失ったもの。
おやすみなさい。
もうそろそろ、時間です。
私の中の大切な、大切だった、
繊細で光を纏って輝いていたものは、
亡くなってしまうでしょう。
もう貴方の何時もの難しい言い回しは
理解出来ません。
もう貴方が観ているのと同じ世界を観ることは出来ません。
もう貴方と同じ温度で美しいものを美しいと言えないことは、
とても哀しいです。
貴方とどうやって話していたのかも、上手く思い出せないのです。
それでもここからまた、
前進しているのか後退しているのかすら判らないまま歩き続けることだけは誓います。
そんな愚かな私のことは、忘れてください。
いいえ、憶えていてください。
いつかまた、出逢えて良かったと.......