見出し画像

博物館のこと「渋沢栄一記念館」「旧渋沢邸『中の家』」

5月4日 晴れ
渋沢栄一記念館、旧渋沢邸「中の家なかんち

・渋沢栄一記念館

今年の7月3日に発行される「新しい一万円札」のお顔になります渋沢栄一氏の記念館。公民館の中にあるから、図書館、体育館などの施設も利用可能(利用には公民館の事務室で受付)。肖像画がね、かわいいんです。
公民館の中にあるからそんなに広くなくて、時間をかけずに回れます。公民館の方かボランティアの方かわかりませんが、入り口入ってすぐのところにある展示の説明をしてくれました。年表には事細かに偉業が書き連ねてあります。もちろん仕事以外のことも。
人はたくさんいました。地元の人以外にもいたかもしれません。連休中だったし、観光がてら覗きに来た人も多かったのかも。「新一万円札の顔になる人だから、ちょっと勉強しとこう」って人もいたのかも。

偉業、つくった会社や企業の数々。どの企業や機関の、どの部分から関わってたとか、名前は変わっても企業自体はまだ続いてるとか。こんな企業やあんな企業も、実は渋沢氏が関わったり創設したりしてる……私の中では「おじいちゃんがつくった企業が、とんでもないお金と富と豊かさを生み出して日本を支えている」みたいな感覚さえあります。お札の顔になるのもわかりますねえ。
2階では、ご本人の肉声が聞けます。そしてその声と最新鋭技術が合わさりまして、渋沢氏を現代に甦らせた「アンドロイド」がいます。超短時間講義を受けることだってできるんです。

本日の講演。

書道も嗜んでた渋沢氏。青淵せいえんは渋沢氏の雅号で、いろんなところに青淵の文字が。直筆の書がいくつかあって、字形はきれいなほうだと思いました。私とはえらい違い。でも昔の人の字だから、ちょっと読みづらい。

・麺屋忠兵衛

「深谷・熊谷の名物ってなんだろう」と思って調べました。深谷はネギ、渋沢栄一。熊谷は雪くま、ラグビー。地域で言うとほうれん草、里芋、うどん、そばなど出てきますが、せっかくなので深谷・熊谷グルメを食べたい! しかし渋沢氏とラグビーは食べられません。でも体力と叡智がほしい私、食べられるなら渋沢氏とラグビーも食べたいのです(無理)。

渋沢栄一記念館の入る公民館の近くに、渋沢氏も食べたと言われる「煮ぼうとう」を出してくれるお店があって、お昼ごはんはそこで食べました。
そのお店は旧渋沢邸「中の家なかんち」と同じ敷地にあったんですが、別の「休憩所」が駐車場のすぐそばにあって迷いました。

「ほんとにここ?」と親友。
「ここのはず…(ちょっと不安)」と私。少し歩いた先に「煮ぼうとう」の文字が。奥まで行ってみると、

あった〜〜〜!

古民家。

古民家を改装した「麺屋 忠兵衛」さん、やっと発見です! 開店してからあんまり時間が経ってないころに訪れましたので、すんなり入店。即案内。古民家を利用したつくりで、空調はきいてましたが涼しくて快適。木のにおいと、目と鼻と心が喜ぶ古民家のかおり。
古き良きじゃないですが、がっちり今風の建物よりも、こういう落ち着いた雰囲気のほうがおいしく食べられる、みたいなのありませんか?

メニューは2種類。煮ぼうとうと、煮ぼうとうと「とろろごはん」のセットだけ。非常にわかりやすくかつシンプルなメニュー。ほかは選ばせない最強の選択肢。お腹は空いてましたが、じんましんが出て親友を困惑させるのはイヤだったので、とろろごはんは我慢。
待ってる間、お店の方が掛け軸の説明をしてくれました。
天意重夕陽人間貴晩晴」。渋沢氏(青淵)の直筆の書。
人は晩年が大事だそうで、若いときに欠点があっても晩年はなんとかなる という訳だそうです。
渋沢氏の中に「人の一生でおろそかにしていい時間はない」そうです。人生とは勉強または学び。
はいー、精進します。

閉店後は厳重に保管されます。

渋沢氏の書に心打たれてると、煮ぼうとうがきました。見た目シンプル。飾り気のないのがいい、と私は思いました。
煮ぼうとうは醤油味。山梨のほうとうは味噌味。ネギ、にんじん、しいたけ、白菜、ほうとうなどを、醤油味がこっくりまとめあげて、三つ葉がしっかり引き立てます。
ほうとう=寒い日に食べたいイメージがついてましたが、暑い日でも食べたくなる魔法みたいなのが絶対あります。夏の暑い日に、あつあつのカレーを食べるみたいな感覚です。

渋沢氏も食べたそう。

そして忘れちゃいけない脇役、お漬物。最初見たときは「白いたくあん」だと思ってましたが、断面が大根じゃない。繊維質とは違うモノが見える…?
なんだこれはと口にしてみると、急に広がるうまみ、大根とは違うシャキッと食感。シャキッとというより、サクッと食感。口の中「味噌」だったのを、口の中を「出汁」に変えてくれました。
ひとことで言うなら「さっぱりしててうまい」ですね。

・旧渋沢邸「中の家なかんち

古民家ふたたび。

煮ぼうとうを食べてから、旧渋沢邸「中の家なかんち」の見学をしました。
渋沢氏が23歳まで過ごしたとされる家。中は広くて、もともと住んでた家で補修が間に合わないところもあって「踏み抜き注意!」みたいな注意書きも。そのままを残したいですもんね。リメイクしすぎたら、風格もなにもなくなっちゃいます。昔のおうちだから風通しが抜群によくて、気持ちよかったです。ここの前で撮った集合写真なども見ることができます。
1階には記念館で見た「蘇る渋沢氏」アンドロイドが出張なさってました。このアンドロイドどこにでもいるんだな。講演内容はだいたい同じ。聞ける時間はこちらのほうが長いです。

若かりしころの渋沢氏。

渋沢栄一記念資料館と、旧渋沢邸「中の家なかんち」と麺屋忠兵衛は同じ敷地ではありません。見学される方はお間違いなきよう。

この記事が参加している募集

いただいたサポートは「自分探し(できてないけど)」のために使わせていただければなぁと思ってます。