気仙沼街道を歩きながらOne10の今後を考える|気仙沼駅・北野神社・気仙沼市役所・海鮮居酒屋うえじ|散策記
「つながるアジアカフェ&nihongo cafe」への参加と併せて散策を実施している。
「つながるアジアカフェ&nihongo cafe」の2月回については、上記の記事を参照して欲しい。
今回の散策コースは上記の通りである。
八日町の辺りが若干被っているが、これまでの散策で漏れていた気仙沼駅から八日町エリアに居たる道すがらとなる。
ちょっとした罠がある気仙沼駅周辺エリア
気仙沼駅の目の前には、ホテルパールシティ気仙沼がある。手頃な価格で楽しめるホテルで、中には評判の良い料理店が入っているため、利用しやすいホテルである。だが、一点大きな難点が存在している。
自治体の中心駅というと、大体の自治体では駅前が商店街になっている。昨今はシャッター街になっているケースが目立つが、それでも幾らか飲食店や飲み屋が営業しているものだ。
ところが気仙沼駅の場合、そうなっていない。確かに徒歩5分程度の場所にダイニングバーやスナック、バーは存在している。存在しているのだが、ダイニングバーは1軒しかなく、スナックやバーにしても片手で数えられる程しかない。
つまり、飲食の選択肢が非常に乏しい。『駅前のホテルに泊まれば、飲食には困らないだろう』と多くの人々は考えるだろうし、取り分けビジネスパーソンならば、半ばそう考えて宿を取るのが常識化していると思う。
しかしながら気仙沼市の場合、そうした考えで駅前のホテルを取ると予定が大きく狂う。何せ、飲食店や飲み屋が数多く集まっているのは、気仙沼駅から徒歩15分〜20分程度の場所にある内湾エリアだ。
ホテルパールシティ気仙沼は魅力的なホテルであるが、ホテル周辺で飲食を楽しもうと考えるならば、そこそこ歩く必要性が生じる点には留意が必要である。とはいえ、内湾エリアに宿を取れば良いかというと、荷物を持った状態での移動が必要になるため、中々判断が難しいところである。
北野神社を歩く
家々が軒を連ねる中を歩いていると、北野神社の鳥居が目に入った。家と家の間の通路といった趣で、興味をそそられる。せっかくなので立ち寄る。
半世紀以上にわたり地域と共に在る友の湯
北野神社を出、八日町商店街へと歩を進める。
旅館の角を右に曲がると、友の湯がある。
半世紀以上にわたって営業している旧き良き公衆浴場である。ちなみに二階は賃貸住宅のようになっているらしい。設備は意外と整えられている。
気仙沼市役所移転後の動向が注視されるOne10の建物
八日町商店街に出て、少し歩くと椅子が一人立ちしていた。自由に座って良いらしい。高齢化が進む社会にあって、町中で座れる場所というのは存外貴重なものである。東京への出張に行く都度、町を歩いていて座りたくなるが、意外と見つけられずに困る。そんな記憶が呼び起こされたとかいないとか。
One10の建物は、気仙沼市役所が撤退というより移転するため、その後どうなるのか動向が気になる存在である。移住者たちの事務所・店舗や東京都内のIT企業・大手企業のサテライトオフィスなどがこの場所に集積されると、全国でも数少ない存在になる気がするが、困難な道行きではある。
困難な道行きではあるが不可能でないと告げるオフィス誘致事例たち
いわゆる企業誘致の一種であるサテライトオフィスなどのオフィス誘致は、中々に困難な道行きである。だが、全国に目を向ければ成功事例がないわけでない。
とりわけ昨今は、首都圏で大規模地震被害が発生した場合のリスクを考慮したバックアップオフィスの整備需要や縮小傾向にあるもののリモートワーク(在宅勤務)で仕事が可能な企業の増加により、地方にオフィスを誘致しやすくなっている。
気仙沼市にもスタートアップの芽が出ており、また気仙沼ニッティングなど話題性のある企業の創出が生じている。また、岩手県沿岸部・宮城県沿岸部でIT企業の集積を実現できているエリアはなく、内陸部を見ても滝沢市や仙台市が努力している一方で、大きな成果を上げられているわけでない。
地域視考でも僅かに触れたが、気仙沼市は岩手県沿岸部・宮城県沿岸部の中で、意外と立地が悪くない。とくに自動車産業や半導体産業が拡大を続ける内陸部とのアクセスが良い沿岸自治体は気仙沼市の他に釜石市くらいしかないのが実情である。
釜石市と比較したとき、やはり仙台市とのアクセスの良さで優位性があり、加えて大きな海水浴場や徳仙丈山・安波山といった豊かな自然を楽しめるエリアを複数持ち、移住者が集まり地域で様々なチャレンジを行えている希有な環境がある。
こうした環境はスタートアップとの相性が比較的良く、誘致を成功させるポテンシャルは高いと見られる。可能ならば工場を誘致したいところであるが、大規模な工場誘致は県との協調も必要と考えられ、スピーディーに動くのは難しくなるため、まずはサテライトオフィス誘致などから始めるのが現実的だろう。
都市部の給与で働く若い人々が集まってくれば、少子高齢化に悩む自治体にとって一筋の光明が生まれてくるだろう。また、移住者たちによって生まれている好循環がより大きな規模で形作られていくようになると思われる。
希望も奇跡も自然発生するものではなく、小さな積み重ねによって創り出すものである。自治体、そして住民の行動に大きな期待を寄せたいと思わずにいられない。
海鮮居酒屋うえじで多彩な寿司を堪能する
散策の後、夜は海鮮居酒屋うえじで食事を楽しんだ。
創作系の寿司を楽しめるお店で知られている。居酒屋と冠しているだけあって、お酒を豊富に用意しているように見えた。日本酒が主である。
お通しのヤリイカが絶品で、ヤリイカを噛む都度、口の中で弾ける卵のツブツブした食感が素晴らしく良かった。お寿司も多彩なネタを一度に堪能でき、その一貫一貫が美味であったため、満足度が高さに唸るよりない。
また、気仙沼梅酒の口全体に広がる甘さが心地よく、これで2,300円程度というのだから、リーズナブルだと感じた。機会があればまたぜひ訪れたいと心より思った。
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