はじめての、その先へ #6 嫌な虫とも付き合うしかない大自然
昨年の今頃に大量発生していた、赤い頭の黒い毛虫は、今年はまだやって来ない。10月に何度か見かけたが、11月に入ってからは一度も見ないので、今年は大丈夫かなと期待している。セミなどと同様に、何年かの周期があるのかもしれない。
亜熱帯気候の石垣島は昆虫の宝庫で、私も引越してきてからこれまでに様々な昆虫の大発生を目にしてきた。マキの木に卵を産むらしい青とオレンジ色の美しい蛾や、ギランイヌビワの葉を食べるメタリックグリーンの甲虫など、なかなかエキゾチックで見て楽しいものもあった。しかし、家庭菜園や花木の大敵となる害虫もまた数多く発生する。例えばカメムシ一つとっても幅広い種類のものがあり、赤い斑点のある丸っこいカメムシは特定の木の葉だけを食べるので害にならないが、別の身体の細い赤いカメムシはピーマンやゴーヤの実を食い荒らし、実の中に卵まで産みつけてしまう。赤いカメムシは全て無害と勘違いしていた私は夏の間増えていく赤い害虫カメムシとおぞましい虫食いピーマンに悩まされるはめになった。
一方で、一昨年に猛威をふるっていたカタツムリやバッタは、全滅とはならないものの、野菜への被害は減った気がする。ニワトリたちが畑でカタツムリやバッタを捕まえて食べるのをよく見るので、ニワトリが害虫コントロールに一役買ってくれているに違いない。化学農薬を使わないので次は何の虫が大発生するかは常に不確実だが、ニワトリを味方になんとか乗り切っていきたい。