【ただのつぶやき】『読書について(ショーペンハウアー)』
こんにちは。
読後感の記事、第2段です。今回は、ショーペンハウアーの「読書について」です。
実は、少し前に読み終えていたのですがなかなか記事にできずにいました💦非常に良い本でしたので、ご紹介いたします♪(^^)
〇本書の構成
本書は、ショーペンハウアーが先に刊行した「余禄と補遺」というエッセイ集の中から、「自分の頭で考える」「著述と文体について」「読書について」という3つの章を抜粋する形で纏められた本になります。
※著者は昔、自信をもって「意志と表象としての世界」という哲学書を世に出すのですが、残念ながらその当時はほとんど相手にしてもらえなかったという悲しい過去があります。また、「意志と表象としての世界」は専門家向けの難しい本であり、一般ウケするものでもありませんでした。
※晩年、著者は「意志と表象としての世界」の内容を、一般の人でも読みやすく噛み砕いたエッセイ集として「余禄と補遺」を発刊します。これが非常によく売れたおかげで、遡って「意志と表象の世界」にも注目が集まるようになります。なかなかの、苦労人だったようです。
3つに章が分かれてはいるものの、ショーペンハウワーが主張したいことはどの章も一貫しているので、あまり章立ては気にせず、一気に通して読むことができるかと思います。
文庫本で、全体を通して200ページ弱ですので、比較的薄い本の部類に入るかと思います。しかしながら、内容はとても詰まっており、一つ一つの言葉がなかなかに重たいので、読みごたえがあります。
〇読後感
そもそも、私たちはどうして読書をするのでしょうか。
著者は、読書とは他人の考え方を、ハンコを押したように自分の中に取り込むことであると言います。そしてそれは、他人に物を考えてもらっただけであって、自分でものを考えたことにはならないのだと(なかなか辛辣なことを)主張しています。そういうことばかりをしていると、自分でものを考える力が衰退するから、やめた方が良いそうです。
著者が大事にしているのは、あくまで自分でものを考えることが重要ということです。読書は、あくまでで自分でものを考えることの補助として使われるべきだと主張しています。
何も考えず、何でもかんでも読むような多読をしてしまっていると…いつの間にか他人の思想に染まってしまい自分の考えがなくなってしまうと、著者は危惧しています。
我々は読書をすると、多かれ少なかれ、他人の思考体系を自身に取り入れてしまいます。もちろんそこには”いい物”もあれば”悪い物”もあるわけです。なので、なんでもかんでも読むような多読はするべきでないと、著者ははっきり主張します。
そして、読むのであれば、自分の精神にいい影響を与える良書に絞るべきだ、と続いていきます。
※では、どのような本が良書なのか…という所については、ぜひ本書を手に取って、確かめてもらえたらと思います(^^)
また他には、当時の出版業界や、ライターの質、世の中の言語の乱れ、ドイツ人(※著者はドイツ人)と他国の人間の気質の違い…そういったいろんな切り口から、著者が感じる「出版物」に対する思いというのも、つらつらと書かれています。
特に「著述と文体」の章では、note等に文章を書く際にも参考となるような内容が多く書かれていました。さすが名作古典、今の時代にも全く色あせることなく通用する内容ばかりです。
全体を通して、歯切れのいい(辛辣な)言葉でズバズバと語られていきます。非常にテンポがいい(※「著述と文体」のところのみ、少し悪いが)読みやすい本でした。
1日1時間、約40ページぐらい読める方なら、5日間~1週間で十分読み終えることができます。お時間が許す方はぜひ、トライされてみてはいかがでしょうか?
※なお、私は光文社古典新訳文庫の方を読みました。訳は、岩波よりもこちらの方が読みやすく感じました。
※岩波文庫版ももちろん素敵です。岩波文庫や光文社古典新訳がおいてある書店であれば、だいたい棚は近いはずですので、両方パラパラと読んで自分になじみそうな方を手に取ってもらった方が良いと思います(^^)
暑い日が続きます。外で動くことが無理な日は、涼しい部屋で読書なんていかがでしょうか?
・・・おわり
※※※ ここからはお知らせ ※※※
いつもは、子どもにまつわる防災&応急手当に関する記事を、月1(+臨時で不定期)で書いています!どれも、忙しいパパ・ママ向けの、サラッとライトな内容なので、ぜひ一緒に見ていってもらえると嬉しいです(^^)下に、過去の記事をマガジン形式で纏めましたので、ぜひご覧ください!
また、私の日々思っていることや、好きなことなど、私がどんなやつなのか、どんな考えをもっているやつなのかが分かりやすい記事については、下の【ただのつぶやき】シリーズが、わかりやすいかもしれません。少しでも「パパ防災士:牛尾崇彦」個人に興味を持たれた方は、覗いていただけると嬉しいです!
※※※ お知らせ終わり ※※※