新年の雑談+映画レビュー「ミッドサマー」「TENET」「3年目のデビュー(ディレクターズカット版)」
新年初めての投稿。
ということであけましておめでとうございます。今更ながら。
もう今月終わるけど。
自分の近況としては、元気だったりそうじゃなかったり元気だったりします。つまりそれなりです。
で、特に新年だからといってそれっぽいネタがある訳ではないのだけど。このご時世だし。そもそも絶賛引きこもりだし。
相変わらず日向坂で癒されたり深夜ラジオで笑ってたりします。
あ、昨年のM-1面白かったですね。
現況的に時間あるし昨年のM-1面白かったしで初めて敗者復活と決勝のネタ全部見ました。
ミーハーですがマヂカルラブリー超面白かった。個人的には吊り革よりフレンチのネタ超好き。毎日1回は見てる。過去動画も漁ってる。
そしてウエストランドのネタすごい好きだったのに完全に世間からスルーされてて悲しみ。
敗者復活ではキュウ、カベポスター、ゆにばーすの3組が良かったですね。
この3組は決勝のコンビより遥かに自分好みだったり。
で、話変わりますが今年に入り映画3本見ました。DVD(Blu-ray)で。
積みゲーがある程度消化できたので積ん読になってた本やら映画に手を出しつついます。ということで多少今更ながらの映画評。
1.「ミッドサマー」(2020.2 公開)
「ヘレディタリー 継承」のアリ・アスター監督の新作。
ヘレディタリーが凄い評価高い作品だったのは知ってたんだけど実際に観たのは今年に入ってなんだよね。
そもそも自分は霊的な存在、怪奇現象等を全く信じてないのでホラー映画に全く興味をそそられないのだけど、
良く聴いてる宇多丸さんのラジオの映画評で当時絶賛されてたのもあり見たところ、なるほどこれは良い映画だ、と思った。
神話的な怪奇現象もありつつ、主題はそこじゃなく「家族」という呪いの怖さに焦点を当てた作品だと思っていて、人間ドラマとして確かに怖い作品だった。ただやっぱりジャンルムービーとしてのホラー映画だなぁという感じで自分の中で「そこそこ好き」という評価。
ちなみに同時期に話題になったホラー「クワイエット・プレイス」は全然刺さらなかった。
そしてこの「ミッドサマー」。
個人的には昨年公開された(観た)映画の中で「パラサイト」を越えてダントツ1位の作品でした。
この映画の何が凄いって、オチも展開も読めるし何なら映画内の小道具やギミックでご丁寧に暗示どころじゃない説明してるのに、それでも「怖い」し「面白い」んだよね。ホラー映画なんだからまぁそういうもんじゃん、って言われたらそうなんだけど、ホラー興味ない勢の自分が感じたのはそこじゃなくて。
まず、映画のルックが明るいのよね。
こういう映画って基本暗闇の中~洋館で~、的なシチュエーション多いしTSUTAYA行っても基本ホラーのコーナーだけパッケージ真っ黒だし。
ただこのミッドサマーはスウェーデンの夏至祭が舞台で、北欧の明るい世界の中、ひたすら物語が進んでいく。
そしてこれはヘレディタリーにも通ずる、「人間」の怖さ。
この作品ではそれが「村社会」「共同体」とスケールがブラッシュアップされ、そこにある「宗教という異文化」もテーマとして描いている。
一見綺麗な景色の中、人々も祭を心から楽しんでいるその最中、
そこで行われる「外部から見た時のその異常性」、「洗脳によって個ではなく全のみが重視される世界」、「躊躇なく奪われる命」に観客は恐怖を感じる。見事に登場人物の価値観とシンクロしながら作品にのめり込む。
ただ、それも「こちら側」から見ただけの話であって、
「あちら側」からすると明確な悪意はほぼ存在せず、「善きこと」ととして共同体が成り立っている。
そしてそれは「こちら側」に居場所のない者にとっての「救い」になる事も往々にしてある。
「共同体」は「孤独」を救うものでもあるからだ。
そういう意味で、ある種普遍的な価値観を持つ自分達がこのミッドサマーという世界に入った時、その怖さが明らかになるのだろう。
また、これはホラー映画として以外にも恋愛映画としても見ることができる。元々情緒不安定な女子が家族を失うことにより更にメンヘラになり孤独を感じる彼女、悪い奴じゃないけど主体性のない、遊びたい盛りだけどでも彼女に情もある彼氏。
そんな二人の擦れ違いの結末が描くラスト、とも捉えられる。
多分これ男女どちらの目線で見るかで感想変わる話だと思うし、
自分は男だからかもだけどいや彼氏くんそこまで悪くないやろここまでの仕打ちされるかいな…って思ったけど
彼女目線だとコイツ最低、ってなるんだろうな。
現在一応絶賛緊急事態宣言中であり、
家で暇してる方もいると思われるので、
この「ミッドサマー」、事実を端的に書くと
「家族を失った失意の彼女が仲間内と北欧旅行に行って異文化に触れる事で孤独じゃない自分を見つけ出す」ハートフルな作品なので、
是非部屋の電気を暗くしてムードたっぷりで観るのを世のカップルにお勧めします。
観賞後の事は知りません。
(自分的評価:90点)
2.「TENET テネット」(2020.9 公開)
クリストファー・ノーランの新作。
かなり難解な映画として話題になっていたので観ようかなぁどうしようかなぁと思っている間に公開が終わってしまった。残念。
で、レンタルしてきて今に至る。
うーん、好きではないが嫌いでもない。
つまらないとまでは言わないけど面白くもない。そんな感想。
何度も見ることによってこの映画の謎が明らかになる的な面もあるのだけど、自分は1回で良いかなぁと思った。
ノーラン映画の自分のイメージとして、
「とにかく絵作りがスタイリッシュでカッコいい」
「単純なストーリーをこねくり回して回りくどく描写する」
「基本的にロジックの矛盾は考えるな、感じろ」という印象。
ただ常に時代の最先端を行っている監督だとは思うので、新作が出たらリアタイかは置いといて何か見ちゃう、的な。
歴代の作品の感想として
「メメント」は割と好きだけど作り手のドヤ感が鼻につく。
「ダークナイト」はジョーカーの下りは大好きだけどその他は基本冗長で眠くなる。
「インセプション」は映像すごいけど長い。眠くなる。
「インターステラー」は分かりやすくて好きな映画だったけど科学的な描写いれつつそれらを超理論と腕力でハッピーエンドに持って行った作品。でも長い。
「ダンケルク」は観てない。
まぁ基本ノーランと相性あんま良くないんだろなぁ。
でこの「TENET」。
話自体は巷で言われてるほど難しいかというとそうでもなくて、
「突然謎の組織にエージェントとして選ばれた名もなき主人公が核兵器による第三次世界大戦勃発を食い止めるため奮闘する」っていう物語。
もしノーランがSFスパイアクションを撮ったらって映画。
ただ、問題(難解)なのはそこに至るまでの過程。
とにかく描写が分かりづらい。というか未だに分かってない。
とりあえずYoutubeで考察動画見て多少不明点は解決した。
ただこの映画において、この場面は「いつ、どこ(どの時間)で」「だれ(どの時間の人物)が」「なにを」「どのように」「何のために」行われているのかが観てて本当に文字通り理解に苦しむ。5W1H全部無視か。
もはや登場人物も「原理は考えるな、感じろ」って遠巻きに言ってるし。
その他も突っ込み所多く、
序盤のオペラハウスでの偽装テロの解決方法が良く分からんかったり、要人が何故かプルトニウムをドヤ顔で「場所はクロークだ」とか言ってるし。
上着感覚で核をクロークに預けるな。野外フェスか。
そもそも論主人公の「はいあなた今日からエージェントです」「うん!」の順応性の速さ。
任務の「この人に会うためにまずここに行ってこの人に会ってその人が紹介するこの人に会ってね。」ドラクエ7か。
あとなぜ主人公が任務とはいえこんなにヒロインに共感、肩入れするのか分からない。というかもう登場人物全員の行動原理が分からない。
一応この映画のウリは「時間の逆行能力」なんだからそこはもうちょい親切に分かりやすく描いてもいいんじゃないかと思ったり。
なんかなあ、SW8でその名を世界に轟かせたライアンジョンソンがかつて撮った「LOOPER」に近いものを感じた。
ただ、何回も書いてる通り映画としてのルックはもの凄かった。
その推進力で2時間半一気に観れたのは事実だったし、
色々言いつつも観てよかった映画なのは間違いない。
ただこの映画、IMAXででかい音と画面で体験するのが正解だったんだろうなぁ。その場合も文句は言ってたと思うけど。
そもそも論今回の作品自体がスパイアクション的なジャンルムービーに近いので、
「007」や「M:I」、「ワイルドスピード」シリーズが正直好きじゃない自分にとってTENETそこまで…となるのはもう好みの問題だから必然なのかも。
とりあえず過去に観たけど完全に内容忘れたノーラン作品を見返したくなるなぁと思いました。Netflixに大量にあるし。
(自分的評価:65点)
3.「3年目のデビュー」(2020.8 公開)
アイドルグループ・日向坂46のドキュメンタリー映画。
昨年劇場に観に行って先日初回Blu-ray版を購入。
特典ディスクとして本編より50分程追加要素が加わったディレクターズカット版が収録されてるとのことで、こちらを視聴。
率直に言うと、全体的な軸は変わらず追加要素も劇場公開のおまけ感はあったかなあ。エピソード追加、というよりは要所のインタビュー箇所の追加、という感じ。
ファンとしてはメンバーの各インタビューとかこんなんなんぼあってもいいですからね状態だけども、確かにこれを劇場で映画としたらダレる感は否めないし、少なくとも一見さんは通常版の2時間で十分だと思う。
それでも内容が素晴らしいのは間違いないし、劇場で見たラストの青春の馬は日向坂版ボヘミアンラプソディだった。
あれは劇場で見たからこその感動だと思う。
個人的には推しの宮田愛萌の出番がDC版でも少なかったのと、
ひらがな時代のアルバム発表からの1年近くが結構エピソード抜け落ちてたのが残念だったかなぁ。
「3年目のデビュー」だからこそ、デビューに至るまでの経緯をもうちょいDC版で補足してほしかったという感じ。
あとオードリーとか小藪さんとか仕事仲間の先輩関係者のコメントももっとあればという高望み。
そしてこれは劇場公開からの思いだったけど、
創始者の長濱ねる、ねると並び初代Wセンターの柿崎芽美へ最大限のリスペクトがある作品だったのは凄い良かった。日向坂になるまでの道を支えたのは個人的にキャプテンとこの2人だと思うし。
もし今も在籍してたなら自分的推しメンTOP5には間違いなく入るので、
ねる芽美が居る世界線の日向坂も見たかったなぁという気持ち。
あと最近の長濱ねるめっちゃ痩せてておじさん心配。
でとにかく、この「3年目のデビュー」が日向坂というグループを知るには最適の映画なのは間違いないし、
日向坂に興味がある人、自分みたいな元AKBアンチ的なファンになる要素限りなく少ない人にこそレンタルでも何でも良いから見て欲しい。
まぁでも、坂道以外のアイドルからすると複雑な所はあるかもね。
「けやき坂46」の時点で坂道グループの冠をもとに武道館やっちゃうキャパだったのは間違いないし、それに売れてない辛い的なのは思う所がある人もいるかも。
ただ、ひらがなけやきで終わらず日向坂で名の通り現在陽の当たる坂道に進んだのは紛れもなく彼女たちの努力であるのは間違いないし、そこは評価されるべきだと強く思う。ファンも、そうでない人も一見の価値あり。
(自分的評価:劇場公開版→85点・DC版→80点)
こんな感じ。
総評:気になった映画は迷う位ならすぐ劇場で見たほうが良い。以上。
うん、結局今回も長い記事になってしまった。(約5000字)
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