「鍵のない夢を見る」辻村深月著 感想
オーディブルで聞き終わった。
自分の仲の良い友達の母親が、
自分の周りの友達の家に泥棒に入る。
そして、その家の人に見つかる。
でも、町全体が、その人に優しくて、
何年も同じことを繰り返しながら過ごしている。
主人公は、そのようなことを知らなかったが、
あるとき知ってしまう。
周りが優しすぎる集団の中では、
人は甘えてしまうのかもしれない。
泥棒ではないのだけれど、
優しすぎる集団に甘える人がいる。
本人は、そのことに気づいていないし、
気づいているのかもしれないけれど、
それに向き合うのを避けているような気がする。
本気でその人のことを考えるのなら、
私は少々厳しいことを言ってもいいのではないかと思う。
友達にはいいにくいのかもしれない。
同僚にもいいにくいのかもしれない。
寛容すぎるのも限度があると感じた。
本人は、あっけらかんとして
忘れているが、
気づいた人のほうがしんどい思いをする。
それをこの小説は見せてくれたように思う。
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