「どうして入社したんですか?」
大手飲食チェーン店に就職した私。
まずは現場=店舗で経験を積む。女性社員は珍しがられるため、店のアルバイトさんからよく見出しのような質問を寄せられる。
大学3年の時から学内セミナーや筆記試験対策講座を受けてきた。
「嗚呼やらなきゃいけないんだ」
いずれやって来る就活シーズン。まだ先の事だと思っていたのがいつの間にかそのゲートを通っていた。有名な就活サイトで気になる企業を探したり、会社説明会に参加したり。とりあえず当たっていった。けれどどれもピンと来なかった。唯一興味を持っていたクリエイティブ系の仕事は、提出したエントリーシートが悉く蹴落とされ断念。職探しのベクトルを飲食業に転換した。
実家から通える範囲で飲食業の何社かを当たった。最終選考の面接までこぎつけた会社は、後に私に冷たい通知書を送りつけてきた。
もうどうでもいいや、って思った。
当時、地元のコンビニでアルバイトしていた。よく働いていた。人手不足の店で、プライベートも削って働いていたからしばらく労働はお休みしてから何か仕事を探すのもいいかも、と開き直ろうとした。
そんな時、何となく見つけ、だめ元で何となく面接を受けた会社から採用の知らせを受けた。初内定に浮かれた私は、入社を決めた。
まあ、頑張ってみよ。くらい軽い気持ちで。
だから例の質問にはいつも、「何となく」という、聞いてきた人を満足させたり面白い印象を与えたりはできない回答をしてきた。
入社を決めた時は納得したけれど、いざ現場に立つと、毎日忙しさに振り回されて、充実感なんてまるで感じられなかった。右も左も分からないのに自分やそれ以外に吐き出される罵声が目立ち、最初の配属店舗は居心地が悪かった。
ゆえに、辞めたい気持ちが私の中で生まれ、急速に成長していったのだ。
「何となく」では通じないこともある。
「何となく」で気づく希望もある。
もっと就活に真摯に向き合っていれば。
もっと自分の心を見つめていれば。
大学卒業後の進路が就職だけじゃないと、
自信を持てていれば。
こんな後悔が1つずつ芽生えていった。
その代わり、その後悔を癒す事をやっていこう。
社会人、仕事だけが全てじゃない。色んな生き方があるんだ。って事も早く気づいていれば…。様々な思いを知りつつ、実は今日まで仕事を続けてきた。「何となく」でも続いていた。
特にメッセージ性はないけれど、こんな生き方を選び、考えた人がいるんだと思って頂ければ十分です。
最後に。
この夏、詩島は退職します。