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【超詳細!企業研究】KADOKAWA編(20000字を無料でまとめました)

目指せ!出版社!そんな就活生の諸君、
こんにちは!
私はエントリーシートは全通したが、最後の一歩
手前で落とされた悲しき22卒&24卒女子です。

時すぎて、やーっと未練も消えたので、
後世の役に立つ記録をnoteにしてあげます。

というわけで、
企業研究シリーズKADOKAWA編です!
ちなみに文字数を見れば分かるかと存じますが、
前半以上に、めちゃくちゃ細かいです。

〜これを読むべき人〜
✔︎出版社の就活をしている学生・第二新卒社会人
✔︎エントリーシートを書く予定の人
✔︎自己PRを考え中の人
✔︎各企業の特徴を事細かに知りたい人
✔︎26卒、27卒、28卒の大学生

就職活動中のみんな、これを糧に頑張ってネッ!



はじめに

本noteでは、四大出版と言われる、
集英社・講談社・小学館・KADOKAWAについて
各企業研究を展開します。その前に出版業界全体について、記載した、業界編に目を通すことをお勧めします。

その上で後編です。
最初に断っておきますが、必ずしも全て網羅出来ているとは、言い切れません。また、KADOKAWAについては、下記のブログ内に記載した「面接で受けた質問項目」に付随するため、一部省いています
気になる方は、下記のブログを読んでみて下さい。

では、本題に入りましょう。

1人でも多くの方の役に立つことを祈ります。


KADOKAWA 

まずは、総合出版の中で最も扱い領域が広く、
それにより売上トップのKADOKAWAから。
志望されていない方は飛ばしてOK。
それと本記事ですが、当たり前ですが、
根拠に基づいて記載しています。
改めて色々なサイトを確認しましたが、
サイトによって全然違うことを書いてますね笑
日経新聞などに基づくことを記載しますので、
ご安心ください。

- 企業情報

◾️KADOKAWA(従業員数 1998人)
代表執行役社長(CEO):夏野剛
〒102-8177 東京都千代田区富士見2-13-2
1945年、角川源義が角川書店を創業。 1949年に「角川文庫」を創刊し、1952年、「昭和文学全集」にて成功を納め、文芸出版社としての地位を確立。1971年にNHKの人気番組を出版化した「日本史探訪」を発刊、これがメディアミックスの先駆けとなる。1976年、角川映画第1作「犬神家の一族」公開し、同文庫版が1800万部の大ヒット。その後も、角川文庫を原作としたエンタテインメント映画を次々と製作する。1997年、ニコニコ動画などのドワンゴを設立。2014年に統合し、2019年に社名をKADOKAWAへ変更。

https://www.nikkei.com/nkd/company/gaiyo/?scode=9468

ざっとこんな会社です。
さてここからは、2つのトピックを挙げます。

- 夏野剛氏について

はぁ〜ん、興味ないんだけど。
ええ、そうかもしれません。しかし、知っておくべきです。なぜなら中期経営計画など、最終的な会社方針の大枠を決めるのは、一番偉い人だから。

あなたがどんなにマックが食べたいと行っても、
そこで論破して納得させない限り、一番偉い人が
モスバーガーと言ったら、モスを食べることに
なるのです。それが会社であり、組織です。

夏野剛(早稲田大学政治経済学部卒)
1988年 東京ガスに入社。
1993年 ペンシルベニア大学の経営大学院に留学。1995年 MBA取得。
1997年 NTT docomoに転職。
     大成功する iモードの立ち上げに参画。
2005年 同社の執行役員に就任。
2008年 退社。ドワンゴの常勤顧問に就任。
     ニコニコ動画の黒字化に初めて成功。
2009年 グリー社外取締役就任。
2019年 夏野氏がKADOKAWAの社長に就任。

Wikipedia 

いかがでしょうか?
どんな印象を抱きましたか?
デジタル畑から来たような印象を受けません?
出版色はゼロです。
ここに例えば、紙推進!脱デジタル!のような学生が選考を受けたとして、内定を貰えるでしょうか?
限りなく不可能に近いと思います。
KADOKAWAグループは確実にデジタル化を
推していると捉えてください。

さて、夏野さんが成功を収めたi モードについても
記載したいところですが、KADOKAWAとは関係がないため、ここではニコニコ動画の部分を
簡単に記載します。軽く読んで見てください。

2010年 ニコニコ動画初の黒字化について
ニコニコ動画は、2006年末にスタートして以来、大規模な事業に投資しすぎて、3年間赤字続きでしたが、夏野氏が就任して、2010年に初めて黒字化を達成しました。これが大きな功績となります。売上高の75%は「プレミアム会員」からの会費収入で、これが月間3万人ペースで増加したおかげで、黒字化を達成。続いて広告収入、アフィリエイト収入、ポイントなどそのほかの収入がありますが、やはり最も大きいのは会費収入です。言い換えれば、サブスクリプションの導入です。今や、当たり前のサブスクですが、当時は違います。先進的な取り組みでした。さて、サブスクの課題といえば、解約です。そこでドワンゴは解約抑止のため、新しいサービスやネタの投入スピードを加速。毎月、新しいサービスを自社開発で投入することで、解約抑止に成功。プレミアム会員にとっても、会費を払えば新しいサービスを受けられるので、双方にとって良い効果をもたらしました。現在の動画サービスの先駆けと言えますね。

https://ascii.jp/elem/000/000/520/520503/

ここから読み取れるように先進的です。
N高等学校はじめEdtech参入など、KADOKAWAの事業をみても、通づるものがあるかなと思います。
世の中における先進技術などと組み合わせた企画など、そういったものは受けるかもしれません。


- 角川一族について

さぁ、逮捕されたりお騒がせな天才一族についてもせっかくなので、理解しておきましょう。

【角川一族】
角川書店創業者:角川源義
- 兄:角川春樹(1975-1993)角川書店社長
- 弟:角川歴彦(1993-2002)角川書店社長
 2003年持ち株会社化以降は取締役会長へ

歴彦氏については、東京オリンピックの一件で
ご存知の方が多いのではないでしょうか? 
春樹氏についても、名前だけは聞いたことある方
が多いでしょう。ただ、功績については?
という訳で一族が何をもたらしたかを記載します。
最も大きいと言えるのは、以下二つです。

映画事業と角川文庫

さて、一つ一つ解説します。

【角川映画について】
創業者である源義氏が角川書店を創業した時は、出版社としては後発であり、当時は漫画や週刊誌には手を出さないというのが基本ベースであった。つまり、当時の角川において、競合は総合出版ではなく、新潮社や岩波など書籍系の出版社だった。没後、春樹氏の時代となり、映画や漫画、週刊誌事業を次々と立ち上がる。これが、現KADOKAWAの源流と言える。そして、春樹氏の映画事業は、日本の映画界全体に影響をもたらした。当時誰もやっていなかった映画のテレビコマーシャルを集中的に行ったり、同時に先にも述べた角川文庫の宣伝も行うなどして、メディアミックスを確立させたのである。こうして角川映画は、1981年「セーラー服と機関銃」など日本映画界に大きな影響をもたらした。

https://shueisha.online/articles/-/67608?page=1

映画×文庫や宣伝というのは、今や当たり前ですが
メディアミックスの基礎はここから始まりました。

これが、他社と比較してKADOKAWAが様々な分野に着手しているきっかけです。
ようは、組み合わせることに長けているのです。
映画×漫画のように。
時代はIP収入です。ゆえにKADOKAWAにおいては、
得意分野かもしれません。しかし、今だにサイバー攻撃からホームページを取り戻していなかったり、
デジタル人材は不足しているように思います。

さて、ここまでは兄春樹氏の功績です。
では弟の歴彦氏は何をしてきたのでしょうか。

【角川文庫のライトノベル】
春樹氏が映画事業を進める中、歴彦氏は週刊テレビジョン(現:月刊テレビジョン)などの雑誌事業を主導します。それを契機に始まった、ゲームや美少女キャラを扱う雑誌「コンプティーク」は、サブカルチャー分野を切りひらいた雑誌と言えるでしょう。そしてこれが、角川スニーカー文庫、ファンタジア文庫、電撃文庫という、今のKADOKAWAにおける主力・ライトノベルへと発展していくのです。ゲームやラノベ、アニメなどのサブカル・コンテンツの展開は、上記がすべてきっかけと言えます。こういう掛け合わせの結果、東京オリンピックにまで発展したのかもしれませんね。

https://bunshun.jp/articles/-/57883?page=1

ざっとこんな感じです。
角川一族の実績を見れば、今のKADOKAWAの源流が分かるかと存じます。その上で、夏野氏の経歴を踏まえると、更に新しい方向へ進もうとしていることが分かりますよね。KADOKAWA向けの企画を
作る際には、ぜひ参考にしてみてください。

- 企業理念

KADOKAWAの企業理念

ホームページがBANされているので、詳しいことは記載されていません。早く復活して欲しいですね。
とはいえ、KADOKAWAの理念は覚えましょう。

不易流行

松尾芭蕉が到達した俳句の理念で、「いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと」
意味しています。 さて、ここまで読んでみて
いかがでしょうか?この言葉、経営者たちには確実に当てはまっていますよね。理念とは、企業経営の根幹となります。甘く見てはいけません。
これを変えない限り、KADOKAWAのベースは
このような人間を求めますということ。
「変化」は確実にキーワードでしょう。


- 特徴・強み①

さて、みなさん、お分かりでしょう。
KADOKAWA最大の強み。
「メディアミックス」
まずはここから紐解いていきましょう。

- メディアミックス戦略

出版をベースに、アニメ、映画、ゲーム、コラボカフェ、グッズなどマルチに展開するKADOKAWA。今ではメディアミックスの先駆者となっています。

どれだけの展開をしているのか、『涼宮ハルヒの憂鬱』から実際に把握していきましょう。

- メディアミックス例

【ライトノベル】
『涼宮ハルヒの憂鬱』の始まりは、ライトノベルで、角川スニーカー文庫から販売されました。

文庫版

ここで、スニーカー大賞を受賞し、『このライトノベルがすごい!』でも第一位を獲得します。
言わずもがなライトノベルの段階で、内容が秀逸で面白かったため、ヒットしました。涼宮ハルヒ自体については分析している方も多いので割愛します。

【漫画】
ラノベのヒットを受けて、約1年足らずで
「月刊エース」にて漫画の連載が始まります。

月刊エース

ツガノガク氏はハルヒの前に、月刊エースで
「時をかける少女」の連載もされていました。
こう考えると、KADOKAWA雑誌は、他社と比較すると原作があるものを漫画に落とし込むことが
特徴の一つとしてあるように感じます。

【アニメ】
さぁ、漫画ときたら次はアニメです。
アニメーション制作は、有名な京都アニメーションにて制作されています。

アニメ

さて、アニメとなれば出版の枠組みから外れます。
編集からアニメ事業部へ権限が移ります。
涼宮ハルヒシリーズのアニメプロデューサーは伊藤敦さんです。もちろん歴としたKADOKAWAの社員なのですが、有名作品をたくさん扱われているので、伊藤さん自身も有名人です。アニメ事業に興味がある方は、ぜひ調べてみてください。

ちなみにこのアニメ。
深夜枠に関わらずめちゃくちゃ大ヒットしました。
私も当時は学生で深夜は眠くて寝ちゃうタイプでしたが、学校に行けば1週間で2回は必ず誰かの口から「涼宮ハルヒ」の名前を聞きました。
このアニメが、人気に拍車をかけたと言っても過言ではありません。では何故、ヒットしたのか。
言わずもがなストーリーとキャラクターです。
当時は驚きを与える内容だったんです。
本作は超平凡な男子高校生・きょんが、超エキセントリックな女子高生・涼宮ハルヒと出会い、SOS団というコミュニティの中で、高校生らしい日常を過ごしつつも、SF的な展開もある。そんな作品です。
アニメ化されたのは2000年代後半。
当時はスマホが普及したばかりゆえ、
まだ平日夕方アニメが消滅していませんでした。

簡単にいうと、みんなテレビを見ていました。
なので、水曜19時はBREACH、木曜19時はポケモンとナルト、金曜19時はクレヨンしんちゃんと
ドラえもん。そんな感じで、アニメも放送されていたわけです。とは言え、当時のアニメは主人公が
少し特殊なものばかり。BREACHやナルトは、
主人公が英雄ですし、ポケモンもサトシは勝ちに
拘る男です。のび太はポンコツですが、隣には天才なドラえもんがいて、その力で問題を解決しますよね。しんちゃんは、かなりの変人幼稚園児です。

一般的に「逸脱した」主人公が多かったんです。
しかし、「涼宮ハルヒ」の主人公は超平凡。
それはハルヒが登場しても、変わりません。
しかも、主人公視点で物語も進むため、
その印象があまり変わることはありません。
ゆえに、共感しやすさを視聴者に与えました。

「伝説的な主人公」→「身近で普通の主人公」

この形が新しかったです。加えてSOS団にはハルヒを含めて、可愛らしい女の子が3人います。
物語にはSF要素もあるので、平凡な男子高校生が仲間と共に、平凡ではない日常を過ごす。ここに憧れを抱かせるのも、新しかったのです。
今でこそ、そういった作品は特にKADOKAWAには
多いですが、当時はそれが珍しく、しかも深夜に放送されるので、疲れた大人たち含め、広く人々から共感を呼びました。

【映画】
アニメがヒットしたら映画化しかないですよね。

映画

もちろん、製作は伊藤敦さん。
配給はKADOKAWA。ここまで全て自社で指揮を
とっています。集英社や講談社だったら、
東宝やテレビ局が高確率で入りますが、本作は
KADOKAWAとクロックワークスの2社です。

【グッズ・コラボ】
さぁ、ファンもたくさん出来ました。
更なる収益化を目指しましょう。

グッズやコラボカフェはファンの満足度を高める
サービスです。ヒット作品であれば、誰かしらが
購入してくれます。何を、どのように、グッズにするのか。そういったところを企画した見ても、
面白いかもしれませんね。

【ゲーム】
ゲームと言っても幅広いですよね。
それを体現する物をご紹介します。

麻雀ゲーム

本当に広いですね。
さて、ここまで全てKADOKAWAでした。
これがKADOKAWAのメディアミックスです。
IPではかなり強いと言えるでしょう。
また、どれか失敗しても他の事業で収益をカバーしやすいというのも利点だと思います。

先ほどの述べましたが、KADOKAWAって
総合出版の中で言うと後発
なんです。ゆえに、
ニッチ(オタク的)なところから攻めるというのが根本の戦略としてありました。だからこそ、「涼宮ハルヒ」のような新しい視点の作品が生まれ、共感性を呼んだのだと思います。ここは重要だと思うので、ぜひ押さえていただければと思います。

ちなみに最近、出版業界では完結してだいぶ経過した作品をリメイクすることが流行っています。
子どもターゲットにする構造が限界に来ているので、お金を持っている大人をターゲットにする狙いです。涼宮ハルヒはまだ最近ですが、もう何年かたてば、リメイクされる可能性大だと思います。


- 特徴・強み②

各ジャンルに沿って、KADOKAWAの代表作と共に記載していきます。取り上げられていないものが
あったり、解説して欲しいものがあったら、
コメント欄にコメントしてくださいね。

- 角川文庫とライトノベル

KADOKAWAといえば、ライトノベルですよね。

角川文庫はジャンルが多種多様
角川文庫のくくりの中に、さらに多種多様な文庫があります。多いですがそれぞれ簡単に記載します。12ジャンルと多いですが、ぜひご覧ください。
ざっくりと系列ごとにまとめます。
【角川書店系列】
ホラー:角川ホラー文庫
知識・教養:角川ソフィア文庫
児童向け:角川つばさ文庫
少年向け:角川スニーカー文庫(ラノベ)
少女向け:角川ビーンズ文庫
女性向け:角川ルビー文庫(BL向け)
【富士見書房系列】
女性向け:富士見L文庫(30-50代女性向け)
少年向け:富士見ファンタジア文庫(ラノベ)
ゲーム系:富士見ドラゴンブック
【メディアワークス系列】
少年向け:電撃文庫(ラノベ)
大人向け:メディアワークス文庫(ライト文芸)
【エンターブレイン系列】
若者向け:ファミ通文庫(ラノベ)

(1)角川ホラー文庫
ホラー小説が中心の文庫。日本ホラー小説大賞や『幽』怪談文学賞を受賞した作品のほか、書き下ろしの作品も収録。『呪怨』『クロユリ団地』など、ホラー映画のノベライズが特徴。

クロユリ団地

角川ホラー文庫は、KADOKAWAの文庫の中でも、有名なジャンルだと思います。多くの作品がメディア化されています。最近で言うと、佐久間大介さん主演の『マッチング』などがあります。
そんな角川ホラー文庫は、1993年から始まり、
約30年の歴史があります。同年、角川書店と
フジテレビジョンが創設したのが

「日本ホラー小説大賞」

賞金1000万円の大型コンペですが、受賞のハードルは高く、「2年に1回しか大賞が出ない」というジンクスが生まれたほどのもの。第1回を見ていただくと分かりやすいですが、受賞作なしです。
少し話が脱線しました。

話を戻すと、角川ホラー文庫には、それだけレベルが高く有名なホラー作品が多いわけです。
リング(鈴木光司)や、呪怨(大石圭)、貞子シリーズなど有名どころはKADOKAWAの確率が高いです。牛首村などは竹書房ですが、総合出版の中で、
ホラーにおいてはKADOKAWAの強みと言えます。

では、なぜホラー?
ホラーってニッチですよね。そして、一定数の
ファンがいます。でも、すごい人気を獲得できる
ジャンルでもありません。ただ、安定した利益を
獲得できるジャンルでもあります。

ゆえに、メディアミックスしやすいのです。
先ほど述べたリングや呪怨、貞子シリーズは
たびたび映画化されていますよね。
ただ、永遠の0ほどのヒットはしていません。
それでもシリーズ化されています。
それはつまり、一定数の収益は得られるジャンルだからです。PPM分析で言えば、金のなる木ですね。

(2)角川ソフィア文庫
こちらの文庫は、知識や教養を養う内容の物が取り扱われています。具体的には日本の文化や、歴史、東西の古典作品などで、教養に基づく14のジャンルを扱っています。

源氏物語

創業者・源義氏といえば、国文学者でした。
そして彼が敬服していたのは、古典文学です。
源氏物語の凄さを、大衆に読まれ続けること
子どもたちに解いたと言われています。
つまり、ソフィア文庫で取り扱う作品というのは
日本文学や出版における源流となる作品であり、
創業の精神を大切にし続けている証拠です。
そんなソフィア文庫ですが、扱うジャンルは
多種多様で、思想、哲学、宗教、歴史、地理、古典など様々
。古典文学の現代語訳や、詳細な解説など学術性においても、一定の地位があります。

文芸というと、パッと思いつくのは小説かと
存じますが、このようなジャンルも含まれることから、こういったジャンルの編集者となったとき、
どのように対応すべきかなど考えると
良いかもしれません

(3)角川つばさ文庫
KADOKAWAの児童書レーベルとなります。他の作品と違って、文字のフォントが大きかったり、漢字がひらがなだったり、当たり前ですが、そういった文庫になります。子どもでも分かるKADOKAWAアニメ作品とメディアミックスされていることが多いです。

カービィ

講談社の青い鳥文庫は、青ですが、こちらは
緑ですね。特徴はメディアミックスでしょう。
サマーウォーズや竜とそばかすの姫なども、
こちらの文庫から出されています。

以降も続くので分かるかと存じますが、
KADOKAWAは子ども〜大人まで本を読み続ける、
KADOKAWA作品を手に取ってもらうべく、
年代ごとにレーベルを分けています。

それも非常に細かく分けています。

(4)角川スニーカー文庫
ライトノベルに興味がない人でも手に取りやすい作品を、数多く輩出しているレーベルで、少年向けの作品が多い特徴です。 現在はオリジナル作品に加えて「月刊少年エース」やその派生誌連載のマンガをノベライズした作品も含まれます。

スーパーカブ

少年向けの文庫になります。
ジャンルはファンタジーやSF、ラブコメ、
ミステリーなど子どもが読みやすい内容です。
ちなみに写真のスーパーカブは一見可愛らしい
絵柄ですが、これは後ろのバイクを指しています。
また、表紙のカバーもイラストとなっており、
他文庫もですが、子どもでも手に取りやすいです。

特徴があるとすれば、こちらもメディアミックス
です。「君の名は」や「天気の子」など
こういったアニメ作品との掛け合わせがあります。
ファンタジアや電撃と比べると、
現在は収益もそこまで高くない印象です。

(4)角川ビーンズ文庫
2001年からはじまった、少女向けの小説です。主な内容は少女向けのファンタジーなど。彩雲国物語などが有名でしょう。

彩雲国物語

角川スニーカー文庫と似たような立ち位置です。
ターゲットは少女という点が違います。
小説で言えば、写真の彩雲国物語が有名ですが、
こちら原作は漫画です。そして、漫画も角川が
出版しております。さきほど、スニーカー文庫でも記載しましたが、こちらの文庫においても、メディアミックスが多いです。角川文庫においては、
アニメや漫画、映画が、小説となったパターンが
わりかし多いように感じます。
あくまで個人の所感ですが。

ここから少女が成長していきますよ。

(5)角川ルビー文庫
ボーイズラブの文庫レーベルです。累計500万部超のメガヒット小説「タクミくんシリーズ」を始めとした数々の作品を刊行しており、次世代に輝くBLの星を目指せ!というメッセージと共に、角川ルビー小説大賞も開催されています。

タクミくんシリーズ

角川ルビー文庫の創刊は1992年です。
ボーイズラブなるものが、世に有名になるころから牽引していた存在といえます。ここら辺はあまり詳しくありませんが、他社で言えば、新書館の
ディアプラス文庫や、幻冬舎のルチル文庫などが
ライバルと言えますね
。つまり、総合出版で
いえば、ここは強みのジャンルだと思います。
あとBLってホラーと同じで
大ヒットは見込めないけど、安定性は見込める
んです。つまり、そう言う意味でも
ニッチな基盤と言えるでしょう。

(6)富士見L文庫
Lは「Literature」と「Light novel」のLです。つまり、富士見文芸/ライトノベル文庫ということです。コンセプトでいうと、キャラクター文芸レーベル。これだけ見ると意味不明です。ターゲットは、主に30代から50代の女性で、作品によりけりですが、大人の文芸少女をターゲットしていると言えます。

私の幸せな結婚

さて、まずはなぜ「角川」ではなく、「富士見」になるのか、簡単に解説をします。不思議ですよね。

1972年 富士見書房創業

おお、会社が設立されたぞ?ということは、KADOKAWAに吸収される前の会社か?
いえ、違います。
この時から角川書店のグループです。
企業情報でKADOKAWA本社の住所を載せました
よね。千代田区富士見です。
角川書店グループの教科書・自習テキスト系の
商材を扱う会社として設立させたのです。

その富士見書房を由来としたのが、富士見文庫となります。今現在は、KADOKAWAに吸収されたので、富士見書房はなく、富士見文庫においても、
取り扱いはKADOKAWA
です。

いやー、にしても多いですね。
KADOKAWAにOBOG訪問をする機会があれば、
ここら辺聞いておいた方がいいと思います。

もちろん、私が記載する内容も参考にして
全然構いませんが、差別化を把握するとなると
ここら辺は聞いてもいいポイントですね。

その上で説明すると角川ビーンズ文庫の読者の
延長線上が富士見L文庫と言えるでしょう。
つまり、小学生や中学生だとまだ分からないけど、
大人になったら分かるようになる

「私の幸せな結婚」も主人公が最初はかなり
可哀想ですよね。そう言うふうな意味でも、
大人の世界を描く小説がここに当てはまります。

(7)富士見ファンタジア文庫
スニーカー文庫、電撃文庫と並んで、ライトノベルを確立している文庫です。3つ合わせて3強と言えるでしょう。しかし、ここから富士見が付きますね。その意味を少し解説します。

冴えない彼女の育て方

ファンタジア文庫といえば、ライトノベルの
立ち位置を飛躍させた文庫と言えます。

1980年代、ヤングアダルト(若い大人)という
棲み分けが徐々に明確になります。それに伴い、
ライトノベルも確立されていきました。
つまり、若者向けエンターテイメント小説です。
今では色んな人に親しまれていますが、
最初はそのようにして生まれました。そんな1980年代に有名になったゲームをご存知ですか?

スクエニのドラゴンクエストです。
1986年に登場した本作がファンタジーの盛り上げを爆上げさせました。それに続くように、1988年に
創刊されたのが富士見ファンタジア文庫です。
この頃、最もヒットしたのは
1990年「スレイヤーズ(神坂一)」

シリーズ累計2000万部を誇るラノベの金字塔。
何がヒットしたかというと、読みやすさ。
ドラクエのスライムを思い浮かべてください。
簡易的なものは読みやすくて受けがいいのです。

さて、ここまで来ると疑問が湧きます。
スニーカー文庫・ファンタジア文庫・電撃文庫
それぞれの違いがよく分かりません。
これは後ほど説明します。

ただ、この時点で、ライトノベルの文庫をこれだけ持っているKADOKAWAはやはり、ラノベに
相当な力を入れていることがよく分かります。

(8)富士見ドラゴンブック
こちらも富士見。主な取り扱い内容は、ゲームなどのルールブックです。あとはテーブルトークRPG。これはゲームに含まれますが、紙や鉛筆、ロールプレイなどで遊ぶゲームになります。

ソードワールド2.5

テーブルトークRPGをご存知ですか?
RPGって、オンラインのコンピュータゲームを想像されると思いますが、こちらが指しているのは、
アナログなゲームです。テーブルを囲んでトークして遊ぶロールプレイングゲーム(RPG)という
意味
です。更に分かりやすく説明すると、KADOKAWAにはゲーム事業があり、そこに関連
した本を出すのが、富士見ドラゴンブック
というわけです。ゲーム事業については、
後ほど記載します。

(9)電撃文庫
ライトノベルの代名詞でシェアも高い。とはいえ、色々あって違いが分かりませんね。スニーカー文庫、ファンタジア文庫、電撃文庫の違いとは?

ソードアートオンライン

電撃文庫・富士見ファンタジア文庫・角川スニーカー文庫作品種やターゲットに違いはありません。
全てがライトノベルレーベルです。
違うのは元々の取り扱い会社だけ。
正規のKADOKAWAか、富士見書房か、メディアワークスか。ただそれだけです。わかりにくいですが、ベースは同じです。統合すればいいじゃん。
その気持ちも分かります。しかし、吸収合併をして、いきなり編集方法を統一させるって無理なんですよ。香港が英国から中国に返還されたときも、
香港は一定期間中国に馴染むため、特別行政区
となりましたよね。それと同じです。

もう一つの理由は、社内で競争を起こすこと。
同じジャンルであれば、必然的に売り上げを比べられるので、競争関係となりますよね。そうすることで、お互いを高め逢うことを狙っています。

電撃文庫はライトノベルでも国内シェア上位の
ヒット作を多く持つライトノベル文庫です。

ソードアートオンラインはもちろん、
魔法科高校の劣等生、とある魔女禁書目録、
キノの旅、狼と香辛料、ロウきゅーぶ!など。
KADOKAWAの作品が好き!という方は、こちらに当てはまる方も多いのではないでしょうか。

ではなぜ、電撃文庫はヒット作が多いのでしょう。
理由はいくつかあります。

〜【1】電撃大賞による新人発掘〜
電撃文庫の特徴は、所属する作家の多くがKADOKAWA主催の新人賞「電撃大賞」からデビューしています。新人重視は「新たな才能を見つけ
出す」という編集部の方針
に基づいており、
既存の人気作家を起用する他社とは一線を画しています。そうした方針に比例して、新人賞の応募者は年々増えているため、相乗効果があると言えます。
下記のサイトを見ると変化が分かります。

こうした戦略はジャンプに似ていますよね。

〜【2】編集の裁量権が大きい〜
編集者に大きな裁量権が与えられています。
何とびっくり作品の編集会議は存在せず、編集者はすべてを任される代わりに、非常に重い責任を
負って作品と向き合う
のです。なぜそのようなことをするのかと言うと、上の人間が「だめ」と言った作品がヒットするということは現実問題起こりうるからです。あのドラゴンボールの初代編集者・
鳥嶋和彦氏が編集長になった際、ワンピースに
2回バツをつけた話が有名ですが、こういったことを示しているのでしょう。

ゆえに、例えば新人賞で最終選考に残らなかった
作家でも担当の目にとまればデビュー可能
等とし、そこからヒットに繋げています。
「とある魔術の禁書目録」の鎌池和馬氏や、
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の伏見つかさ氏はこのような形で、編集者に声をかけられ、
その後“売れっ子”となっています。

(10)メディアワークス文庫
2008年にKADOKAWAが株式会社メディアワークスを吸収合併して以来、2009年から創刊された文庫で、コンセプトは「ずっと面白いを求め続ける大人たちへ」。内容としては、同じくメディアワークスが運営していた電撃文庫の読者(子ども)が大人になっても読める作品というコンセプトです。

ビブリア古書堂の事件手帖

メディアワークス文庫は電撃文庫を読んで
大人になった、かつての子どもたちをターゲットに
設定して展開している文庫となります。
そのためポジションは「ライト文芸レーベル」
ラノベと文芸書の中間となっています。
よく作りますよね。
メディアワークスは角川一族のお家騒動で春樹氏に追い出された、角川歴彦氏が創った企業です。
こうした背景もあって、メディアワークスを作った歴彦氏がライトノベルにおいて功績が多いと
言われているのです。

(11)ファミ通文庫
株式会社エンターブレインが吸収合併されて、KADOKAWAで取り扱いが始まったライトノベルの文庫です。ヒットしそうなラノベ会社を吸収合併しまくっていますね。

バカとテストと召喚獣

いやー、多い。ファミ通文庫はTRPGによった
ラノベって印象があります。ただもうベースは
他と変わりません。既存エンターブレインの人たちが編集をしているので、そうした関係で同じラノベ
でも文庫の種類が異なるだけです。

とりあえずライトノベルに強い会社をKADOKAWAは吸収していて、ライトノベルという分野において非常に強い。それだけは覚えてください。

このように各文庫について、簡単にまとめましたが
まだまだ特徴はあると思うので、ぜひ調べてみて
下さい。ちなみに、下記の記事にある書籍は
おすすめです。ちょっと古いですが。

- ライトノベルについて

さて、ここまで読んだら、KADOKAWAにおいて
ライトノベルがいかに主力であるか、よく分かった
のではないでしょうか? ここからは、KADOKAWAのライトノベルについて記載します。

みなさん。冒頭に角川一族について
記載した内容を覚えていますか?
角川兄弟によって、国文学の枠組みから広げられたということです。さて、ここで競合他社となる
総合出版について考えてみてください。
集英社や講談社、小学館は、この時点で既に
総合出版の道を切り開いていました。

つまり後発中の後発であるKADOKAWAは
王道の漫画、総合週刊誌において、すでに寡占状態の市場に乗り込まざるを得ない状況でした。
ゆえに、テレビ情報誌の『ザテレビジョン』や、
パソコン誌の『コンプティーク』、アニメ誌の『月刊ニュータイプなど、マイナーなところから切り込むしかありませんでした。
このようにして、他社との差別化が必要であった
背景からライトノベルの源流が生まれます。
それが、「ロードス島戦記」です。

記事にもある通り、ライトノベルでよくある、
ファンタジーは、本作が発売された1980年代
当時はまだ、ファンタジーといえば海外作品の翻訳が大半でした。そこに登場したのが『ロードス島戦記』であり、これが日本ファンタジー界の金字塔として大ヒット。それ以降の小説に限らず、
ファンタジー系のアニメやゲームの礎になったと
言っても過言ではありません。

これのヒットを受けて、1986年、角川では、
書き下ろしのオリジナル文庫をリリースするフェアを展開します。当時、文庫は書き下ろしではなく、
雑誌連載や、単行本として他社から出たものを
再販することが一般的だったので、これが大きく
ヒット
するのです。人気作家の書き下ろしがそのまま文庫になって販売されました。ヒットの一因には、フェアをすることで本棚において、角川の占める割合が増えるので、書店に置く視覚的な面積が
増えて、結果売り上げに繋がる
ということでした。
現代と違って、書店も潤っていたので、
書籍が増えることは受け入れられたのです。
この文庫が後の角川スニーカー文庫へ発展します。

そして、活字に頼らず、漫画のようなイラストも
入れた読みやすい(ライトな)小説が生まれます。
メディアミックスが得意な角川らしいです。
しかし、当初は行き詰まっていました。

なぜか。
人気作家や作品に頼る体制だったからです。
そこで始まったのが、電撃大賞です。
当時、富士見ファンタジア大賞もありましたが、
選考員は非常に優秀で厳しい反面、電撃大賞は
先ほど記載しましたが、大賞も与えるし、賞から外れた人も作家として育てる構図にしたのです。

ジャンプに似ていますね。
こうした戦略でライトノベルが大きくなりました。
ここまで簡潔に述べましたが、下記の対談がすごくお勧めなので、ぜひ読んでみてください。

鳥嶋さんは結構色んなところで対談しているので、
調べてみると良いかもしれません。
めちゃくちゃ勉強になります。

最後に最近、題名が長いコンテンツが
多くありませんか?
特にライトノベルは長いですよね。

本作の題名は54文字

このながーいタイトルのきっかけもKADOKAWA。
電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のヒットを受け、説明口調にしたタイトルが
受けるということが証明されました。

そうして、この流れは実用書など他ジャンルに
まで影響するようになっています。

インターネットが出てきて、情報量が増えていますよね。今の時代は江戸時代の人間が1年で入手する
情報を1日で入手していると言われています。
つまり、それだけ選ぶものが多いのです。ゆえに、タイトルから説明してあげないと、手に取ってもらえない。そうした可能性も想定されるわけです。
それに長くても略せば短くなりますしね。

- ライトノベル市場

えー、てことはKADOKAWAのラノベって
儲かっているんだ!いえ、違います。

文庫は以前下がっている

確かにライトノベルにおいて、KADOKAWAは
強いです。しかし、日本全体を見ると、文庫は右肩下がり。つまりラノベの人気も廃れています。
「若者のラノベ離れ」で検索してください。
たくさん出てきますよ。

ちなみに、KADOKAWAでは昨年欧州でライトノベルに力を入れていくことを発表しました。

こうした海外戦略については、一つ前の業界分析で述べているのでぜひ参考にしてください。

さぁ、ライトノベル志望のみなさん、
どのような改革が必要か考えてみてください。


- 特徴・強み③

最後に海外戦略についてです。
総合出版全てに言えますが、海外戦略は今や主流であり、ホットです。押さえておきましょう。

- 海外企業の買収

最近、話題になったニュースをご存知ですか?
小学館が海外向けのAI翻訳に乗り出したことです。
(詳細はnote4大出版編をご覧ください。)
上記は2024年の動きとなります。
そして、もっと早く同じ事業に乗り出した会社が
あります。KADOKAWAです。

2021/4 KADOKAWAがJ-Novel Clubを買収
KADOKAWAはBOOK walkerとの親和性を鑑みて、日本のライトノベルの翻訳版の英語電子出版とサブスクリプションサービスで展開しているアメリカの企業を買収しました。

http://animationbusiness.info/archives/11253

やることがはやいですよね。
J-Novel Clubは、日本のコンテンツの翻訳版を、
電子書籍として、サブスクリプションサービスを
展開しているアメリカの会社です。

上記サイトをご覧いただければ、分かるかと存じますが、日本人から見てもUIがシンプルで、
見やすいと思います。
こうした動きがなぜ大切かというと、日本と同じ
速度で海外にコンテンツをお届け出来るという
メリットがあります。加えて、デジタルを活用
すれば、英語圏の幅広い国々の人々に同時に
届けられるというわけです。

実際に2023年には欧州進出が決まりました。
着実に手を伸ばしています。
ただ、上記が許されるのは、英語圏かつお金が
潤沢な米欧のみです。世界を見渡すと他にも
国はたくさんありますよね。ゆえにその数の分だけ展開方法は異なります。ということで、一旦
アジア圏の戦術に注目してみましょう。

2024年2月 
インドネシアでの漫画とライトノベルの翻訳・販売を開始。既に進出しているタイ市場で培った紙中心の販売ノウハウを生かして、東南アジアで先行する韓国勢の「縦読み漫画」に挑む。KADOKAWAは、同国の出版大手グラメディア・アスリ・メディアとの合弁会社設立させ、イスラム教徒に配慮しながら、本格展開に切り込んだ。

日本経済新聞より要約

直近ではこのような動きがありました。
読めば分かるかと存じますが、海外展開というのは
一概に「海外」でまとめてはいけません。
例えばイスラム教徒が多い国だと同性愛はNGです。
韓国向けの漫画には、旭日旗模様が許されないように、国ごとにしっかり精査しなければいけません
ただ、あくまで私もあなたも日本人です。
だから、海外のことなんて、現地人に比べれば知りませんよね。というわけで、現地企業の力を借りることが必須になるのです。
ちなみにこのインドネシアで作られた合弁会社の
資本比率をご存知ですか?
KADOKAWA:グラメディア=51 : 49
1%だけ、KADOKAWAの方が比率が高いです。
たった1%、されど1%
KADOKAWAの意見の方が有利になります。
こういうところも見ていくと面白いですよね。

さて、インドネシアではどのような展開をしているのでしょうか?簡単に解説しましょう。
東南アジアでは書籍流通において、小売や卸業の方が手数料を有利に動かせます。つまり、流通会社を挟まなければ、利益は本来2倍です。なのでKADOKAWAは、「通販」に目をつけました。
KADOKAWAのプラットフォームを通して、
通販サイトで書籍を購入するスタイルです。

この通販においては、書籍に特典としてグッズを
つけるなどして、付加価値を与え、顧客基盤を
頑丈にしています。価格設定は3000-5000円で
書籍の倍の設定だそうですが、それでも儲けは
高いそうです。戦略ですよね。
このようにして、色々な形で海外に展開してます。

他にも台湾や韓国など、様々な国に展開をしているので、一つ一つ調べて把握することをお勧め
します。日本は少子高齢化が進み、人口が減って
いるので、ユーザー数の増加が見込めません。

だから海外展開するしかないのです。そんな背景
から、こうした実態はぜひ、調べてみてください。


- 出版以外の事業について

各セグメント

多いですね。それぞれについて、簡単に述べていきます。なぜ簡単かというと、出版とは些かズレるからです。ただ、そのあとのメディアミックスにはつながるので、記載していきます。

- ゲーム事業

ELDEN RING

さて、KADOKAWA発のゲームといえば、ELDEN LING ですが、厳密に言うと他の会社が作って
います。具体的に言うと、フロムソフトウェア
というグループ会社です。

https://www.fromsoftware.jp/jp/

夏野氏就任前は、豊富なIPを抱えながらも、
ゲーム化はほとんどライセンスアウトに頼っていました。しかし夏野氏就任後は、ゲーム事業推進室という部署を中心に、自社IPのゲーム化を進める新体制を敷いています。KADOKAWAが舵を切って、
IPを活かして、ゲームを作るという構図
です。

決算発表

今年は減益でしたね。
前年度、ELDEN LINGが大ヒットしたので、
マイナスなのは仕方ないと思います。
ゲームって難しいんです。製作側はヒットすると思っていても、結局、買うのは一般庶民なので、売れる売れないは委ねられてしまいます。

サイバーエージェントのゲーム事業なんて、
それが顕著です。ただし、KADOKAWAのゲーム事業は少し違います。原作→アニメ→ゲームの順で
ベースは展開している場合が多いので、ある程度の
ファンは見込めるのではないかという戦略
です。
そうしたゲーム事業は実際に、投資家からも
期待されているようで、サイバー攻撃で下がるかと思われた株価も、さほど下がりませんでした。
日経新聞では、ゲームへの期待を一つの
要因として、分析していましたよ。

こういう感じ

つまり、IP拡大の一手としてゲーム事業がある
と思って頂ければと存じます。
ゲームってキャラクターデザインとかは、アニメを
ベースにしておけば良いので、ある程度ベースが
あるゆえ切り込みやすそうですよね。
漫画やラノベの中から、このシーンをゲームにしたら?そんなふうに発想を広げてみると良いかも
しれません。ちなみに、今ライトノベル業社のように、ゲーム会社の吸収をどんどんしています


〜KADOKAWA×アークライト〜

〜KADOKAWA×VIC GAME〜


- webメディア事業

Webサービス

サイバー攻撃があったので、今年は軒並み
減収など思ってください。その上でKADOKAWAの
Webサービスについて、順番にまとめていきます。

(1)カクヨム
コンセプトは「書ける、読める、伝えられる」。自由なスタイルで物語を書くことができ、サイト内のたくさんの物語を読むことができ、お気に入りを他の人に伝えることができるwebサービスです。

https://kakuyomu.jp/guide
できること

カクヨムは厳密に言うとKADOKAWAだけの
サービスではありません。株式会社はてなと
共同開発をしたwebサービス
です。とはいえ、KADOKAWAが絡んでいるので投稿コンテスト
(カクヨムweb小説コンテスト)がしっかりして
おり、大賞受賞者は書籍化の権利を手にできます。
また、KADOKAWAの一部人気作品について、
二次創作の投稿を公式に認めて
おり、新しい形での創作活動を支援しています。
 
せっかくなので、しっかりまとめましょう。

〜収益構造について〜
ロイヤルティプログラムとサポーターズパスポート

ロイヤルティプログラム
書籍化に至る前、つまりweb小説の段階で作家が収益を得られる構造になります。作品閲覧数を上げてもらって、広告収入を書き手に分け与える構図です。簡単に言えば手数料ビジネスですね。

サポーターズパスポート
上記は書き手向きでしたが、こちらは読み手向きのサブスクリプションになります。月額料金を支払うと、広告が非表示になります。更にギフトが付与されます。ギフトというのは、作家を応援する機能です。スパチャみたいなものなので、ギフトを送ると、作家はリワードをゲットできます。

よく出来ていますね。
実際、動画サイトにはこのような仕組みが多い
ですが、小説投稿となると、このようなものは
中々ありませんでした。画期的です。
2021年には総広告収入で1億円を突破したようです。

長編も短編も、プロでもアマチュアでも、
どんなジャンルでも、小説を書けるというのは
これまで中々なかったと思います。
実際、これが出た時、画期的だという反応が多かったように感じています。ちなみに最近では、「カクヨムネクスト」というサービスが出来ましたよ。

カクヨムネクスト
KADOKAWAの編集者が、「読んで損なし、絶対的な面白さ!」と太鼓判を押す作品のみを集めたサブスクリプションサービスです。どの作品も、すべてここでしか読めないオリジナルの独占配信作品です。書店店頭に並ぶ前に、読むことができるので、トレンド発信基地となってくれるだろうという期待も込められています。

課金が必要なので、私自身は使ったことがありませんが、こうした新しいサービスっていうのは、
使用者の声がまだまだ少ないので、
改善点が多い可能性が高いです。

ゆえに、就活でも使いやすいかもしれません。

(2)ニコニコ動画
KADOKAWA版YouTube。異なる点といえば、明確でしょうが、コメントがリアルタイムに動画上に流れるスタイルです。治安悪そうですが、画期的ですよね。しかし、最近は衰退しています。有料会員も半減しつつあるなんて言われていますよね。

一時期は一才を風靡したニコニコ動画、通称ニコ動。あの米津玄師も最初はニコニコ動画から始まりました。しかし最近も、あなたの周りでは
使用されていますか?残念ながら聞きません。
とはいえ、KADOKAWAが参入したのだから、何かしらの狙いはあったはずですよね。
というわけで簡単に記載します。

みなさんは、ニコニコ動画初期を知っていますか?
初期のコンセプトは、動画に対してユーザーが
リアルタイムでコメントを投稿し、それが動画上
に直接流れるという、視聴者参加型の動画共有
サービス
でした。面白いですよね。
単純な仕組みですが、もっと細かくまとめると、
本当はクリエイター育成の場として活用したかったのです。コメント(視聴者参加型)を重視すれば、
自然とコメントの量は多くなると想定されます。
それがフィードバック的な意味合いにもなり、
相乗効果を生む。こんな感じです。

しかし、上手くいきませんでした。
なぜなら、動画配信者は作家や漫画家と全然違ったからです。作家や漫画家は、どんなに実力が
あっても、出版社の力が必要不可欠となります。
でも、YouTuberっていかがですか?
勝手に始めて、勝手に成長して、勝手に独立していますよね。つまり、動画配信はある程度の自己ブランディングさえあれば何とかなります。
KADOKAWAは出版のプロではありますが、
動画(インターネット)のプロではありません。
ゆえに回り切らなかったのです。

更に、コメントを解放しすぎて治安の悪化(荒らし)が目立ち、質が悪そうな見え方をしてしまいました。そうして、インターネットのプロGoogleには絶対に勝てない状況となっています。

よって以下のような理由で衰退しています。

  1. 稼げない・荒れるの2点による実況者離れ

  2. YouTubeやTikTok の台頭

  3. 度重なるUIの変更

  4. イベントなどの高額投資
    ざっと挙げるとこんな感じです。
    YouTubeにおいては、コンスタントに新しく有名になったYouTuberが出てきますが、ニコニコ動画っていかがですか?ニコ動においても、配信者向けの収益構造はあります。しかし、ニコ動を通して有名になった人はあまりいません。言い換えれば、やはりYouTubeよりは稼げないため、クリエイターは自ずとYouTubeを取ると言えます。
    就職活動のあなたが、ニコニコ動画の改善点を
    列挙するのであれば、確実にYouTubeやTikTok、Amazonなどと比較して考えることが
    最も簡単です。なので、余裕がある方は、
    実際に使って、手で動かしてみてください。

ちなみに2017年近辺のニコニコ動画は、
無料視聴もできるものの、月額料金を支払わないと高画質の動画をスムーズに見ることはできないというものでした。これってどうですか?
私の場合、最初の映像が悪かったら、
YouTubeに行くだろうなと思います。

下記の方が利用推移をまとめているので、
ぜひ参考にしてみてください。

最後に、ニコニコのイベントといえば、、

「ニコニコ超会議」

ですよね。ニュースにもなります。

ニコニコ超会議
年に一度開催するKADOKAWA最大のイベント。2024年は2日間で12万5362人が来場。2023年の11万8797人を上回る結果となった。ユーザー出展者も前年の6.8倍の900組に達し、併催イベントを含めた総出展者は1131組に到達。ニコニコ超会議史上最大となるイベントになったという。

https://www.famitsu.com/article/amp/202404/3870

イベント志望のみなさんは、要把握とした上で
余裕があれば就活と被るかもしれませんが、
足を運ぶことをお勧めします。
コンセプトは通常、ネット空間にしかないニコニコ動画がリアルに舞い降りたというような感じです。
言い換えると、ボーカロイドや歌ってみた/踊ってみた動画、ゲームの配信者、コスプレ、VTuberなど、様々なクリエーターがリアルに出展しています。

これがいわゆる、ユーザー出展ですが、
KADOKAWA側の企画もかなり豪華です
例えば、毎年登場する小林幸子や、堀江貴文による宇宙系の企画など、盛りだくさん。
そこで一つ、ミッションを与えましょう。
ニコニコ超会議2026で企画を立てるなら、
あなたは誰を呼び、何をしてもらいますか?


ぜひ考えてみてください。


意外な視点として、下記の参加社をご紹介。
三井化学さんです。

面白いですね笑
ざっと、メイン2つを列挙しました。
他にもWalkerplusや、onenewsなどありますが
サーバー攻撃で開かなかったりするので、
今回は割愛します。webメディア事業に興味がある方はこちらも抑えてくださいね。

- 教育・Edtech事業

色々ありますね。すごいです。

決算資料

ここはさらっと。
みなさん、ここまで読んできてお分かりかと
存じますが、この会社はとにかく自社もしくは、
グループ会社で完結させたがり
ます。それが
総合出版ではなく総合メディアと名乗る所以です。
クリエーター人材を育成することは、自社の
将来投資に繋がり
ます。Edtechへの参入は、
消滅が予想される紙の教科書事業への布石
です。

人材育成で有名なのは下記2つ。

どちらもかなり有名です。
個人的には凄い取り組みだなと感心するばかりです。だって、ここで育った彼らが、他の会社や事業を起こしたとて、彼らの個人情報をKADOKAWAはある程度抑えているので、その時点で、将来協業しやすい環境(KADOKAWAにとってのメリット)をしっかりと抑えています

次にEdtech。

EdTechは、Education(教育)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、テクノロジーを用いて教育を支援する仕組みやサービスを指す。具体的には、生徒向けの学習支援システムや教師のための授業支援システム、英会話やプログラミングなどをインターネット上で学習することができるサービス、学校での利用を主眼に置いたSNSなど。

https://www.ntt.com/bizon/glossary/j-a/edtech.html

とはいえ、KADOKAWAはシステムなどは作っていません。私が調べた限り、知っている限り、N高等学校など自体をEdtechと位置付けています。
なので、授業を円滑化するネットワークやシステムとは少しズレるのでお気をつけください。



いかがでしょうか?
次回は集英社について記載していきます。
ハート、よろしくお願いします♡

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