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121年後の君へ

「121年後、ジャックと一緒に無人駅になった君を盛り上げることになる。」

誰も信じないエピソードだ。

もし僕が当時の君だったら

「悪くないな。きっとずっと変わらないなんてないから。」

なんてカッコつけてしまいそうだ。

1時間に一本くればいい電車がたまたま来た。

この駅は名を大隅横川駅という。

1902年に建設されたそうだ。

現在は無人駅として活躍している。

たまたま出会えた。

僕は電車には詳しくない。

たまたまバイクでやってきて、たまたまホームに電車が止まっていたところが見れた。

この駅には何回か来たことがあるがホームに電車が来たとこは初めて見た。

正直、感動した。

駅のホームにピアノがあるのだがそこで地元の方が演奏していた。

曲名は川の流れのようにだったと思う。

この音と風景がずっと続けばいいと思った。

とても優しい雰囲気があたりを包み込んでいた。

出発していった。

もうすぐハロウィンだ。

まさかハロウィンの飾りつけをされるだなんてこの駅も思いもしなかっただろう。

ジャックが見守るポスト
顎どないしたんや。

ハロウィンのなんて僕が子供の頃はなかった。

もしあったら僕は間違いなくお菓子王の称号を得ただろう。

地域のお店に行っては

「トリックオアトリート」

と連呼し、少しだけ変装を変えて2週、3週と回るだろう。

僕はそんな奴だ。

この窓から見える景色は…

この窓も使用しなくなってずいぶんと経つのだろう。

もし当時この窓から僕のような悪ガキがいたらきっと怒られていたのだろう…

なんて考えてしまった。

多分、似たような窓から実際怒られた経験があるのだ。

それでも体は大きくなり、時間を重ねるにつれて僕は「大人」になった。

これからも時間を重ね続けて大人になっていくのだろう。

この体も、心も、飾りつけをしてもらえるこの駅みたいに愛されればいいのだがそうは簡単にいかないだろう。

まさか!!なんてことは日常茶飯事だし、121年という時間の中で平和な時間が多くはないことをこの駅が教えてくれる。

機関銃の後はつけたくないけど、僕らもそれなりに傷の跡がついている。

いつかこの駅のようにその傷が愛される一つの証として残ればいいな…

なんてちょっとノスタルジックな想いを抱いてしまった。

あなたのサポートがあって今日も生きてます。ありがとう。