのです。
第一志望として、受けるのであれば、
理解して損はありませんよね。

と言うわけで売上ランキング

2023-2024 売上ランキング
1. KADOKAWA 売上高2581億0900万円
2.集英社 売上高2096億8400万円
3.講談社 売上高1720億0200万円
4.小学館 売上高1087億7800万円

売上だけを見ると、KADOKAWAがトップですね。
KADOKAWA以下は、少年雑誌の売上順なので、
イメージしやすいかもしれません。
では、なぜこのような売上結果なのでしょうか。
具体的な内訳を見てみましょう。

その前に内訳についてですが、
同じ名前でも内容が同じわけではないので
そこを比較するのはナンセンスです。

KADOKAWA

【KADOKAWA】2024/05/9 決算発表
売上高2581億0900万円(前年比1.0%増)
営業利益184億5400万円(同28.8%減)
経常利益202億3600万円(同24.1%減)
当期純利益113億8400万円(同10.2%減)
〜内訳〜
出版・IP創出 1419億6700万円(同1.4%増)
アニメ・実写映像 460億6000万円(同6.4%増)
ゲーム 253億5100万円(同16.5%減)
Webサービス 213億9900万円(同3.0%減)
教育Edtech  133億9000万円(同7.3%増)

https://www.shinbunka.co.jp/archives/7686

さて、なぜか売上1位のKADOKAWAですが、
内訳をみると理由が分かりませんか?
他社で取扱いのない、ゲーム(ELDEN LINGなど)やwebサービス(ニコニコ動画など)、教育事業
(N高等学校やバンタン)の収入が大きいです。

つまり、それらを差し引くと集英社よりは
下になるかと思います。

とはいえ、出版以外の事業の強さがKADOKAWAの
魅力
であると言えます。総合出版の枠組みも
超えているように感じますが、それこそ、
他社と比較して色々な事業が出来そうですよね。

KADOKAWAは上場企業なので、
連結決算を分かりやすく出してくれています。
下記の公式ツイートに詳細に記載されているので、
目を通すことをお勧めします。


集英社

【集英社】2024/8/28 決算発表
売上高 2096億8400万円(前年比7.4%増)
当期純利益 159億1900万円(同40.7%減)
〜内訳〜
出版売上 1274億1700万円(前年比5.6%増)
広告売上 80億2600万円(同6.7%減)
事業収入 742億4000万円(同12.6%増)
当期から紙版と電子版を一体化してコンテンツ事業の実勢を把握するため、これまで事業収入に計上していたデジタル収入を出版売上に移管したとのこと

https://www.shinbunka.co.jp/archives/5822

集英社は次の講談社・小学館と違って、唯一
紙と電子を一緒に算出しています。
ゆえに前年比増となっています。後の2社を見れば、
明確かと存じますが、この増加は電子でしょう。

続いて広告費。
これは宣伝広告や、雑誌からの広告収入です。
詳細は後半に記載しています。

そして、次に注目すべきは事業収入です。
後の小学館で解説しますが、伸び率は本ではなく、
それを活用した事業の方が高いです。
ただ、各項目の具体的な内容が明確ではないので、
一旦次にうつります。

講談社

【講談社】2024/2/20 決算発表
売上高 1720億0200万円(前年比1.5%増)
当期純利益 114億1900万円(同23.7%減)
〜内訳〜
製品 533億9400万円(同6.9%減)
事業収入 1071億1400万円(同6.9%増)
広告収入 71億3400万円(同3.5%減)
その他 15億9800万円(同12.5%増)
不動産収入 27億6000万円(同12.0%減)

https://www.shinbunka.co.jp/archives/7111

分かりにくいですねー
非上場なので詳細もいまいち分かりづらいです。
その上で解説を書くと以下の通り。

「製品」
日経新聞を見ると、これは「雑誌や書籍などの
紙の出版物である製品」
を指しています。
つまり集英社のような電子は含まれていません。
前年度6.9%減となっていますが、下記のニュースをみると原材料の高騰が原因であるようです。
紙の値段高騰は他社にも関係しますね。

ちなみに紙の原材料であるパルプ材の輸入先を
見ると、そりゃ値上がりしますよね。

日本製紙連合会より

「事業収入」
こちらは「電子書籍などのデジタル部門と国内外の版権収入を合わせた事業収入」を指します。
集英社は全部まとめていたので
分かりませんでしたが、講談社の内訳を見ると、
紙<電子は顕著ですね。
こういうところから、読者の需要が見えてくるので、「私/僕は利益を考慮した就活生です」と
アピールする材料になる
と思いますよ。

「広告収入」
ここは集英社と同じです。

「不動産収入」
はて?不動産?
これは就活生にとってはどうでも良いかも
しれませんが、出版社にとっては超大事です。
紙からデジタルに移行する時代を言い換えると、
出版社の収入源が不安定になりつつあります。

つまり、その中で安定的な収入を得るものが
不動産なのです。TBSは不動産収入で
利益の半分を稼いでいると言われています。

要は講談社が、どこかに不動産を貸したりして、
収入を得ているということですが、
KADOKAWA「ところざわサクラタウン」の
ような展開も可能と言えます。

小学館

【小学館】2024/5/24 決算発表
総売上高 1087億7800万円(前年比0.3%増)
経常利益 48億6700万円(同33.4%減)
当期利益 21億4200万円(同65.2%減)
〜内訳〜
出版売上 408億4600万円(前年比5.8%減)
広告収入 96億6000万円(前年比4.1%増)
デジタル収入458億6700万円(前年比1.5%増)
版権収入 124億500万円(前年比16.4%増)

https://www.shinbunka.co.jp/archives/7875
第86期決算報告

小学館は版権収入を分けて記載してくれています。
ありがたいですね。

版権収入とは??
これ、今すごーく注目されています。

前年比16.4という数字からも見て取れますよね。
IPというワードを聞いたことありますか?
おそらく大半の方が知っていると思いますが、
念のため解説します。

IP(Intellectual Property)・版権収入とは
一言で言えば、知的財産(Intellectual Property)ビジネスです。要は二次利用全般が、ここに含まれています。まず、知的財産権とは、漫画や書籍など、知的財産を生み出した人物や企業だけが持つ特別な権利です。つまり、出版社以外の企業が、それを持つことは決してありません。 そして知的財産権は、海外でも有効です。近年、日本で生まれた漫画やゲームが海外で販売され、ヒットすることも当たり前になっています。怪獣八号などイメージしやすいのではないでしょうか?
鬼滅の刃の映画も、海外放映に力を入れていましたよね。つまり、日本国内だけでなく、世界の人々をターゲットに、ビジネスを展開することが進んでいるのです。 また、グッズ販売や、ユニバなどテーマパークとコラボレーションなども、こちらに含まれるのです。

企画の参考にしてみてください。
IPの話はトレンドなので、アピール材料になる
思います。例えば、最近、「クランチロール」が
世界では話題
になっていますよね。

これも出版社からすれば、IP版権ビジネスです。
小学館の決算を見るに、需要の高まりは顕著
と言えるので、要チェックです。

最近、集英社がやたらと自社作品を映画化して
いますが、このような背景が関係しています。


- 出版業界全体の課題と打ち手

【課題①】書籍購入数の減少
新書の購入数が減少しています。
- 理由1:日本が貧乏になっている。
円安やら、物資の値上げやら、価格高騰が話題になっています。また新卒の給料(ベースアップ)も話題ですが、日本が貧乏になっているんです。貧乏になると、余暇にお金をかける人が減ります。出版社は、主に人々の余暇を支えているので、打撃を受けるのです。

- 理由2:中古書籍市場の拡大。
メルカリと言えば、分かりやすいでしょう。あとはAmazonです。中古でも、新品のような書籍って、多いですよね。書店が減っている理由でもあります。日本が貧乏になっているので、安価な購入の需要も高まっているのです。

- 理由3:AIやインターネットの台頭。
Chat GPTはじめ、今や分からないことは調べる時代です。調べ方の手間も楽になっています。人間は楽なものが好きなので、当然、書籍を手に取る回数は減ります。

- 理由4:海賊版の出回り。
みなさん、使ったことはありますか?エロ広告満載だけど、無料で読める海賊版。読めばあなたも犯罪者。というわけですが、やはり「無料」のインパクトは大きいわけです。小学館の社員が言っていました。海賊版の出現で、無料にどれだけ需要があるかよく分かったと。

このように、新書の購入数が減少しています。
結果、書籍の値段が高騰しています。
大きめの新書とか1000円以上しますよね。
意味不明に高いです。私も買いません。

書店が無い自治体も


じゃあ、どうすればいいの?
現状、書籍の高騰と購入数の減少を止めることは
かなり難しい
と言えます。そう思いません?

だから、電子書籍市場や、IP版権ビジネスが
注目されている
のです。
作品の版権を他社に売り、他社がユーザーに売り、
その利益を得る。取引先が豊富になり、
かつ儲かれば儲かるほど、出版社も潤うのです。

もう一つは、返品率(返本率)を下げることです。

返品率(返本率)とは?
出版社は、トーハンなどの取次会社を通して、書籍を流通させ、書店に届けています。それらの書籍のうち、書店で実売されずに取次店へと返品されることがあります。これらの書籍が返品率に該当します。計算方法としては、「返本された冊数 ÷ 委託販売した部数」です。

株式会社PubteXより


さて、今から約3年前ですが、
こんなニュースが話題になりました。

講談社・集英社・小学館・丸紅など、
AIを活用した流通新会社を設立

流通新会社を設立させたんです。
真偽は不明ですが、見方によっては、既存の取次会社に見切りをつけたようにも見えます。
この会社の特徴は以下の通りです。

「AIなど先進技術を駆使して、各書店の書籍数や
返品率を抽出し、データドリブンなどで、
発行数や配本数を最適化する支援を実施」

つまり、配本の正確性を上げることで、
余計な返品を発生させないようにするのです。
詳細は企業HPをご覧ください。

返品率が下がれば、紙の書籍における余りが
減ったということ
ですよね。
KADOKAWAなんかも、決算資料に返品率の
ことを記載していますので、ここは課題でしょう。

その他に、書籍の高騰を防ぐには、
やはり制作コストを下げるしかない
でしょう。
言い換えれば、AIの導入です。
人口も減少しているので、人件費を減らして、
制作コストを下げるのです。
ここは作品とは直結しませんが、デジタルのプロが
少ない出版社において、AIを利用した企画は
受けるかもしれません
ね。

あとは編集者希望の方でも、業務効率化にAI活用を組み込む話も良いかもしれません。
残業時間が減れば、コストパフォーマンスも
上昇します。それに編集者の業務内容を良く
理解しているアピールになると思います。

本課題について、最後に補足です。
書店は減少すると私は述べましたが、
だからこそ増やす取り組みを考えるのも、
一つの手だと思います。

本が好きな人は幸い沢山いますし、現にそのような
取り組みは実施されています。であるからこそ、
書店を逆に増やす、もしくは運営するような企画を立てても良いかもしれません。ただし、どうすれば人が来るのかを考えるのはマストです。
無人書店とかね。今思いついたので書きました。


【課題2】電子市場の有効活用の模索
デジタルを有効に活用して利益アップを狙うには?
- 理由1:D2Cが下火になっている
紙が難しいのであれば、電子市場で戦うしかありません。しかし、Amazonや楽天など大手ECサイトや、LINE漫画など全出版社の作品がまとめて見れるアプリケーションもあります。そんな市場の中で、一つD2Cがあります。Amazonなどを介さず、直接コンシューマに繋がるサービスです。ジャンプ+やカクヨムが成功例でしょう。しかし、全部が全部うまくいっていますか?

- 理由2:デジタル人材の不足。
デジタル化を図る方が、利便性の向上に直結するため、ユーザー満足度も上がります。しかし、クラウドやセキュリティの導入には、それなりのコストと知識が必要です。とは言え、海賊版対策など踏まえるとお金をかけるべきでしょう。ただ、出版社にはITのプロが少ないです。ゆえに、デジタル人材の補充が求められています。

- 理由3:日本製の脱ガラパゴス化。
タテヨミ漫画や雑誌の無価値化への対応が求められています。LINE漫画のwebtoon、縦読みなので、読みやすいですよね。集英社では、遂にジャンプtoonが始まりましたが、やはりスマホにマッチしているのは、縦読みです。日本市場は正直、タテヨミジャンルに関しては遅れをとっています。そして、雑誌の無価値化もあります。文春オンラインやFRIDAY は、一定の地位を確立していると思います。しかし、ファッション誌っていかがですか?今や、Instagramで事足ります。しかし、Instagramは無料です。出版社の利益にはなりません。ファッション誌希望の方は、この点は課題として、しっかり把握されるべきだと考えます。

- 理由4:広告宣伝の多量による無価値化。
広告が溢れてしまっている。インターネット広告って、ちゃんと目を通していますか? 私はうざくて仕方ありません。CMも同じです。テレビとNetflixで差別化を測るとすれば、CM広告がないことは一つ大きな点として挙げられるでしょう。デジタル化が進んで、広告の価値が下がっています。しかし、その反面、面白い広告であれば、それだけを見に来る人もいます。つまり、広告宣伝に求められるレベルが上がっています。

どの企業にも言えることですが、デジタル化の需要は本当に高まっています。今まではIT通信系で
事足りることでした。しかし、今や、どの業界に
おいても、デジタルと掛け合わせることが
必然となっているのです。
そして、現状、模索状態にあります。
Web3.0など言われていますが、高額なVRやメタバースが原価の割に儲かるのか否かは別問題です。

先に述べた理由1-4について、見て行きましょう。

理由1 D2Cが下火になっている

D2Cとは?
D2C(Direct to Consumer)。つまり、販売社が直接一般客とやり取りすることです。

https://www.smbc.co.jp/hojin/magazine/sales/about-d2c.html
三井住友銀行より

この仕組みにおける最も大きなメリットは、
流通業者を挟まないため、手数料が取られず、
ECより利益率が高く
なります。

逆にデメリットと言えば、Amazonや楽天など
すでにあるプラットフォームは使わないので、
自社でプラットフォームを持つ必要があり
ます。
つまり、管理費が発生します。

出版業界のD2Cの成功例と言えば、下記でしょう。

こんな感じです。
では、なぜD2Cがオワコンという風潮が起こりつつあるのか。それは、個社ごとに、サービスごとにD2Cが出て来てしまい、市場が乱立してしまった
こと。それにより、サービスの差別化が求められたが、多くのD2Cが「無料」「広告費」に焦点を
当てているため、結局ECサイトと大差なく、
消費者からすれば、良く違いが分からない
こと。

差別化が難しいんです。
加えて皆さんは、ジャンププラスがなぜ、
全話無料に出来ているかご存知ですか?

あれは、「週刊少年ジャンプで他社よりも利益を
担保できていること / 他社より人気作品が多いためIPビジネスで利益を収集できること / 新人作家育成の場として重きを置いていること
」が挙げられます。

つまり、簡単なようで収益を踏まえると、
容易にできることではありません。

では、そんなオワコンのD2Cですが、やめるしか
ないのか。と言えばそうではありません。

電子書籍志望の就活生の皆さん、
D2Cを進化させる方法を考えてみてください。


理由2  デジタル人材不足
さぁ、情報系の学部の皆さん、強みをアピール
できるポイントだと思います。
最近、世間を騒がしたあのニュース、覚えていますか?KADOKAWAへのサイバー攻撃です。

2024/06/14 公式謝罪動画

KADOKAWAを受けても、受けなくても、
本事故については理解しておくべき
です。
というわけで概要を記載します。

6月8日早朝、KADOKAWAグループの複数のサーバーでアクセス障害が発生。子会社のドワンゴが運営する動画配信サイト「ニコニコ動画」などが利用できなくなる。社内調査で、データセンター内のサーバーが、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)を含む大規模なサイバー攻撃を受けたことが判明。サイバー攻撃が執拗に繰り返された結果、遠隔でサーバーをシャットダウンしても、さらに遠隔からサーバーを起動させて感染拡大を図られてしまった。そのため最終的には、電源ケーブルや通信ケーブルを物理的に引き抜き、サーバーを封鎖する事態にまで追い込まれた。今後、サーバーからデータを救出し、安全な環境下でシステムを一から再構築する。「実質的にはシステムを1から作り直すような規模の作業が必要」(CTO 鈴木氏)と仰られており、復旧には1カ月以上の期間を要する可能性が高い。
データセンター内全てのサーバに影響が及んでいることから、Webサービスだけでなく、その他の事業にも影響が及んでいる。

https://toyokeizai.net/articles/-/763552?page=2

これを受けて、KADOKAWAでは大量の
セキュリティエンジニアの中途採用の募集

かけられています。これはサイバー攻撃の被害
・対応が出来る、エンジニアが足りないため、
必死でかき集めている状態です。
すごく大変な状況であることが分かります。

出版社の中でも、特に領域が広いKADOKAWA
なので、扱っている個人情報もめちゃくちゃ多い
はずです。こうした実例からも、デジタル人材
の補充は必要だと考えられます。

また、web3.0の分野においても人材確保
望まれています。中途採用でも募集をよく見ます。
そもそも、web3.0が何なのかということですが、

経済産業省より

このように時代が移り変わっています。
といっても抽象的ですよね。
具体的に言えば、Web3.0とは、ブロックチェーン
技術によって実現される分散型インターネットの
ことです。分散型インターネットは、特定の企業や管理者に依存せず、データや情報を分散化し、
個人で管理できるというメリットがあります。
要は今、GAFAMと言われる企業に情報が集中して
いますが、そうではなく、分散させましょう

と言うことになります。

以下、経済産業省より。
Web3.0とは、『ブロックチェーン上で、暗号資産等のトークンを媒体として「価値の共創・保有・交換」を行う経済』(トークン経済)

​世界では、
①NFT取引
②分散型金融(DeFi)
③ゲームと金融の融合(GameFi)
など、暗号資産やNFT等のトークンを用いた多様なスタートアップが誕生。さらに、
④メタバースとの掛け合わせも含めた新たなデジタル経済圏の創出に向かっている。
(⑤ブロックチェーン等の分散型台帳技術がSociety5.0のサイバー・フィジカル融合社会の基盤に発展するかについては未知数)。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/Web3/index.html
講談社の構図がわかりやすい

集英社ではXRを使ったミュージアムを運営
しています。このように、web3.0を活用した
企画構想は面白いかもしれませんね。

今、時代の流れは「所有→体験」へ価値が移り変わっています。例えば、洋服も試着をしますよね。
試着をすることで、自分が外に出た姿などが
イメージしやすくなります。
それが体験価値です。
漫画や書籍も同じです。
その中に自身が入れたら??

例えば、極度のオタクがいるとします。
男性は二次元に恋をしていますが、
現実的に難しいです。
しかし、メタバースでは出来るかもしれません。
五等分の花嫁の各推しと、婚姻届を出せる、
そんな世界が来るかもしれません。
そのように、体験価値を上げるのがweb3.0です。

ということで、ここら辺の知見をお持ちの方は
ぜひ生かしてみてください。

理由3:日本製のガラパゴス化

インパクトあるポスター

ガラパゴス携帯って分かりますか?
スマホの前に使われていた折りたたみ式の
携帯電話です。ガラパゴス諸島を揶揄した表現
です。つまり、「日本だけがそうしてる笑」
みたいなニュアンスがあると私は思っています。

2018/8/21 「ガラパゴス化していく日本マンガ」「東京タラレバ娘」「かくかくしかじか」などのマンガ家・東村アキコさんが、客員教員を務める京都精華大で、講演をしました。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASL6W55PBL6WPTFC01F.html


東村アキコさんですが、現在webtoonの
漫画を連載されています。講演では、今の子どもたちは日本の漫画と同じ、もしくはそれ以上に
韓国の漫画を読んでいるという東村さんが
感じられたことが述べられています。

韓国漫画って、すごいですよね。
縦読みで、カラフルで、サクッと読めます。
私も寝る前にLINE漫画を読むのですが、
日本漫画ほどあっさり読めるので寝落ちに
ちょうどいいです(いいのか?)

とは言え、だからと言って、韓国漫画のような
タテヨミを作れ、と言いたいわけではありません。

タテヨミ漫画が出て来て、脅威になったようにタテヨミの次の形態が出て来る時代も想定されます。

タテヨミの脅威を作れば良いのです。
すごい難しいこと言ってますね笑
でも、その程度に捉えておきましょう。

前段はここまでタテヨミについて詳しく触れますね

SORAJIMAをご存知ですか?
webtoon専門の出版社です。
早稲田大学卒 元三菱商事の萩原鼓十郎氏が
同大学の前田儒郎氏と立ち上げた会社になります。
本会社によるとタテヨミ市場は下記のように
変化すると予測されているようです。

webtoonの成長予測


韓国では、webtoon の実写化も普通です。
例えば、財閥家の末息子などです。
日本では、まだタテヨミの実写はないですが、
これから増えてくるかもしれません。
増えるということは、市場規模が拡大した
ということになります。

簡単にメリットをまとめます。

・タテヨミでスマホにマッチ。
・カラーつきで読みやすい。
・紙ではないため、低コスト。
・デジタルベースなので翻訳しやすい。
・グローバルに展開しやすい。 など

デメリットもありますがメリットが大きいです。
総合出版社においても、タテヨミ漫画の部門は
次々と立ち上げられています。

・KADOKAWA「タテスクコミック」

・集英社「ジャンプTOON」

・講談社「コミックDAYS」

・小学館「マンガワン」

タテヨミ専用とヨコヨミ混合で別れてますね。
この市場ですが、日本で立ち位置を確立した企業は正直まだありません。確立しているのは韓国の企業(LINEやカカオなど)です。ゆえに、大手出版社以外の企業もタテヨミに参入しています。

Amazonや楽天といった企業です。
楽天?正直、意味不明です。
とりあえず新規事業で始めただけと言う可能性もありますが、モバイル事業と相性は良いと思います。
つまり、競合は総合出版だけじゃないのです。

総合出版以外に参入した企業の記事を掲載します



乱立してますねー
乱立しすぎていますが、それくらい注目されているということですね。私がもし学生で余裕があると
すれば、SORAJIMAの長期インターンに申し込むと思います
。1.5か月のインターンです。すごい!
総合出版って、インターンがないので、これは非常に良い経験になると思います。おすすめです。

では次にファッション誌について。
インターネット時代になり、無料でファッションを調べられる時代になっています。Instagramさえ
見れば、アパレルブランドのアカウントがあって、そこからモデルが試着している写真を
見れてしまいます。かつて、有名だった雑誌も
休刊や廃刊が増えています。
雑誌志望の就活生のみなさん、ここは絶対に
自分の考えを答えられるようにすべきです。

みなさんは、ファッション雑誌の収益構造
ご存知ですか? 購読者が購入する際に払う料金広告料です。出版社にとって大きいのは後者と
なります。たとえば、乃木坂や旧ジャニーズが
何らかの化粧品広告に使われ、ファッション誌に
掲載されるとします。すると、ファンはその化粧品を購入しますよね。ファンが購入した分、広告費として収益になるのです。しかし、広告費は
影響力に金額を左右されます

つまり、広告を通して購入した人が多ければ、多いほどその広告媒体は影響力があるということです。
雑誌が売れなければ、広告を見てくれる母数も
減るので、必然的に影響力が低下した

みなされます。つまり、広告収入が減る。
結果、今のように休刊や廃刊になります。

恐れ入りますが、私自身、ファッションには
ことさら興味がありません。
なので、この流れは仕方ないと思う人間です。
しかし、ファッション誌に情熱を持つ方も
いるでしょう。どうするべきか、ぜひ考えてみてください。私自身、この問題については触れません。
触れないって言うか、わからないんです。
ただ、こうした事態を打開しようという動きは
知っています。ということで紹介。

小学館「MERY」

そう、webメディアです。
妥当かなと思います。でもどうなんですかね。
結局は中身のような気もしますけどね。
週刊文春とかハルメクとか、中身で差別化
してますよね。文春の容赦ないスクープとか
あれはあれで凄いと思うんですよ。
渡部建の記事なんてめちゃくちゃ売れてますしね。
媒体を変えるのも、ありかと思いますが、
結局は中身の質なのかなというようにも感じます。
難しい問題です(誰か教えて〜)。

理由4 広告宣伝の多量による無価値化

ネット広告はレッドオーシャン

インターネット広告、うざいですよね。
でも最近は、週刊文春ですらネット広告を導入してしまいました。うざいけど見てます。
私はうざすぎて、中身を見ません。
漫画の広告ですらうざいです。
しかし、この前電車で隣に座った中学生は
ネット広告のエロ漫画をタップしてました。

いかがなものかと思いますが、タップする人は
いるのです。とは言えうざいです。
なので、多くの人は大して見ていないと思います。
だから、変なうざい位置に広告が置かれるのです。

とはいえ、皆さん。
総合出版社のインターネット広告って見たこと
ありますか?私は思い出す限りありません。
じゃあ逆に総合出版社の広告って、
どういうところで見られますか?
私は駅とか、街中です。これも計算されての
展開だと思います。詳細に書きたいところですが
私のエントリーシートやら、面接やらに
ここは記載しているので割愛します。
気になる方は下記をご覧ください。


さて、ここまで長々とデジタル化について
記載していきました。デジタルをどのように利用
して、収益に繋げるかは業界において、最も重要なことだとは考えています。最近、米国では
このようなことが起こったそうです。

オープンAIはチャットGPTの利便性や回答の正確さを高めるため、メディアの協業先を広げている。これまでに英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)や、経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」を持つ米ニューズ・コーポレーション、仏紙ルモンド、AP通信と提携した。(引

下記より

このように積極的に協業していく流れになりつつ
あるのかもしれませんね。

【課題3】グローバル展開
- 理由1 日本が貧乏になっている。
円安など日本が貧乏になっているので、日本だけでは収益を稼げません。つまり、海外に展開して、お金を落として貰う必要があります。幸いAIが発達しているので、翻訳も容易になりました。

各大手出版社も海外展開には前向きです。
講談社に学生時代、アフリカにいたという社員が
いましたが、そういう海外経験は強みになります。
存分にアピールしましょう。
各社の海外事業については、各社のパートで記載していきますので、もうしばらくお待ちください。
ここでは業界として、記載をします。

さて、総合出版社の業務内容を少し分けてみます。
「漫画 / 書籍 / 児童書 / 雑誌 / コンテンツ」
ざっとこんな感じです。
パッとイメージをして、海外で売れそうなものって
この中でどれでしょうか?

漫画/コンテンツ

私はそう考えます。
なぜか。書籍や児童書には、人間の考えが
ガッツリと入る
からです。日本人の多くは、
日本の教育を受けています。つまり、日本政府の
思想が入っています。自国が民主主義か、
共産主義かによって、アイデンティティは大きく
変わりますよね。つまり、日本文化や思想が細部
に、文字として織りなされていると、異なる文化でそれが受けるのか、という問題が発生する
のです。

対して、漫画は絵で物事を伝えます。
「鬼滅の刃」主人公 竈門炭治郎の耳飾りが旭日旗だったため、韓国では修正をして販売しています。
海外に売るということは、些細なことでも修正などの配慮が必要になるのです。

実際に講談社の国際ライツ担当の方は
このように述べています。

「出版はもはや、国内市場だけで商売をしていく段階にありません。アニメと同じく海外を見ていくべきです。マンガの海外輸出は以前からさまざまな出版社が力を入れていますが、小説に関しては大きな課題がありました。村上春樹さん、東野圭吾さんといった一握りの作家さんしか、海外市場では大きく売れていないのが実情だったんです。小説の海外展開はビジネスというよりは、文化交流の色合いが強かったです」(国際ライツ担当者)

https://www.itmedia.co.jp/business/spv/1802/23/news019.html

漫画と比較して、書籍は難しいのです。
文字が多い分、修正や翻訳にも時間がかかります。
しかし、国内では書籍の売り上げは低迷を辿る一方です。だからこそ、打破が必要です。
書籍志望の方は考えてみても良いかもしれません。

国を超えてヒットした作品といえば、「三体」が
有名です。私も本作はしっかりと読みました。

【三体】作者 劉慈欣(中国)
中国発のSF長編。日本で第1部が発売された2019年時点で、すでに世界全体での累計発行部数は2900万部を突破。20カ国語以上の言語に翻訳され、21年に完結編が発売。2024年ではNetflixで実写化。

三体

まず前提を記載します。
作者 劉慈欣さんのルーツを記載します。
その上で、なぜ本作がオバマ元大統領や、ザッカーバーグが推薦するほど国を超えて広がったのか、
色々な資料を参考にしながら考えてみましょう。

劉慈欣(59才)
1963年に北京で生まれ、3歳の時に山西省に移り住む。文化大革命の真っただ中の不穏な時代を過ごす中、小学生の頃、フランスの作家ジュール・ヴェルヌのSF小説「地底旅行」を読む。これをきっかけにSFにのめり込み、中学生になるとSF小説を書き始める。1976年、毛沢東が死去して文革が終わると、鄧小平が改革開放に大きくかじを切り、海外の映画やドラマ、アニメなどが中国に流入。英国のアーサー・C・クラーク「2001年宇宙の旅」を読み、SFの世界に更にのめり込んでいく。その後、理工系の大学に入学。卒業後の1985年、山西省の火力発電所に就職。システムエンジニアとして働きながら、SF小説を書き続ける。1999年に、SF雑誌「科幻世界」でデビュー。「銀河賞」を受賞し、2006年に「三体」の連載を開始。

https://globe.asahi.com/article/14797324

北京に生まれながらも、海外のSF作品に影響を
受けて来たことがよく分かります。
とは言え、文化大革命の中を過ごしていることから中国国内の文化にも影響を受けているでしょう。
ところで皆さん、SFと聞いたら何を想像しますか?

スターウォーズや、バックトゥーザ・フューチャー
ですかね。合っていますよ。下記も含まれます。

インターステラー
シンゴジラ

日本にも、アメリカにもSFはあります。
SFという枠組みは世界共通です。ゆえに、思想がそこまで入るジャンルではないんです。
もう少し具体的に説明します。
作者はエンジニアでした。つまり、技術知識が豊富です。SFの正式名称は、Science Fictionです。
「三体」は科学技術の描写がもの凄くしっかり
描かれています。そしてその科学技術は、
全世界共通です。みんなスマートフォンを
使っているでしょう?どこの国も科学技術における価値観や思想は大差ありません。

もちろん、文化大革命などの中国文化は登場します。しかし、そこも気になるほどのものではなく、「へぇー、中国ってそうなんだ」程度でした。
それ以上に世界に共通する技術、問題、テーマが
世界の読者に共感をもたらしたのです。


その上でもう一つ、ヒットに起因したもの
あります。それは翻訳の力だと考えます。
具体的には有名なケン・リュウ氏による翻訳です。
彼も作家として優れた存在です。
ゆえに、英米の価値観を踏まえて、書き方を
かなり工夫しています。詳細は調べてみると
出てくるでしょう。彼の翻訳の結果、ヒューゴー賞を受賞し、世界にその名を轟かせました。

このようにグローバルでヒットした作品を
分析してみると、色々見えてきますよね。確かに
書籍は海外展開にハードルがありますが、
しっかり考えてみると、ヒットを生み出す法則も
見えてくるかもしれません。

ちなみに、日本漫画は順調に売れています。
特にアメリカ市場では堅調です。
「publisher weekly」という出版雑誌がアメリカにありますが、人気ランキングには、
日本の作品が多く掲載されています。

ゆえに漫画は海外展開しやすいです。
ただ、国によって受ける受けないがあります。
例えば、「キングダム」は日本では映画も
大ヒットしていますが、中国ではそれほど
人気がありません。色々殺しまくった始皇帝が
あんまり人気じゃないんですよ。

インドのアニメで超人気になっている作品を
みなさんはご存知ですか?
小林よしのり先生の「おぼっちゃまくん」です。

どうやら、ヒンドゥー語、タミル語、テリグ語に
吹き替えられて、インド全土でアニメが放送されているようです。そして、大ブームに。

また、怪獣八号はフランス人気がヒットに拍車を
かけたと言われています。
色々調べてみると、どの国で何が売れるのか、
見えてくると思います。漫画は海外展開
しやすくても、全ての国で同じ数が売れる
わけではありません。
色々分析してみてください。

以上、課題について記載しました。
最後に下記のようなニュースがあります。

やっぱり力を入れていますね。
他にもあると思うので、日々考えてみて下さいね。


いかがでしょうか?
後編では各社ごとに記載していきます。
ハート、よろしくお願いします♡

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