
はじめての、その先へ #48 カンヒザクラのつぼみが初めてつく
桜と言えば春のソメイヨシノが定番だが、沖縄では1月のカンヒザクラが一般的だ。沖縄本島の今帰仁城跡ではカンヒザクラが360本も植えられ、桜まつりなども開催されているらしい。八重山地方では荒川地区のカンヒザクラ自生地など秘境的なスポットがある他、県立バンナ公園でカンヒザクラが開花すると地元ニュースで毎年ほぼ必ず取り上げられている。
石垣島に引っ越してすぐにカンヒザクラの花をバンナ公園で見て、自分の庭でお花見がしたい!とカンヒザクラの苗をホームセンターで買って地植えした。植えた場所の土が良くなかったこともあるのか、正しい整枝ができていないからか、小さな苗はなかなか育たず、いつになったらお花見ができるのだろうと毎年のように冗談として話していたのだった。ご近所でもカンヒザクラを庭に植えているお家はあるが、だいぶ長い年月を経た趣きがある大木だ。対して我が家の苗はまだ幹の太さも直径5、6センチ程度の若木。一体、あと何年待つのだろうか、、、⁈

今年のお正月明けも、テレビや新聞でカンヒザクラの開花がニュースに取り上げられた。うちのは今年もまだかなあ、と草刈りついでに眺めると、何と!知らない間にピンクがかった白っぽいつぼみが5つだけできているではないか。ついに、ついに!と大騒ぎして、小さなつぼみを写真に収め、実家の母にLINEする。桜は人を狂わせるのだ。
そうなると今度は、無事に咲いてくれるだろうかと無性に心配になる。折しも石垣島はここ最近、強い風を伴う雨の日が多いのでなおさらだ。毎日庭に出るたびに、日に日に濃いピンクになるつぼみをチェックしては、開花を待ち侘びている。