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一人歩きしてしまった名言を考える
なにげなく、記事を拝見していて、Candyさんの記事の「みんなはひとりのために、ひとりはみんなのために」が重いなんてのがあったのですよ。
思わず、こんなコメントを残してしまったわけなのですが。
これって、三銃士の
”Tous pour un, un pour tous.”(All for one, one for all)
ってセリフが元ネタなのかなっておもったけど、
ダルタニャンを含めてせいぜい4人なので、
数人単位の仲良しグループだけでいいと思いますよ(笑)
馬鹿正直にクラス全員とか無理でしょ。。。
小学校1、2年生の教室の黒板の上に貼ってあったけどね。
”Tous pour un, un pour tous.”(All for one, one for all)は「三銃士」(初出1844年)のセリフ。
元々大人数の話じゃないんですよ。三銃士自体市民を守っていて尊敬されてたかもしれないけれども、それですらこの言葉の「みんな」は、3人だけのことを指していて、市民全員とか知り合い全員じゃないんです。(コメントに書いているけれど、ダルタニャンもその"みんな"に入れてもらって4人になったかもしれないけれど)
ことわざを含めて、名言は一人歩きするからこそ、広がりをみせるわけなのだけれども、例えば以前フランス語のことわざで紹介させていただいたこのことわざ「一杯までなら大丈夫。3杯でこんにちはトラブル!」は、
1984年フランスでのCMが元ネタで、今やことわざに近い言葉になってしまったものらしいのですが。名言の元ネタってどこにあるのかなってみてみるとイソップ寓話(紀元前6世紀ごろ)まで遡るものもありますが、思ったよりも最近流行った(それでも100年くらい前だったりしますが)小説だったり、もっとごくごく実際に見たことあるようなCMだったりするわけです。
誰かを動かすための名言、それが実はせいぜい祖父母世代がいいはじめたような言葉ですらこの記事で書かせていただいたみたいなジェネレーションギャップの伝説感が働いて、めちゃくちゃすごい言葉のように響いてしまうってことってあると思うのです。
でも、例えば同じくCMの言葉でも、
「24時間働けますか!?」
みたいなフレーズって、栄養ドリンクを売るためのコピーだっていうのはそれなりのご年齢の方ならば存じていらっしゃるところだと思います。高度成長からバブル期の時代が過ぎ去り、今ではこれを真に受ける人ってさすがにいないかと思います。その時代にしか合わない言葉なので当時CMを実際にみていた層以外には残らない言葉になると思います。
世代かもしれませんが、冗談とも本気ともとれないフレーズとして私がよく聞くのは、
「あきらめたら、そこで試合終了だよ」
って言葉だったりします。同世代前後くらいの方ならおそらくご存知、元ネタは"スラムダンク|井上雄彦"での安西先生の言葉ですよね。これは、もしかしたら、多少形を変えつつも世代を超えて残る言葉かもしれない。
今回紹介した言葉って、基本的には「他人を動かすため」に発せられた言葉だということを忘れてはいけないと思います。
他人を動かそうとおもって意図的に発している言葉だから、ちょっと強いんです。
もちろん、自分自信に言い聞かせてもいいのですが、必要以上に言葉に振り回されないこと、そして、その言葉があたかも絶対に守らなければいけない人生の指標のように自分自身に降りかかって重いなんて感じた時は、元ネタがなんだったのか?当時の時代背景は?などさぐってみるのも良いかもしれません。
私自身、共感力薄めだったりするので斜めから見ちゃいますが、共感力高いかたほど注意してみるといいかもしれないですね。
ものすごーーくどうでもいい蛇足。
三銃士の映画というと2011年のミラ・ジョヴォヴィッチがミレディをやっていて、なんとか卿をオーランド・ブルーム演じている、ハリウッド製作陣のものが有名だと思うのですが、
2004年にヨーロッパで制作されて、エマニュエル・べアールがミレディをやっている「妖婦ミレディの陰謀」がツッコミどころ満載で笑えます。
ハリウッド版と両方見るとなお可。ハリウッド版では豪華客船まではいかないまでも大きな船でイギリスに渡るところを、こちらでは手漕ぎボートでえっちらおっちら頑張っていたりとか(笑)
そこはちょこっとネタバレしちゃいましたが、ストーリーは原作通りなものの、いろんなところが「え?そうなるの?」って感じなので、ぜひ映画好きな方には両方見比べてほしい。
予算的にはハリウッド版とは比べものにならないってレベルだと思いますが、衣装だけはたぶん「ホンモノ」です。まぁハリウッド映画の日本の時代物と三文時代劇を比べても衣装だけは後者がホンモノってあたりなのですが。
以前、楽天の動画配信サイトかなんかで、あって見たのだけれども、今は配信がないのかも。ちょっとめんどくさいかもですがぜひ!
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