[掌編小説] 他人事になるまで
バイト先に出勤すると、いつもアホなことばかりしている同年代の同僚二人が仕事もしないで「一歩、二歩……まだだな」と自分たちの足を使って距離を測っているのに出くわした。
こいつら頭が悪い悪いと思っていたらついに鶏のレベルまで知能が下がったのかと思いつつ、一体何をやっているのか尋ねてみると、片方が「どこまで離れたら他人事になるか、調べてるんだ」などと言う。仮にこっちをアホAとしよう。
「ニュースでどっかの誰が死んだよく言ってるけど、あれ全部他人事じゃん」
「いやいや待てよ。他人