変わらないもの
20代半ばの頃、仕事が急激に忙しくなり、
毎朝6時には出勤し、退勤は夜遅く、
土日もないという状態が続いたことがあった。
若かったので、割と平気と思っていたが、
体は悲鳴を上げていた。
忘れもしない秋頃、
最初はおでこが真っ赤になり、
にきびがいくつかできた。
それまではあまりできなかったので、どうしたのかなーくらいに思っていたけど、
翌日にはそれが顔全体と首にまで広がっていた。
絶望だった。
目の周り以外すべてにきびだらけになってしまった。
毎朝鏡を見ては泣きたくなった。
元々自分の顔がそこまで好きではなかったが、大嫌いになった。
それからはマスクが手放せなくなった。
どんなに暑くて息苦しくても顔を半分以上隠すことが重要だった。もちろん蒸れがにきびによくないことは知っていたけど、マスクをしないと、とてもではないが人前に出られなかった。
にきびのぼこぼこが余計に目立つので、ファンデーションは塗らず、日焼け止めのみ。
皮膚科でもらった薬も全く効かず。
なるべく下を向いて歩いた。
それでも、
「今の人の顔やばっ…」
など、心無い言葉を言われたこともある。
好きでこんなふうになったんじゃない!
泣きたかった。
度重なるケミカルピーリングでにきびは少しずつ良くはなったが、今度はひどい乾燥肌になってしまい、毛穴やしわが目立つようになった。
そして憎らしいことに乾燥するとまたにきびができてしまう。
私は一生にきびまみれなんだ…と絶望していた。
当時付き合っていた今の旦那と出かける時はものすごく落ち込んだ。旦那はこんな汚い顔の私といて、恥ずかしくないのかなと思っていた。申し訳ないと思った。私が言うのは変かもしれないけど、旦那はそこそこ整った顔立ちをしていて、どうして私と付き合ってくれるのか疑問だった。
でも、旦那はそれまでと変わらず、私に接してくれた。そして、思っていることを話した時も
「気にしてなかった」
と言ってくれた。そんなはずは絶対にないんだけど、その言葉にとても救われた。
そして食事改善と、自分に合う化粧品に出会えたおかげでにきびは嘘のように沈静化し、荒れ過ぎて変色してしまっていた首の色も元に戻った。
肌荒れがひどかった時期は、生きているのもつらかったし、何より人が集まる場所が怖かった。だけど、外見が変わってしまっても変わらず接してくれる人もいて、そういう人たちこそ大切にするべきだと学んだ。
特に、旦那には本当に感謝している。
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