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エッセイのようななにか

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適当に書きなぐっています。書いてすぐ投稿しているわけではないので、情報は古い場合があります。
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#独り言

「野生の勘」が嫌いだ

友人とイオンに食料品を買いに行った。カートに食材やお菓子を山積みにしてレジのお姉さんに渡す。レジに立っているのは高校生か大学生くらいの女の子だろうか。自分とそれほど歳は変わらないと見えた。 友人が「ありがとうございます」と言ってレジを離れようとしたとき、レジ番さんの目にただならぬものを見た。ありがとうございます、とボソボソつぶやきながら友人を見つめる異質な瞳。こころなしか赤っぽい。意味するところは明らかであった。 時折、自分以外の誰かに向けられた特別な気持ちになんとなく勘

夜ふかし

いま、夜ふかしをしている。タイピングの手を止めてパソコンの画面右下を見ると、2:28の表示。いい時間だ。このところ、2時を過ぎても大して驚かなくなってしまった。 これでも、決して昔から夜をふかしがちだったわけではない。保育園に通っていた頃は21時にもう力尽きていたし、中学高校の頃も1時には布団に入っていた。長期休みにはもう少し遅くなることもあったが、それでも2時以降まで起きていることはほとんど無かったように思う。ところが大学生になってからは、23時に寝て4時に起きる日もあれ

夜更け、春日通りで

中学高校のころ、飲み屋街に憧れていた。白熱灯に照らし出された暖簾、壁に貼られた手書きのよくわからないメニュー、飛び交う賑やかな声、そして楽しそうにお酒を酌み交わす大人たち。お酒は飲めないけれど、飲めないなりに、あちらの雰囲気にあこがれていた。大人たちが飲みに行くとなれば、うれしくていつもついていった。学校帰りに制服で行って、周囲を困惑させたりもした。うれしそうな大人たちを眺めているとなんだか自分までうれしくなるようで、少しでも早くあの場に加わりたくて、必死に背伸びをしていた…