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【読書感想文】「何かが違う」という魅力

普段はない連休。のんびりできていいなぁと思う反面、なんだか曜日感覚が狂う。

日曜日のつもりが、土曜日だったり。

感覚的に明日は仕事のつもりが、まだもう一日休みだったり。

得したような、せっかちな自分の性分が損で悲しいような。

この前の連休は、掃除をしたり、読書をしたりした。

掃除をするにはちょっと寒すぎたけど、やると決めたからやってみた。綺麗になって満足。

ガンダムSEED FREEDOMのノベライズ本の上巻を読了したり、

今村夏子『父と私の桜尾通り商店街』を読了したりもした。

今村夏子さんの本は、今村ワールド全開だった。

私は今村さんが好んで(わざと)、主人公たちにあの特徴的なズレを持たせているのだと思っていたけど、そうではないらしい。本の最後のインタビューで、そうご本人が語っていた。

今村さんの物語は、最後どこに行き着くか分からないけど、主人公たちのズレが鍵となって、不穏で、思わず見たくないと思ってしまうような、人間の本性を見せつけられる。

私は今村さんの描く、常識や普通と言われるものとうまく交われないズレを、まるで誰かに対する復讐のようだと思っていた。

あまりに何度も繰り返される、モチーフで、パターンだから。

痛々しくて、寒々しくて、誰も間違っていないのに、何かが違っていて、その場の空気が凍る。コミュニケーションのボタンをかけ違う。

何かを知らないか、何かを思い(詰めていて)周りが見えていないか、こだわりが強すぎるか。その立場だったら、誰にでもありうる行き違いを、読者にこんなのやだなと思わせながら、語る。

私も祝日という日常のズレで、今村さんの小説の人物たちのズレをいつもより大きく感じたのかもしれない。

もどかしいような、座りが悪くて、気持ちが悪いような。ごちごちに絡まってしまった毛糸を解くような、腹が立つほど容赦がない。

それらがどうにかしたら、まっすぐ、解けることがあるのかというと、それは永遠にムリ筋な話で、どうにかしようという気にもなれない。

だからそのズレこそが、その人の色であり、個性であり、魅力なのだと今村さんは語る。

今村さんの本を読んでいると、暗い気持ちになったり、この人たちはどうしたらいいんだろうと思うことも多い。

でもインタビューを読みながら、それは悪いことじゃなかったんだなと気づいた。

うまくできなくてもいい。

うまく生きる必要もない。

ズレは、その人のらしさであって、言い換えれば魅力ということ。

日常の中で出会うズレを私たちは恐れ、嫌がり、恥ずかしいと思うこともある。

でも、天地がひっくりかえっても、均質な世界が生まれようがないように、「何かが違う」は、自然なことなんだろうな。

祝日で狂った感覚も、祝日らしくて素敵。

【今日の英作文】
あなたの秘密を心に留め、誰にも言いません。
I keep your secret in my mind and will never tell it to anyone.

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