プーチンが恐れたもの
2024年 2月22日(木)
今日の景色…
〈気になる記事・後半…〉
大統領選で再選確実視されているのに…なぜプーチンはあれほどナワリヌイ氏を恐れたのか
(記事本文抜粋…)
■ プーチンはナワリヌイ氏を名前で呼んだことがない
「プーチンのエゴは巨大で、3月のロシア大統領選に立候補できなくても彼と人気を争うような人物が生きていることに耐えられなかったのだろう。ロシアではさまざまなことが起きているが、現在の悲劇の大きさは想像もできなかった。それが今後数年でどこまで膨らんでいくのか。プーチンが存在する限り、ロシアは地球上で最悪の場所だ」(マリヤさん)
2006年、致死性の放射性物質ポロニウム210を盛られて暗殺されたFSB元幹部アレクサンドル・リトビネンコ氏の妻マリーナさんは筆者のインタビューに応じ「ナワリヌイ氏の将来について最悪の結末を感じていた。最も厳しい刑務所に送られた時、彼の命はすでに危険にさらされていた。とても悲しく、かつ非常に腹立たしい」と話した。
「プーチンのやることは論理的ではない。プーチンがなぜこんなことをしたのか誰にも理解できない。プーチンはナワリヌイ氏を名前で呼んだことはない。それはプーチンが彼を恐れていたからかは分からない。しかしプーチンは自分より魅力を持ち、人気を集める人物が存在することを常に恐れていたのだ」(マリーナさん)
ロシアの独立系世論調査機関レバダセンターによると、プーチンの支持率は85%。3月の大統領選を心配する必要は何一つない。「プーチンは自分に不利になることは何一つ許容できない。そのためにどんな反対勢力も対立候補をも排除する。パラノイアと呼ぶほかない。ロシアには弾圧を恐れてプーチンに反対しない消極的な支持者がいる」とマリーナさんは語る。
■ 「ロシアは真の民主主義社会とは無縁」
「ロシアは本当の民主主義社会とは無縁だ。ロシア人は民主主義が正しいと信じていない。彼らにとって安定こそがどんな民主主義より大切なのだ。プーチンを支持する人がプーチンを支持していないように見えるのはこのためだ。旧ソ連崩壊と同じような変化が起きれば、また1990年代の困難や苦しみがもたらされると恐れている」(マリーナさん)
プーチンは憲法を改正し2期12年、83歳まで大統領に留まれる。「ロシア人にとって何の意味もない。ロシアの民主主義、憲法、法律、政策はすべて虚構だ。彼らは権力だけを信じている。プーチンに反対を唱えようものなら投獄される。彼らはそれを恐れ、自分たちの権利のために闘うチャンスがないことを知っている。それがロシア社会のすべてだ」(同)
マリーナさんは「ナワリヌイ氏が非常に著名な野党活動家であったとしてもロシアの主要な人口にはそれほど浸透していなかった。しかし彼は、少数派だが非常に活動的でロシアの未来と呼べる若者たちのリーダーで、象徴だった。ナワリヌイ氏の死で何かを変えたいと思っているロシア人たちが結束して闘うきっかけになることを期待したい」と話した。
間もなく3年目を迎えるウクライナ戦争について「一線を越えたプーチンはあきらめることはできない。プーチンの周辺にいる人々はこの戦争で利益を得ている。自由と民主主義を犠牲にしてロシアとビジネスを続ける国や企業に呼びかけたい。これは単なるビジネスではなく、戦争犯罪に関与しているのだ」と語気を強めた。
■ 腐敗の闇に真実の明かりを灯す迫力
プーチンが地球上で最も恐れたのは2大超大国のジョー・バイデン米大統領でも中国の習近平国家主席でもない。1989年のベルリンの壁崩壊と同じように体制を転覆させる大衆蜂起を引き起こす力を秘めたナワリヌイ氏だ。
モナコの39倍の広さで建設に1000億ルーブル(約1600億円)超かかった黒海沿岸の「プーチン宮殿」を暴いた動画は1億回再生された。
自らのノビチョク暗殺未遂では英調査報道機関ベリングキャットの協力で、プーチンの出身母体FSBの化学兵器専門グループの工作員8人の関与を突き止めた。その一部始終を記録した22年のドキュメンタリー映画『ナワリヌイ』が英BBC放送のストリーミングサービスで公開されているので視聴した。
ベリングキャットの調査報道ジャーナリスト、クリスト・グローゼフ氏は、20年8月、モスクワからノヴォシビルスクに向かい、トムスクからモスクワに戻る予定だったナワリヌイ氏の航空機の前後の便の搭乗者名簿を調べた。8人のうち3人がナワリヌイ氏の動きを追っていたことが判明した。その1人は17年からナワリヌイ氏を尾行していた。
治安当局高官になりすましたナワリヌイ氏のオトリ電話にFSB将校の1人は、ノビチョクが投与された方法やFSBの関与、隠滅工作を詳細に証言した。ナワリヌイ氏を乗せた便が緊急着陸せず、そのままモスクワに向かっていれば、ナワリヌイ氏暗殺は成功していた。2017年にも暗殺作戦は実行されていたが、失敗に終わっていた。
プーチンが恐れたのは腐敗の闇に真実の明かりを灯すナワリヌイ氏の迫力だったに違いない。
👉「ロシアには弾圧を恐れてプーチンに反対しない消極的な支持者がいる…」
そんなに彼らにとっては…
安定こそがどんな民主主義より大切なのだという…。
またそんな人たちは…
決して今のプーチン政権を100%支持している訳ではないが、それが崩壊した先には、また旧ソ連崩壊と同じような変化が起き、そして1990年代の困難や苦しみがまたもたらされるのではないかと恐れているという…。
「ロシアの民主主義、憲法、法律、政策はすべて虚構だ…」
これって…
質と程度は違えど…
今の日本の政治にも同じ事が言えるのでは…。
「プーチンに反対を唱えようものなら投獄される。彼らはそれを恐れ、自分たちの権利のために闘うチャンスがないことを知っている。それがロシア社会のすべてだ…」
これって…
今の日本にはそんな投獄されることなど無いにも関わらず、わたしたちが無力を信じ、新しい社会のために闘う勇気がないというのとどっちがどうなんでしょう…。
とにかく…
いずれにしても…
ロシアも日本も…
プーチンも自民党も…
そしてロシア国民も日本国民も…
みんな何らかの「恐れ」や「不安」に「恐怖」といった“視えない何か”に怯えているその“心”があります…。
そしてそれらが…
社会に何らかのマイナスの影響を及ぼしているのは間違いありません…。
あのプーチンにとっては…
この「ナワリヌイ氏」という存在への“恐れ”…。
そしてロシア国民やわたしたち日本国民にとっては…
「保身」という現状維持ヘの“恐れ”…。
それは全部どれも…
「自分のことだけ」
しか考えていないところに問題があるようです…。
『他者のために自分を犠牲にする心と勇気…』
それが…
今のこの時代のこの世界から…
わたしたちみんなに求められていることなのかもしれません…
〈プーチンが恐れたナワリヌイ氏の勇気…〉
〈気になる記事・前半…〉はこちらから…
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