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不在
起こった事の意味を考えても、詮ないこと。どんな出来事にも意味なんてないと分かっている。ただ物事は起こる。どんなに平穏な毎日が続いていたとしても、いつか何か起こる。私たちの日常におかまいなしに、ある日突然。あるいは何かの結果として。
だから、意味を考えても仕方ないのだけれど、ぼんやりと考えてしまう…考えることをやめようとして、本棚から一冊選び出す。
堀江敏幸
『その姿の消し方』
存在を消した詩人の痕跡を追って、起伏のない静的なエピソードが連なる。詩篇を散りばめて。
不在に関しての考察。
そう、不在とは欠落ではない。逆に存在していたことを強く認識させる。それは、永遠に返事がないことを知りながら、送り続ける手紙…
ページをパラパラとめくり、パリの街角を思い描いては真っ白なベッドの上でまどろむ。眠れぬ夜に。