「優しく微笑む」
先週桜が咲き始めた。
職場の入っているビルの前にある街路樹の桜が、満開になった。
ちらほら、もう葉が混じっている。
白っぽいピンクの花弁が、薄い青の空にほんわりと映えている。
じわじわ、ゆらゆら心の揺らめきを感じる。
少し話は変わるが、plumという単語は、一般には「梅」という意味。
SCANDALのアルバム「LUMINOUS」に、「Plum」という曲があって、なんで「梅」なんだろうと思い調べてみた。
スラング(?)で、plumには「愛しい人」という意味もあるそうだ。
「my sugar plum」というように使うらしい。
梅は酸っぱいというイメージがあるけど、花はとても小さくて可憐。儚く愛おしい気持ちになる対象になるのかも。
納得。
だから余計に切ない歌だとも思う。
さて話は戻って。桜にそんな隠れた言葉があったら素敵だなと考えてみた。
桜ははるか昔から、日本の「花」の代名詞にもなっているので、隠れた意味はもうちゃんとあるのかもしれない。
でも、自分で考えるのもいいかなと思うので。あえて調べることなく、イメージを膨らませてみる。
桜は別れの季節、出会いの季節に咲く花。
必ず数日で散ってしまう、儚い花。
その散り方がとても美しいので、「去る時」「死ぬ時」の例えにも使われたりした。する。
決して、牡丹や百合や椿のような華やかさも、派手さもないけど、さりげなく静かに咲いて、日本の薄く曇ったような、ペールブルーの空によく映える。
私は桜を見ると、寂しいような、そわそわした気持ちになる。私はまだ準備ができてないのに、もう咲いちゃうの? 散ってしまうの? と取り残されるような。
寒々しい冬が終わり、まだ少しひんやりした春が始まる時に桜は咲く。生き物たちの季節が始まる、そんな季節に。
新しい季節が始まり、眠りの季節とは別れを告げる。
次々と新しいスタートを切っていく、生き物を見守る桜の花。
そんな奥ゆかしい桜のことを「優しく微笑む」とでも呼ぼう。
私のように、いつも出遅れ気味でおろおろしている人にも、いいスタートを切れたやる気いっぱいの人にも、3月からの生活が地続きでそのまま続く人にも、桜は平等に咲いて、見守ってくれる。
新しい季節を祝福して、そこで咲いている。
「優しく微笑」みを浮かべて、毎年見守ってくれるかのよう。
多くの人が綺麗だなと思う姿で咲き、みんなのスタートの姿を見た途端、自分はふっと散っていってしまう。
今年も優しい微笑みを、見ることができた。
桜の微笑みを受けて、多くの人が微笑みを返す。
素敵な連鎖。
桜の微笑みを勇気にして、今日という一日もいい日でありますように。
【今日の英作文】
人混みの中で、「通して! 急病人です!」と叫んだ。
I shouted in the crowd ''Let us through! An emergency patient!''
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