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自己紹介とインクの話・薄雲

こんばんは。薄雲うすぐもです。
新しくnoteを始めてみようと思います。

なぜ薄雲なのかというと、私の気に入っている万年筆のインクの名前が「薄雲うすぐも」だからです。(Tag Stationery 京の音 薄雲)
このインク、薄墨うすずみのような黒を水で薄めた感じの色をしています。平たくいうとグレーといったところでしょうか。涙を落としてしまい、薄くなってしまった色のようでとても気に入っています。

ただ、私の住む新潟にこのインクは売られていないのです。東京の伊東屋さんという文房具店で購入したもので、あまり東京に赴くことがない私は大事に使っています。

なぜこのインクに惹かれたのかというと、名前がとても素敵だったからです。お気づきの人もいらっしゃるかと思いますが、薄雲というのは「源氏物語」の54じょうのうちのひとつ、19巻の作品です。原文では読んだことがないのですが(というか難しくて読めない)、光源氏の亡き母である桐壺きりつぼ更衣の面影があり、彼が特別な想いを抱いていた継母・藤壺ふじつぼが亡くなってしまう回となっています。詳しくは申し訳ないのですが、割愛させていただきますね。そのことに1人打ちひしがれ、涙に暮れる光源氏をそのインクは表現していると勝手に解釈しています。

このインクを使うと私の叙情のない文章も、風合いのあるしみじみとした文章に錯覚してしまうものですから、本当に不思議な力を持っています(笑)

非常に気に入っていて使いがたいので、普段は別のインク「雪彩 せっさい糸魚川翡翠いといがわひすい」を使っています。糸魚川とは新潟県の地名であり、翡翠で有名です。そして、このインクは新潟県の限定品です。翡翠の色なのかと言われると少し違いますが……鳥類のカワセミの翼の部分をイメージしていただけると分かりやすいかもしれません。私の翡翠好きの恋人は岩石学を勉強していて、そちらの方に明るいのですが、翡翠の色とするこのインクに首を傾げていました(笑)

確かに私が唯一所持しているミャンマー産の翡翠(先程の彼から貰ったもの)はほぼ白色といえるもので緑っぽさはあまり感じなかったです。糸魚川の翡翠の色はどうなのでしょうか。でも響きがとても美しいので、このインクもまた気に入っています。

長々と好きなインクのお話をしてしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。少しでも興味を持ってくださった方は引き続きよろしくお願いいたします。

薄雲

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