見出し画像

CIID Winter School in Tokyoに参加したら純粋なあの頃に立ち返った

デザイナーのふじゆりです。
2月中旬、電通と連携して東京にて開催されたCIID Winter School in Tokyoに5日間参加してきました。

CIIDとは
デンマークのコペンハーゲンに本拠を置く大学院であり、インタラクションデザインの分野に焦点を当てたコンサルタント会社です。(wiki: https://en.wikipedia.org/wiki/Copenhagen_Institute_of_Interaction_Design )

さまざまなクラスがあったのですが、私が参加したクラスは「Inclusive design」というものです。
これを選んだ理由は、カリキュラムがHCD実践型でありながら、ただ手法をなぞって終わりではなく、成果がより現実味ありそうと感じたからでした。

(Inclusive designについて、とてもとても理解が深まりました。その内容についてはまた別の機会に発信できればと思います。。)

ここでは、詳細のプログラムの紹介は省き、実際にうけてみて良かった点、学んだ点をご紹介します。

参加した理由

・国内でよくあるUXデザインやプロセスをなぞるセミナーにはいくつか参加したことはあるが、先駆している海外のデザイン教育ではどのように実施しているのか実感し、盗めるところを盗みたかった

・いろんなひととのつながりをもちたかった

・デザインすること(構想をえがく)と実現していくこと(計画していく)の間に乖離を感じており、どう進めていけばスムーズに連携できるのかナレッジがあるなら知りたかった

実際にやったプログラム(概要)

【Day1】講義。
Inclusiveについての概念、世の中に存在するさまざまなBiasについての紹介。
【Day2】講義とインタビュー。
リサーチの基礎講座をうけた後、「さまざまな課題を抱えている人たちのWorkplaceをどうデザインするか」というテーマが発表された。
車椅子の方、外国籍の方、視覚障がいをもつ方など、5つの軸が設定され、自分が取り組みたい軸で集まったメンバーでチーム化。インタビュー項目を自分たちで考え、あらかじめアサインされていたインタビュー対象者の方に、仕事上での課題ややりたいことをヒアリング。
【Day3】アイディエーション&プロトタイプ。
アイデア発散後、実際手にとって見れるもの、それがどのような仕組みなのかがわかるものをひたすらつくる。
【Day4】フィードバックとブラッシュアップ。
インタビューさせていただいた方にアイデアを発表し、フィードバックをもらいながら、アイデアの角度を高める。
【Day5】ミュージアムとラップアップ。
他クラスがどういうことをやってきたのか、成果とプロセスを見て回る。最後に自分たちのクラスでよかったこと、こうあってほしいことを発表。

運営面でよかったこと

Googleフォトですべてのカリキュラムの様子が見える
自分たちのクラスだけでなく、他のクラスの様子や違う視点での写真が共有されていく様子がリアルタイムに熱量を感じられてよかったです。

facebookでつながってやりとりできる
講師、生徒同士がfacebookでグループに参加する前提なので、必然的にオンラインでのやりとりがしやすくなりました。

日々のアウトプットを見える場所に置いてみんなで蓄積していく

画像1

日々のカリキュラムを体験し、どう思ったのか、どう感じたのかをちゃんと形に残しておくと自分でも気づかなかった変化が見えるので、自分の思考の軌跡もふりかえることができました。
自分だけの考えに収まらず、他人がどう考えているのかが見えるのも刺激になりました。

自分たちの空想で終わらせないように意識できたカリキュラム内容
インタビュー対象の方に自分たちが考えたアイデアに対してフィードバックしてもらう前提だったので、飛躍したアイデアではなく、その人の課題を解決するためのアイデアを実直に生み出すことに集中できたと思います。

学んだこと

強制的に限られた時間内でものづくりすることはアウトプット力の向上につながる

画像2

時間があればあるほど、やれることは増えるし品質もあげられますが、、今回のプログラムでは、時間なさすぎでもなく、ある程度やりきったと思えるバランスがよかったです。

同じ意識を持った人が集まると、自然と会話がはずむ

画像3

休憩中やごはんのときも、自然と話題はデザインのことや取り組んでいる課題についての会話がうまれました。時には夜遅くまで飲みながら熱く語る日もあったり…笑
出会って数日しか経っていないとは思えないほど踏み込んで話せるのは同じ方向を見ているからなのかなと思います。

デザインという言葉を用いた手法やフレームが溢れかえっていて、マッピングすることも一苦労だし、それに明確な答えはない

講義や講師の方の考えを通して、世界にはあまたのデザインがあって、それについての解釈は人それぞれにあるんだと改めて認識しました。
とある生徒が「Universal designとInclusive designのちがいはなんですか?」と質問をしたときに、講師の方も明確にはわからない、と答えていたのが印象的でした。ネットを調べてみてもいろいろな解釈があり…。
今も新しいやり方や解釈がうまれていて、明確な答えはないのだなあと実感しました。
(例:https://medium.com/@brandoctor/why-is-human-centred-design-and-marketing-a-match-made-in-heaven-bedf2bea182b )

その後も続くコミュニケーション

Inclusive designについてまだ不明点があるため、同クラスの人たちと自主的に集まって議論したり、講師の方に連絡をとってより理解を深めている最中です。
研修にとどまらず、継続して考えることができているのも、とてもよいことだと感じています。

まとめ

実際にやってみて、ある程度テーマが絞られた状態で進めていったので、着地点にたどり着きやすかったです。
また、ゴール地点にミュージアムという第三者にお披露目する場があったので、必然的に形にしなければいけなかったのも効果があったと思います。

画像4

海外のデザイン教育の現場では、講師たちのパッションがとても重要なのだと感じました。
どれだけ儲かるのか、ビジネスになるのかという話をしてしまいがちですが、「誰かのためにデザインのチカラをつかう」ことの大切さを、改めて見直すきっかけにもなりました。

仕事以外で共通言語としてデザインの話ができる人々とのつながりもできて、私にとってとても重要な出来事になりました。

CIIDはSummer schoolも実施しているので、興味がある方はぜひ調べてみてください。

written by ふじゆり
ウェブデザイン、グラフィックデザインを経て、現在はISIDのUXデザイングループでUIデザイナーをしています。情報設計まわりを整理することだけでなく、いろんな人と話し合いながら、ものづくりをしていく過程が好きです。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集