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はじめての、その先へ #49 カンヒザクラの開花と、冬の嵐
石垣島の冬は雨の日が多い。特に島の西北部沿岸は海人から「雨の通り道」と言われるほどで、冬の北風が強く吹きつけて冬の嵐になることもよくある。
今年は庭のカンヒザクラが初めてつぼみをつけたので、雨が続く中で開花するか心配していたが、無事に濃いピンクの花が次々と開き、今も嵐に耐えている。つぼみの時は5、6輪かと思っていたが、咲いた花を数えると26あった。花が枝先にぽつぽつと咲いている様子は、満開のソメイヨシノのような華やかさこそないものの、風雨に耐えて咲くけなげさは心に沁みるものがある。
冬と言っても、関東のように気温が0度近くなることはまずないし、雪も降らない。東京の家族や友人からは、最低気温が10度より高いのだから大して寒くもないでしょう?と言われる。確かにその通りなのだが、温暖な気候に慣れてしまった身には石垣島の冬の嵐は十分寒いと感じる。特に今年は観測史上最も寒い日、などと天気予報で言われるほどで、庭に出るのもためらってしまう日もある。
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雨風で花や落ち葉が庭に散乱し、雑草はゆっくりと着実に伸びていく。庭木の剪定など、冬なりにやることは山積したままだ。早く天気が良くなれば良いなと願うばかりだ。