天津に来て「煎饼果子」食べなかったら、天津に来たことにはならない。
天津に住んでいる前ちゃんが今日も、美味しいものを紹介。
前ちゃんの美味しい(おいしそう or たぶんおいしい)食事報告レポート。今日紹介するのは、天津の食べ物といえばコレ!「煎饼果子」。まずは発音からチェックしましょう。
煎饼果子 jiān bǐng guŏ zi
発音から見た難しさは★★☆☆☆(2つ星)レベルです。難しいのは3声発音が並んでいることです。単語が二つ並んでいて、3声+3声の場合は、前の発音が便宜上、2声になり、2声+3声になるのですが、今回の単語は煎饼+果子と二つの単語を組み合わせて作っているため、3声+3声は据え置きになります。
だからといって、2声で通じないかと言われれば、そんなことはありません。超有名なものは、ちょっとぐらい間違っても、相手には通じます。だって、有名ですから。
煎饼 jiān bǐng…「餅」を「煎る」です。中国語の「餅」は基本的に、薄皮クレープのようなもの(今回は緑豆が磨ったもの)と思ってください。
果子 guŏ zi…これは油条と同じです。小麦粉を練って細長くしたものを油で揚げたもの。煎饼果子には二種類あって、「果子」を入れるか「果篦儿」を入れるかの究極の選択を迫られる。
上の写真が油条である。これを入れた煎饼果子はフワフワになり、クレープに包まれた(甘くない)柔らかいパンを食べているような食感が生まれる。
これに対して、今回食べたのは果篦儿(guŏ bì ér)と言われるサクサクのクラッカーを入れた煎饼果子である。
フワフワのクレープに包まれたサクサクの食感が交差し、なんとも言えないハーモニーを出してくれる。サクッフワのコラボはどこでも間違いのないもの。餃子のパリと中のジュワー、クラッカーとチーズの組み合わせ、ミートパイなどもそうであろう。サクサクを味わうと病みつきになってしまう。
それに加えて重要なのが調味料である。以前にも紹介したが、天津人が愛してやまないものを入れていく。
①甜麵醬…テンメンジャン。甘みそ
②醤豆腐(腐乳)…豆腐に麹をつけ塩水で発酵させたもの
この2つを基本として、辛いのが好きな人は「辣酱」を入れることになる。もちろん入れなくても構わない。そして、ネギを散らして包む。これで完成である。
それでは、天津まで来て煎饼果子のお店を見つけたが、ここは美味しいお店だろうか?と判断するために重要なことは何だろうか。私が考えるポイントしを紹介しよう。
①クレープの皮をつくる材料に注目してほしい。
今回のお店はとても有名なお店なのだが、なぜ有名かというと「緑豆」をきちんと使っていること。そのため、左下に見える皮を作る液が少し緑色になっていることが分かる。美味しくないお店は、この液の色が白・黄色(小麦粉だけ、トウモロコシ粉だけ)で作っているのが分かる。要するに材料費を圧縮しているのだ。これは皮の味を決める重要なポイントなので気をつけてほしい。
②醤豆腐を使うかどうか。
タレを塗る工程が2回(辣酱を塗る工程を含めると3回)あるかどうか。1回だけの場合は、テンメンジャンだけを塗っているので味わいに複雑さがなくなってしまう。入れたほうがおいしいし、テンメンジャンだけだと甘い(お店によっては塩辛い)味になってしまう。ここも重要である。
③焼いている台が回転するかどうか。
台が回転するタイプの煎饼果子を売っているお店もある。もちろん味が良ければ問題ないと思っている。ただ、私が見てきた中では台は回転しないお店が圧倒的に多い。なぜ回転するかと言えば、便利のためである。今回行ったお店も回転しないお店であった。どちらかと言えば、「新しい」お店であることを認識して試してほしい(回転しないお店で不味いお店はあるので、それも注意)
④観光地では食べない
観光地で売られている煎饼果子は土地代が価格に反映されているため、あまりおススメできない。私も食べてみたが、何か今一つ足らないような気がした。庶民の食べ物なので、ちょっとした路地で売っている煎饼果子、もしくは煎饼果子の有名店にぜひ足を運んでほしい。
今回訪れたのは、このお店である。天津大学・南開大学にも近い場所であり、天津一の繁華街「滨江道」からもそんなに離れていないので、天津に来た場合はぜひ食べてみてほしい。
ちなみに価格は
煎饼果子(油条)…11元(165円)
煎饼果子(サクサクパイ)…12元(180円)
となっている。標準で卵は2個使ってくれる(卵の数によっても値段は変動。標準は卵2個である)。
次回、別の煎饼果子の店に行く予定である。その際は、味の違いなど皆さんに紹介したいと思っている。