
【詩】宵越しの生
夜風は
絶大な信頼を
一手に引き受けるような
まるで首刑台に立ったわずか一瞬の
安堵感を与えてくれる
本当は
無責任な存在なのに
七つの水は
夜風を歌っても
夜風は
何もうたわない
それゆえ私は生きられた
それゆえ私は生きられなかった
なぜ私は夜を愛する
なぜ私は夜を苦しむ
それでも私は夜風にこの身をさらすだろう
それでも私は夜風にこの身をちぢめるだろう
宵に瞳を凝らし
宵に瞳を閉じよう
仄白い宵越しに私は
きっと生きているだろうから
仄暗い宵越しに私は
きっと生きてはいないだろうから