そこに愛はあるんか?
暴力的なまでの言葉
こいつ、やりおったな。そう言いたくなるCMフレーズが世の中にはある。
「やめられない とまらない かっぱえびせん」
「わたしらしくをあたらしく」
「丸くなるな、星になれ」
「カラダにピース。カルピス」などなど。
こんなに短い言葉なのに、朝起き抜け、条件反射的にテレビをつけ、コーヒー片手にぼーとしているこちらに向かって、カウンターパンチを喰らわし目を覚させたかと思えば急激に間合いを詰め、一気に想像力を掻き立ててくる恐ろしい強い力を持った言葉の数々。
一体このフレーズに辿り着くまで、どれだけの文字を使って言葉をつくしたのか?その執着心、そのプロ根性に対して尊敬と共に「いつも不用意にもの喋っててなんかすみません」と言いたくなる時がある。
それくらいCMのキャッチコピーは人の潜在意識に訴えかけてくるものがあり、ブランドイメージを創造するのに一役買っていると思う。
そして私的最近の一位は「そこに愛はあるんか?」である。テレビを持っている方なら一度は聞いたことがあるだろう、アイフルのCM。
現在は、大地真央さんと今野浩喜さんが出演していらっしゃる、独特の世界観がなんとも言えないCMだ。
愛に騙されてはならない
「愛がいちばん〜アイフル〜」などと耳馴染みに良い声で言われると、なんだがとっても良い会社のイメージを持ってしまう。だが忘れてはならない。
あの会社は、大手消費者金融であって愛を売っているわけでない。「24時間365日、WEB完結でお申込み可能な」お金を貸してくれる場所だ。
もちろん金融庁からの許可を受けている、れっきとしたサラ金であり闇金ではない。だがあの言葉の刷り込みはお金に困っている人からすると、かなりの毒なのではないかとも思ったりする。
そこに愛はあるんか?
大地さんには何の罪もないが、そこに愛なんかあるわけがない。だだお金があるだけだ。
もしかしたら誰かから「愛」を得るために、間に合わせで「お金」という名の「愛」を借りる人もいるのかもしれないが。
どうして「アイフル」なんて社名をつけるに至ったのか?そこに疑問を持ち、調べてみるとアイフルの名前の由来は
とあった。なるほどかなり罪作りな会社である。
今日もまたどこかの迷える子羊があのCMの刷り込みで、ふらふらとコンビニのATMに向かっているのかもしれない。
当たり前だが借りたら返さないといけないし、簡単に借りられるものほど金利は高くつく。まあ「トイチ」なんてことはなく、借りすぎなければ問題はないが。
だがきちんとしたストッパー機能がきく人ほど、前もってお金を貯めているもので、そもそも生活費の補填や冠婚葬祭などの急な出費のために、消費者金融を利用する人は少ないのではないか?とも思ったりする。
いずれにしろ「行きは良い良い帰りは怖い」もの。お金には気をつけるようにしよう。あのアイフルのCMを見るたびにそう思うのだ。