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【読書感想文】人生の舵取り

ジェーン・スー『闘いの庭 咲く女ーー彼女がそこにいる理由』を読んだ。

この本はジェーンさんが、13人の著名な女性にインタビューして、女として(というより「人間」として)、どうやって今まで生きてきたのかを問うことで、人生を生きる上で大事なことを見つける本だ。

主にあとがきからの抜粋になってしまうけど、自分の人生を生きるために必要なこと。それは「決してあきらめない。自分を信じる」こと、「自分の人生の舵を決して手放さない」ことだと言う。

そのためには「自分の地図と羅針盤を持つ」。

たとえその時は、目的地が分からなくても、自分を見失わずに、生き、闘うために。そして、闘いながら、生きていくにふさわしい場所に自分の苗を植え、植え替え、いつか花を咲かせるために。

やり方は13人それぞれ違うけれど、みな一本筋の通った御仁ばかりだった。

私はとある女子大出身だ。

初代の学長の言葉を、その時の学長が引用して卒業式の式辞を送ってくれたことを思い出す。

「この学校での学びを灯として、卒業後の道標として生きていってほしい……」
というような。

ジェーン・スーさんのこの本を通して、女性に向けたエールのような、あなたに欠けていて、でも大事にしていってほしいことは……、と語ることは、その式辞と重なるところがかなりあった。

これから先の人生では、迷うこと、躓くこと、ぶつかる壁、困難が数限りなくあり、決して楽ではないでしょう。

でも、この学校での学びを心の灯として道を照らし(言い換えれば、あなたの「地図と羅針盤」にして)、生きていってほしい。

ジェーン・スーさんの考え方は、まるで大学時代に繰り返し伝えられたことの振り返りをするようだった。

私は女子大出身で、確かにそういうジェンダー格差への問題意識というもの、ガラスの天井というものへの関心が高い学校にいた。

男女を比べた時に、社会の構造として、まだまだ不公平な立場にいるという女性のための学校だから、女性へのこういったエールというものに、私個人はあまり異質なもの、偏ったものという受取り方はしない。

でも、男女問わず、自分の人生の舵を決して放り投げないことは大事なことで、そこには根性論とか、努力論とかの問題ではなく、あなたの人生があなたのものであるために、必要なことではないかと思う。

中島みゆきさん(TOKIO)の「宙船」も、歌ってるじゃない。

「おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな」

自分なりの「地図と羅針盤」は、迷った時、困った時に必要。それを大事に育てて持っていることは、人生の宝だ。

この本を、特別な女性へのエールの本だと思う必要もなく、男女差別を助長させる本だと思う必要もなく、ただしたたかにしなやかに生きてきた人(たまたま女性)のインタビュー本だと思えば、抵抗なく受け入れられる本だと思う。

あなたが、自分の人生を生きるために必要なのは、人生の舵を自分で諦めず握り続け、その自分の舵取りを信じることだから。

【今日の英作文】
私は随分長い間、SNSのアカウントにログインしていません。削除されてしまうかも。
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